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子どもの偏平足


子どもの偏平足

 扁平足とは、土踏まずと呼ばれるくぼんだ部分がない足をいいます。扁平
足で困ることは、体重をしっかり支えられないため長時間立っていられなか
ったり、長い距離を歩けなかったりすることです。また、運動能力の低下や
ねん挫をしやすいということもあります。

 赤ちゃんには土踏まずがありませんが、立って歩き始めることで少しずつ
土踏まずができてきます。一般的に、3歳から3歳半くらいまでにほぼ完成
すると言われています。しかし、最近では運動量の低下などから、4歳をす
ぎてもできていない子どもが増えています。心配ならば、しばらく様子をみ
た後、ほかの子と比べすぐに疲れて座りこんでしまったり、ジャンプがうま
くできないようであれば、整形外科を受診することをおすすめします。とく
に、関節が極度にやわらかい子の場合は、今あげたような症状がないかどう
か、よく観察してください。

 判断の目安は、立ったとき土踏まずがはっきり見えるかどうかです。しか
し、土踏まずの程度には個人差があり、運動の前後や長時間立っていた前と
後でも変わってきます。また、皮下脂肪がたくさん付いている場合もあるの
で、見かけだけでは判断しきれません。病院では、立っている時の足をレン
トゲンで撮り、その写真を見て判断します。

 土踏まずを作るには、まず足をよく使う遊びや運動をすることが重要で
す。これを幼児の時期から行うと効果があります。靴は動きやすく、サイズ
が合っていることが大切です。靴がすぐに小さくなるからといって大きめの
靴を履かせることは好ましくありません。程度の強い扁平足では、整形外科
の専門医の指導のもと靴の中に中敷きを入れた靴を履いて運動させます。

 土踏まずが形成された健康な足をつくるには、活発に動くことの楽しさ
を少しずつ教えていき、運動嫌いにならないようにすることが大切です。

 サイズの合った靴を履かせ、足を使う運動をさせながら活発に動くこと
の楽しさを教えましょう。土踏まずの程度によっては、靴の中に中敷きを
入れる場合があります。

<佐藤 雅人先生・埼玉県立小児医療センター 副院長(埼玉・さいたま市)>

(2005年8月11日 読売新聞記事より)



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