●ふ~ちゃんが飛んでった(3/17up)


我が家に来た風船は全て「ふ~ちゃん」と名づけられます。

ある日ママがベランダで洗濯物を干しているとかぼちゃんが「かぼちゃんも
ベランダ出る!」と言って窓を開けた。
とっても風の強い日だった。突然かぼちゃんが「あっ!ふ~ちゃんが飛んじゃった!」
と叫んだので振り向くと白いふ~ちゃんがふわふわとベランダの手すりの辺りを
飛んでいる。急いで手を伸ばしたのだが、その時更に強い風が吹き、ふ~ちゃんは
あっという間に空の彼方に飛んでいき、遂には見えなくなってしまった。
もうかぼちゃんは涙涙。「ママ、ふ~ちゃん取って来て~」と訴えるのだが、
我が家は4階。そんなに簡単に取りにいけない。
「もう無理だよ。見えなくなっちゃったもん。何でふ~ちゃん外に出したの!」と怒ると
「かぼちゃんママとこに行きたくて窓開けたんだよ~」と言う。
わざとじゃなければ仕方ない、と思い今度は優しく
「それなら仕方無いけど、今度から気をつけてね。ふ~ちゃんは軽いからすぐに飛んじゃうんだよ」と宥めてみた。
でもその後もしつこく泣きながら
「ママ~、ふ~ちゃんどこ行っちゃったのかなあ。風が吹いてなければ良かったのに~。
風がなければふ~ちゃん飛ばされなかったのに~」と愚痴愚痴言っている。
あまりにもしつこいのでこちらもつい再び怒ってしまった。
「違うよ!悪いのは風じゃないよ。かぼちゃんだよ! かぼちゃんが窓を開けたから飛んでったんだよ! ママ言ったでしょ! 寒いから窓開けちゃ駄目だよって! 何で開けたの!」
かぼちゃんは当然大泣きしてしまった。

それからしばらくずっと泣いていたかぼちゃんはポツリと言った。
「ふ~ちゃん車につぶされないかな?」
その言葉でハッとしてしまった。私はかぼちゃんがふ~ちゃんというおもちゃを
無くしたことが悲しくて泣いているんだとばっかり思っていたけど
(当然それもあるだろうけど)
かぼちゃんはふ~ちゃんが何かにつぶされることが一番悲しいんだ、と気付いたのだ。

かぼ
「ふ~ちゃん車にひかれたらつぶれちゃうねえ。自転車にもひかれちゃうかも。ママ~どうしよう。
かぼちゃんどうしよう。。」
ママ
「ふ~ちゃんは大丈夫だよ。お空飛んでるんだからひかれないよ」
かぼ
「なんで~」
ママ
「だってお空には車も自転車もいないよ」
かぼ
「でも海に落ちちゃうかも。。。」
ママ
「大丈夫だよ。ふ~ちゃんはずっとお空を飛ぶんだもん」
かぼ
「飛行機は? 飛行機にはひかれない?」
ママ
「軽いから大丈夫。そうだかぼちゃん、ふ~ちゃんもしかしてお月様まで行くかもしれないよ!
お月様にはぴょんちゃん(かぼちゃんお気に入りのうさぎのぬいぐるみ。我が家
ではうさぎは全て
「ぴょんちゃん」と名づけられます)のママがいるって言ったでしょ? ふ~ちゃんがかぼちゃんの代わりに
ぴょんちゃんのママに会いに言ってくれるのかもしれないよ!」
かぼ
「行けないよ。だってお月様はすっごく遠いんだもん!」
ママ
「うん、すぐにはつかないよ。何日も何日もかかるよ。でも絶対大丈夫。そんでぴょんちゃんのママに
ぴょんちゃんはかぼちゃんの家にいてかぼちゃんと遊んでます。って言ってくれるかも」
かぼ
「だってふ~ちゃんお口が無いからしゃべれないよ~」
ママ
「そうだねえ。だったらかぼちゃんがお手紙を書いてあげれば? これはふ~ちゃんです。ぴょんちゃんは
かぼちゃんの家にいますから大丈夫です、ってさ」
かぼ
「そうだねえ、お手紙書けば大丈夫だねえ。かぼちゃんお手紙書くよ!」

早速かぼちゃんはぴょんちゃんへの手紙を一生懸命書き、少しご機嫌が治ったのだった。
その後も暫くの間かぼちゃんはことあるごとに
「ふ~ちゃん、まだお空飛んでるかな。お月様着いたかな~」と言っておりました。

なんとなく心があったかくなる出来事でありました。

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【後日談】その後のかぼちゃん、風船に執着する!!

これは後日談なのだが、ふ~ちゃんが飛んでいってからもう二ヶ月近く経つと思うのだが、
かぼちゃんは「ふ~ちゃんが飛んでった」事件以来風船への執着がすごく強くなった。
例えば、郵便局などで風船をもらうと、絶対自分で持って行く!と言って聞かない。
以前ならすぐに「ママ、持って~」と言っていたが、私のことが信用できないのか(T_T)、
自転車を運転しながらも自分で必死で持っている。
風船ばかり見ていて危ないので、「ママが持ってあげるよ」と言うと、しぶしぶ渡すが、
「絶対手を離しちゃ駄目よ!絶対よ!ぎゅうっと持ってて!」とうるさい。
あんまりうるさいので、冗談で
「う~ん、でもママベビーカーも押してるし、もしかしたら手を離しちゃうかも」
と言うと、たちまち泣き顔になって、
「じゃあ、ふ~ちゃん飛んでっちゃってもいいのね!平気なのね!」
と私と同じ口調で攻めてくる。

また昨日はあるお店で風船を配っていて、かぼちゃん、ゆぼちゃんももらった。
買い物を済ませ、お店から出るとすごく風が強い。すかさずかぼちゃんは
「ママ、ゆぼちゃんの風船持ってあげて!飛ばされちゃうよ!」と私にお願い。
でもゆぼちゃんはすごくご機嫌に風船のついている棒を振り回している。
「でもゆぼちゃんすごく喜んでるよ。大丈夫だよ、ゆぼちゃんに持たせてあげて」
と言うと、やはり涙まじりに、
「じゃあ、風船飛んでっちゃってもいいのね。無くなっちゃうよ!もう戻ってこなくてもいいのね!」
あまりにもうるさいので、
「いいの!これはゆぼちゃんの風船なんだから、ゆぼちゃんが飛ばしたらゆぼちゃんの責任!
それよりかぼちゃんは自分の風船を心配しなさい!」と怒った。
するとかぼちゃんは、
「かぼちゃん今日は荷物多いから、ベビーカーの下に入れて!」と言ったが、ベビーカーの下は既に買い物袋で一杯。
「いいよ。ママが持ってくから」と言うと、すごく不安そうな目で
「絶対離しちゃ駄目よ!ぎゅうっと持ってね!飛んでっちゃったら可哀想だからね」と念を押す。
よほど私のことが信用できないらしい。。。T_T

帰り道も自転車で前を走りながら、後ろばかり気にするかぼちゃん。
その時突風が吹いて、ゆぼちゃんの風船が飛ばされた!
「あ!風船が飛んじゃった!」という私の声に、すかさずかぼちゃんが
「え!かぼちゃんの風船?」と聞く。
「違うよ。ゆぼちゃんの。あ~でも向こうの道路の木のところに引っかかってる」
当のゆぼちゃんは平気な顔で、今度はかぼちゃんの風船をよこせ、とママの方に手を伸ばし「あ~!あ~!」と要求。
それを見たかぼちゃんは
「これはかぼちゃんのだよ。ゆぼちゃんは飛ばしちゃったでしょ!だから言ったでしょ!」と怒っている。
仕方ないので、かぼちゃんにゆぼちゃんを見晴らせて、向こう側まで風船を取りに行った。
その後もかぼちゃんは、
「もう、ゆぼちゃんに持たせないで、ママ持って!」と要求したが、
「これはゆぼちゃんの風船だからいいの!」と無視。

我が家は自転車やベビーカーを置く場所が無く、車に積んであるのだが、駐車場はアパートよりも約100mも離れている。
だから駐車場からの帰り道もかぼちゃんはゆぼちゃんにすごくうるさくて、
「ゆぼちゃん、早くしないと風船飛ばされちゃうよ!ママ、ゆぼちゃん抱っこしてあげて!」
挙句のはて、
「かぼちゃん、風船が飛ばされちゃうから、階段ところまで行ってるね!」と勝手に行ってしまうし。。
家に着き、私が
「もう大丈夫だよ。おうちなら飛ばされないよ!」と言っても、窓が網戸になっているのを見て、
「網戸じゃゆぼちゃん開けちゃうよ!」と叫びながら全ての窓を締めていた。。
そして全ての作業を終えたかぼちゃんは、急にゆぼちゃんに優しくなり、
「ゆぼちゃん、かぼちゃんの風船も貸してあげるよ」
などと言って、優しいお兄ちゃんになっていた。。。

一体いつまでかぼちゃんの風船への執着は続くのだろうか・・・・・

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