読書の部屋からこんにちは!

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2014.08.02
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カテゴリ: 小説
林真理子の本で、タイトルに「綺麗」という言葉がついていたら、
ご自分の美容のお話?誰かから綺麗だと言われたか?
メスを使う整形手術はしていない、やったのはプチ整形だというお話か?
持ち物に、どれだけお金と意識を使っているかというお話?
どこへ行った、何を食べたのセレブの生活か?
それとも若々しくて愛らしい、人から好かれるその性格?


一瞬のうちにあれこれ想像がふくらんでしまった私は、
ほんとうに意地悪な読者ですね。
嫌いなのに好き。



などと思いつつ読み始めたら、これはエッセイじゃなくて長編小説でした。
小説ではあるけれど、前半は林真理子の世界全開のセレブっぷりです。
主人公のアラサー女性は、有名整形外科クリニックで働いていて、
彼女をとりまくのは女優、デザイナー、アイドル、モデル、という
「綺麗」のためなら何だってする、いくらだってお金をかける人たち。
彼女自身も、複雑な家庭だけどお金だけはたっぷりとかけられて育った人です。
作られた「綺麗」な生活を、若い貧しい恋人とセレブな中年不倫相手との間で、
ひらひらと生きていく主人公の世界を、これでもかと描いていく。

なるほど、林真理子じゃないと書けない世界だなあと感心しつつも、
セレブの世界にはたいして興味もないので、だらだら読み飛ばしていたら、
半分終わるころからやっと話が動きました。



二人の恋人とうまくいかなくなった彼女の新しい恋人は、
大学院の若き研究者であり、かつ完璧な美貌を持った人気モデルだった!
しかも彼は、売り出し中のアイドルの恋人がいたのに、
さっさとアラサーの主人公に乗り換えてきた!

この辺に、林真理子の好みや妄想(?)が現れていて笑ってしまいましたが、

そしてそののち、彼の完璧な美貌は、
交通事故のためにふた目と見られぬほど醜くなってしまいます。
彼との恋に浮かれていた「綺麗」大好きな主人公の、あわてぶりがとてもおもしろい。
やっと小説らしくなってきたぞ。
さあて、本腰据えて向き合おうと思ったら、この小説は切り捨てたように終わってしまいました。
林真理子さん、ここからが大事なところじゃないの?
もっと読みたかったよ。
主人公は、このまま虚構の「綺麗」の世界に戻って、またひらひらと生きるんだろうか。

「中身を支えてくれるのは外見なんです。だから外見が変われば、中身も変わるんですよ。」
美容クリニックの患者たちにいつも言っていたこのことばは、
逆の意味で、醜くなった恋人にもあてはまった。
この言葉にわたしは少々懐疑的だけど、(まったく否定はしないけど)
事故によって、彼の心は劣等感やひがみといった、
かつては微塵もなかった黒いものに覆われている・・・
というところで、二人のその後を知りたいと、強く思いました。

ネタバレついでに彼のその後にちょっと触れますが、
その後のかれについては、イタリアに留学し、イタリア語に不自由がなくなった。
ただそれだけしか触れていません。
うーん、興味深い内容になってきたところでスパッと終わってしまうなんて、
ほんとに残念な小説でしたよ。





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Last updated  2014.08.03 05:31:29
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