映像四郎の百人斬り

映像四郎の百人斬り

「ぴくぴく」





 地下鉄A子ちゃんは、「ぴくぴく」していた。

 愛犬○に、じゃれられてるようだ。

 受話器の向こうでは、「えへへ」と笑っている。

 が、それに反し、「霊能力者」絡みで、気分は、

 無呼吸状態らしい。

 借りてきたDVDを見ても、ココロが、

 受け付けず、ココロあらず感、いっぱいみたい。

 きゃつらのファンタジーをリアルに感じるように、

 チューニングをいじられてしまったようだ。

 朝から、お掃除しまくって、

 ひたすら、身体を動かしていたらしい。

 しかし、声は、落ち着いている。

 明るい。

 瀬戸際になると、逆に、肝がすわってくるのかも。

 ただ、直前で、ちょっと、トラブってるけど。

 マッサージ受けながら、ラポート関係を形成されて、

 どうやら、じいちゃん、ばあちゃんの因果物語まで、

 地下鉄A子ちゃんの仕業になっているようだ。

 んなわけねーだろ(ぱこっ)。

 とは、思うけど、身体のマッサージとともに、

 食い込んじゃった「全因果A子ちゃん原因説」は、

 さりげなく、A子ちゃんの「OS」を改変したらしく、

 自分責め状態を、作り出し、気分が苦しいらしい。

 「どうしたらいいの?」

 と聞かれるが、

 「やっぱ、よーわかんねーや、えへへ」

 と、お話を聞き続けるしかなかった。

 「あたし、お母さん、死んじゃって、

  自分のせいじゃないのに、

  自分責めちゃって、催眠療法で、

  ようやく、バランス取り戻したのに、

  あたしのせいだっていうんだもん」

 マッサージの心地よさに、つけ込んで、

 「A子ちゃん、全て、お前が、わるいのよ」節を、

 催眠療法されちっまったようなもんだ。

 喋ってるうちに、「引き金」が、浮上するのを待って、

 A子ちゃん自身が、解除するのがいいのだろう。

 単純に、面前で、友達との対話で、

 批難されるのとは、わけがちがう。

 南米のキャンプ中に、わけわかんない虫が、

 皮膚の中に、入り込んで、

 「ぴくぴく」してるようなもんで、

 自分では、掻きたくても、なかなか、掻けない状態のようだ。

 「地下鉄A子ちゃん」入院まで、あと、○週間。

 たまに、「ぴくぴく」の行方に、耳を傾けていこうと思った。



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