記憶力

イタリア人は記憶力が無い?

最近は自然の原理、老化現象には勝てず、[記憶力の女王]と呼ばれた私の脳みそも隙間が出来始め、スケジュール帳やアドレス帳を利用する機会も増えた。
昔はプレゼントにスケジュール帳など頂いても、利用することなくただの飾りとして1年の寿命を迎えていたものだ。
ある友人が「そんなに色々な細かい事まで覚えていては辛い事もあるでしょう」と私を心配してくれた事があったが、確かに他人様に言われた一語一句まで記憶していると、それらに伴った感情まで引きずってしまうこともある。

そんな私だから感じるのではなく、他の多くの日本人もイタリア人の記憶力の無さには頭を悩まされるのだ。
今まで付き合ったイタリア男達や現夫を例にとっても、昨日の事、ひどい奴になると1時間前に自分が言った事さえ覚えていない。
私が遠慮なしにも彼等に記憶力の無さを指摘すると、皆面白いほど同じように
「子どもの頃頭を打ってから記憶力が無くなった」と言い訳する。

確かに此処イタリアの家の床は大理石やタイルなどの固い素材で出来ているので、転んで頭を打とうものなら打撃は大きいし、それが原因でお馬鹿になる可能性も無きにしも非ずだ。
実際、我が娘が小さい頃は、彼女が転んで頭を打つ事を異常に心配していた。
前記の彼等の言い訳を半分信じて、我が娘が記憶力無し人間になっては困ると思っていたからだ。
お陰さまで、彼女の脳みその記憶機能に今の所障害は出ておらず、一安心である。

長年イタリア人とプライベートや仕事などで関わり合ってきて、彼らの記憶力の無さに迷惑を掛けられたことは数え切れない。
最初は彼等の頭脳構造が理解できず、ただ腹を立てるだけであったが、最近やっとこの原因が理解できるようになって、腹立ち具合も少しは減った。

ホンの一握りの生れつき天才を除けば、元々我々が生まれた時には早々頭脳構造に違いはないはず、それが年月を経ると共に差が出てくるのは、受けて来た教育制度に拠るものではないかと思う。

日本には素晴らしい教育がある事に、皆さんお気づきであろうか?
それは何かというと、先ず第一に字の多さである。
ひらがな・カタカナ・漢字という3種の文字を持つ、世界の国々の中でも珍しい民族であるし、その文字数も約2000はあるのだ。
これらを100%覚えてる人は中々居ないとしても、平均的には70%くらいの文字は知っておられるだろう。
それに比べて欧米では30個弱のアルファベットのみ。先ずここから記憶力発達に差が出てくる。

そして第二に、日本の算数の素晴らしい基本、九九である。
小学校低学年で、まるでお唱えごとく暗記させられる。微分積分なんぞは世間一般的には早々役には立たんが、この九九は我々の日常生活の中で大いに活用される。
最近では学校教育に取り入れられていない所もあるらしいが、算盤も記憶力発達に役立っていると私は思う。厭々ながらも算盤をはじいていた子供でも、位が上がる際の算盤の玉の動きが頭に焼き付いているはずだ。大人になってからの日常の中の暗算で、これらの記憶が知らず知らずの内に脳内で働いている。

これらの素晴らしい教育を受けていない欧米人達が、我々日本人の記憶力より劣っているのは必然。腹を立てても致し方ない事だとわかってくる。
記憶力発達教育を受けずに育った大人達に、いまさら「覚えろ~!」と要求しても無理な話、ならば記憶力無し人間と上手く関わるには如何すれば良いか?
これはもうただ一つ、 繰り返す事に尽きる
こちらの常識で物事考えていると、後で泣きを見るのはこちらなので、しつこいほどに繰り返すしかない。

イタリア人と仕事をしている日本の皆さん!
商品の納期や契約内容など忘れられては困る事は、毎日イタリア人に伝えましょう!
お馬鹿さがひどいイタリア人には、毎朝毎晩FAXや電話・メールなりでしつこいほど確認させましょう!

まあ、記憶力教育にも欠点はあり、ここイタリアが芸術の国と言われ、多くのイタリア人達が素晴らしい想像力・創造力を発揮するのは、
脳の記憶機能が余り開発されていないせいだと私は思っているのだが・・・右脳と左脳のバランス問題???


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