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2016年9月30日、壱娯観察は記事「日本の警察が字幕組メンバーを逮捕、ダウンロード時代は終結か」を掲載した。
京都府警サイバー犯罪対策課は28日、中国人の男2人を逮捕した。2人は「字幕組」と呼ばれるグループのメンバー。「字幕組」、英語では「ファンサブ」と言うが、他国の番組に独自に字幕をつけてシェアするアマチュアグループを指す。日本で番組を録画し中国に送る役割の人物、翻訳担当、校正担当などに分かれ、放映からわずか数時間後には字幕付き海賊版動画がネットで公開されている。同じく28日には江蘇省蘇州市で大手海賊版動画サイト「BT天堂」の管理者が逮捕された。字幕付きの海賊版動画を集め、P2Pソフト経由で配信していたという。
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字幕組というのはかなり以前から存在していたようだ。アニメが日本で深夜などに放送されると翌日の昼ごろには中国語字幕が付いて中国のネットにアップされているという早業。アニメを見ている人たちが楽しみながら字幕を付けているという感覚のようで、以前より話題になっていた。中国のテレビでは当時反日もかなりきつかったことから、日本のアニメを見てはいけませんという風潮もあり、インターネットに関しても制限されていたのでネットで日本で放送されているものを見るのも大変だった。そのため、違法の海賊版のアニメを通じてしか日本のアニメを楽しめない人たちがたくさんいた。
この字幕組というのは、中国人の翻訳集団と思われているがおそらく無報酬で活動していると見られる。その原動力は「愛」と言われ、本当にアニメが好きな人たちということのようだ。彼らは耳で聞いているアニメの日本語をそのまま繰り返せるくらい見ているとか。それを自分が見て感動するために、見ながら中国語訳を付けているという感覚のようだ。
彼らがいなければ中国の若者はこれほどまでに日本のアニメに詳しくなかっただろう。これを見て日本で声優をやりたいであるとか、日本語を勉強したいということで日本に来る若者が大変多くなったことも事実である。日本語勉強の動機としてアニメ、漫画が圧倒的に多いというのだ。
著作権侵害が良くないことであるのは当たり前のことだが、この人達が本当に利益目的なのかどうかは難しいところで、実態解明といわれると、かなりの人が手分けをしてやっていると思われ、しかもプロではなく普段は会社員や学生といった人たちがアニメを見て勝手に翻訳しているようなので、どこまで解明されるかは不透明だ。
もう中国で日本のアニメが見れないかもしれないという不安がありネットが騒然となった。なんと字幕組は今回の逮捕を受けて公式発表をしており、「みなさんの思いやりに感謝します。来月は何らかの影響が出そうですが、どうぞご理解を」と投稿していたりする。
中国にしてみると日本のアニメが中国で流行るのは嫌なことなので、奇しくも、中国が喜ぶことを日本の警察がしたということにもなる。
ソフト・パワーの影響力というのは、ひとつの国家の武器のようなところもあり日本のアニメが好きな人というのは、そのアニメの中に描かれる日本を通してそれが日本のイメージになる。もちろん、エログロ描写に関して健全な中国の若者を汚染されては困る、日本のアニメはけしからんという発想もあるが、同時に現実ではありえないようなことでも、日本とはなんて良いところなんだと思う人たちも出てくるのだ。
中国では青少年に見せる漫画にしても、とにかく共産党員の模範になるようなかっこ良くて頭も良く、正義感も強く欠点のない人が主人公であるのに対し、日本のアニメは勉強もできず不良なにのスポーツ万能でかっこいいなど、中国的にはいけないことだが、彼らは不良でみんなにバカにされている人でも良いところがあるとみんなに認められて活躍してかっこよくなれるんだなと夢を与えてくれるなど、そういったこも日本のアニメが好まれる理由のようだ。
そういう意味からすると文化振興に一役も二役も買っていて、本当は制作会社などがやるべきなのだろうが、中国共産党の政治システムでは普通に著作権料を払ってビジネスが成り立つ環境が整っていない。
海賊版は悪いことだが中国では致し方なかったことだったのかもしれない。果たしてこれからどうなるのやら。
・「字幕組」アニメ無断公開、新たに2中国人逮捕 容疑で京都府警 - 京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20161027000143
・中国「字幕組」の栄光とたそがれ - 日経ビジネスオンライン
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6215967
・「『字幕組』は各国の文化を伝えるミツバチ」「なくなれば抗日ドラマに洗脳」 本紙の「著作権侵害」指摘に中国ネット民が反論 - 産経ニュース
http://www.sankei.com/premium/news/150414/prm1504140008-n1.html
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