映像四郎の百人斬り

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「風間宗拓展」





 荻窪の名曲喫茶ミリオンをも拠点とするARTemisさんが、

 コーディネートした「動書展」です。

 青森県在住の「書道芸術家」の「風間宗拓」氏と、

 楽天ブログ&メールによって、成立したサイバーな「個展」なのだそうで、

 ネットの可能性を感じさせられます。

 「風」や「月」など、氏独自の筆の流れによって、

 ばっさり、切り取られた「文字の動き」は、見てて気持ちよく、

 「説文解字」などの「漢字」の裏側に潜む「造字の哲学」の「象徴性」を、

 自然と感じさせる作品群でした。

 また、酒のラベルなど、

 「意匠」のデザイナーでもある氏の「人」や「動物」を想わせる

 「文字の象形化」は、鮮やかな「色」と組み合わされ、

 「芸術性」と「商業性」のさりげないドッキングによって、

 「作品の流通可能性」の拡大を、教示されたような気がしました。

 そして、個展の面白さは、そこに、引き寄せられる「人」であることも、

 感じさせられました。ARTemisさんとお友達の女性の会話が、シュールで、

 さりげなく、飛んでいて、

 「世の中には、こういう視点も存在するのだ」ということに気づかされました。

 中でも、秀逸だったのは、「ウィルス」についてのお話で、

 自分は、よくわからなかったのですが、

 「SARS」や「エボラ出血熱」についての

 「海外旅行」に絡めたリアルなお話でした。

 「ウィルス」を撲滅するよりも、「ウィルス」と共存してゆくのが、

 現代免疫学の主流なスタンスになっているそうで、

 「ウィルス」の生存戦略としては、

 強すぎて「宿主」をすぐに殺してしまうよりも、

 ある程度、ゆるく「宿主」を生かしておける方が、高度なのだ、

 ということでした。

 だから、強すぎた「エボラ出血熱」の「ウィルス」は、

 「宿主」を瞬殺してしまったことで、

 逆に、絶滅を免れなかったとのことで、

 「エイズ」のように、キャリアを、ゆるやかに、

 生かしておける「ウィルス」の方が、よほど、怖いとのことでした。

 そして、結論としては、「ウィルス」の撃退法を開発しても、

 それをすぐ乗り越えようとする「ウィルス」たちは、

 「意志」を持っているとしか思えない、

 営業戦略として、殺傷能力度や、人間との共存度について、

 「コンセプト」の打ち合わせを、どこかで、行ってるとしか思えない、

 とのことでした。

 そこで、女性のお友達から、引き合いに出された、

 おそらく、「星新一?」であろうと思われる

 「ショート ショート」の「自分のガン細胞と対話する男の話」に、

 妙に納得しつつ、東京の片隅での書道展で、

 「ウィルス」物語の洗礼を受けた、私は、何が、飛び出すか、わからない、

 東京という街の「魔界性」に触れさせていただいたのです。

 今西錦司?や、栗源慎一朗の「進化論」としては、

 確か、進化の断層=ミッシングリンクには、

 ウィルスによるDNAの書き換え?が行われ、

 「徐々に」ではなく、「JUMP」によって、

 「サル」から、「人」への「進化?」が、行われていた、

 といったお話だったようですが、そういうことだったのでしょうか。

 なにはともあれ、今回、「お!」と想ったのは、

 ARTemisさんが、「風間宗拓展」を、実施に踏み切らせた点についてです。

 ポイントは、「色」だったそうで、

 カラーセラピストであるARTemisさんは、作品へのトバグチは、

 いつも、「色」なのだそうです。

 今回の「風間宗拓」氏の「意匠芸術」としての

 「文字」の周りに配される「色」にせよ、

 前回の「白魚トーフ」さんの「写真展」にせよ、

 そういえば、突出していたのは、「色」だったことに、気づかされました。

 どちらかというと、

 「フォルム」や「心理的側面」から、入ることの多い、私としては、

 その「あり方」が、逆に、新鮮に映ってしまったのでした。

 「色」なんですね。

 新たな「視点」に、触れられることが、個展という「磁場」に、

 身を寄せてみることの、価値かも、と想わせられた「ひととき」でした。





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