GOTHIC ZONE

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題:ドッペルゲンガー


そいつは外見も中身も俺だが、俺じゃなかった。
俺を熟知して俺を上手く乗りこなしてやがる。
俺より輝いていやがる。

羨ましくも憎らしい。

俺もなれるかな?
もう一人のオレに聞いた。
無理だ、と即答された。

ますます憎らしくなった。

殺してやりたかった。
でも、完璧なオレに俺が勝てるわけがない。
だから我慢した。

あぁ、イライラする。
もう一人のオレは何であんなに人気で、俺はどうしてこんななんだ。

しかたが無いから、俺もオレらしく軟派なことをして英雄を気取ってみた。
結果は惨敗。俺は嫌な奴になってしまった。
オレが上から嘲笑っているようで怖かった。
頭を上げられなかった。

そんなある日、ふとしたことでオレを殺した。
オレよりも狡さや醜さなど負の面では勝っていたから案外簡単だった。

だけど、同時に俺も消えちまった。
取り返しのつかない戯言。

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