子供

ネットニュースで「イタリア人の子供が世界で一番悪ガキ!」というフレーズを見た。
これはアメリカの、あるメディアの世界的な調査結果で、多国籍の人達に調査した結果とのこと。その結果によると
輝ける悪ガキ第一位はイタリアの子供
約3分の1の人がこう答えたらしい。第2位はフランス、続いて欧米諸国が並んでいたが日本の子供は入っていなかった。

この話題は、此処イタリアでもテレビのニュースや新聞で報道されていたので、私も此方の友人達とこの話題に付いて会話をした。
イタリア人達もこの事実に反論することなく、全くおっしゃる通りと認めていたのであるが、私も常日頃からイタリアの子供達の悪道武人ぶりには腹を立てているので、あながち私の感覚も間違っていなかったのだと変に納得した。
それと同時に、何故に多くの大人達がそれを認めているにもかかわらず改めようとしないのか!?とても不思議であった。

この調査に答えた人達の意見では
レストランなどの公共の場で走り回ったり大声を上げたり、親達もそれを注意しない。空港などでも人一倍騒ぎ回っているのはイタリアの子供達らしい。

私が以前から思っていた、イタリア人の大人達の納得いかない行動といえば、第一に「過保護」ということであろうか。
愛情豊かな事は結構なのだが、イタリア人の子供に対する愛着振りは、それがたとえ他人の子供であろうが同じなのだ。
うちの娘がまだ赤ん坊の頃、ベビーバギーに乗せて歩いていると、知らないイタリア人達がザ~ッと寄って来て
「まあ~なんて可愛いの!この世の物とは思えないくらい愛らしいわ~!」などと、私にしたらホンマかいな?と疑うほど大袈裟。イタリア人は元々オーバーなジェスチャー表現お得意人種なので、我々表現力乏しい日本人にとっては疑いたくもなるのである。
友人の家に行っても、お年頃の娘が居ても家事など一切させない。母親が一生懸命仕事や家事に大変であっても、この娘達はお手伝いちゅうものをほとんどしない。私がおせっかいにも注意をすると
「私がするから別にいいの、まだ小さいし可哀想」などとスットンキョな事を言う。小学校高学年や中学生、ましてや高校生でも、こう言うのであるから困ったものだ。
うちの娘(4歳)が食後に皿を運んでいるのを見て「まあ~偉いのねえ、でも可哀想」、遊んだ後におもちゃを片付けるように私が言うと、「そんな事大人がするからいいのよ」ときたもんだ。

ヨーロッパの夏は日中が長く、夜の9時頃でもまだ明るい。しかし、いくら明るいと言えど、高校生ならまだしも、中学生、ましてや小学生が夕方6時以降に外をほっつき歩いていても、親達は何も言わない。ひどい親になると、中学生が午前零時に家に帰っていなくとも「あの年頃は友人との付き合いが大事だから」と放任とも言えるお言葉。

現在我々が住んでいる家のご近所さん達も、親の私の許可なしに、勝手に娘を何処かへ連れて行く。我が家の前で機嫌良く遊んでいるものとばかり思っている私は、突然の神隠し業に困らされるのだ。
夕食前の午後6時頃、勝手によそん家の子供をアイスクリーム屋へ連れて行ったり、チョコレートやキャンディーなどをたらふく食べさせたりする大人の感覚が私には理解できない。

先日も、お隣さんがうちの娘をアイスクリーム屋に連れて行こうとするのを偶然見付けると
「アッ、奥さん、〇〇ちゃんをアイスクリーム屋さんに連れて行っていいかしら?」それに対し
「いいえ、もうすぐ夕飯の時間ですから」と私。それに対し彼女が言った言葉は
「駄目って言ったら、〇〇ちゃんが泣きますよ」 であった。

そうなのだ!イタリア人の大人達は、可愛い可愛い子供達に泣かれるのがイヤなのだ。だから、子供が泣かないように何でも言う事を聞いてやるのである。その結果が、先の調査にもある イタリア人の子供が世界で一番悪ガキ !となるような気が私はする。


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: