風呂

我々日本人にとって、お風呂は生活の中で無くてはならない物であるし、実際日本で浴槽の無い家というのは早々無いものだが、此処イタリアでは浴槽の無い家はざらにある。

イタリアに引っ越した当時は、余程のひどい安アパートでもない限り浴槽が無い家があるなんて事は想像もしていなかったのだが、実際家探しをしていると、逆に浴槽のある家を見付けるのに相当苦労する事が判った。
家賃8~9万円ほどのイタリアにとっては高級アパートでさえ、シャワーだけしかない家が多いのであるから、風呂好き日本人の我々にとっては困った事である。

ホテルにしても、日本ならお手頃ビジネスホテルでさえ浴槽完備が当たり前。
が!
イタリアでも日本人がよく利用する5ツ星や4ツ星の高級ホテルならいざ知らず、3ツ星のホテルではバスタブ付きの部屋の数も少なく、2ツ星以下では皆無である。
シャワーにしても、ホース付きで自分の手に持って浴びられるものなら未だ好いが、高さ2mほどの壁に固定された物などは、 一体全体他のイタリア人達はどうやって体を洗っているのか 、私は不思議で仕方が無い。
小さな子供が居る場合など、如何にして洗えばよいのやら頭を痛める。

昨年コモに家族3人で旅行した時なども、友人が取ってくれた3ツ星のホテル、案の定60cm四方の小さなシャワールームのみで、そのシャワーも固定式だった。
ホテルに浴槽付きの部屋かホース付きシャワーのある部屋への交換を申し出たのだが無駄骨であった。
致し方ないので、洗面器なり柄杓なりバケツなり娘を洗ってやる道具を貸してくれ!と頼んだが、そんな物ありましぇ~ん!との愛想ない返事。
私は余りに腹が立ったので
「あんた達イタリア人は、固定式シャワーで如何にして小さな子供の体を洗ってやるのか~!」
と怒鳴り声とも言える調子で尋ねたら
「娘さんを椅子にでも乗っけたら如何ですか?」ときた。
60cm四方の狭いシャワールーム、如何にすれば親子2人椅子をも入れてシャワーを浴びろと言うのであろうか?!

もうここまでくると「何を言っても無駄」てな感じで、開いた口がふさがらん。
フロントで夫と頭を悩ませていると、ホテル従業員達の
「3日くらいシャワーなんぞ浴びなくったって・・・」というヒソヒソ声が聞こえた。
そうなのだ!こいつらはバスタブに浸かるどころか、シャワーさえ浴びなくても平気な奴らなのだ。

此処イタリアでは、街中やスーパー・店などで人とすれ違った際に、鼻がひん曲がるほどの悪臭をさせている輩(男も女も)に出くわす事が多々ある。
私も風邪を引いて1週間から10日ほど風呂に入らないこともあるにはあるが、あそこまでの悪臭を放しているとは思えない。
1週間や10日そこらで、人間あそこまでの悪臭は絶対出ないと思う。少なく見積もっても由に1ヶ月は風呂に入っていないとしか思えん悪臭である。
悪臭を放つとまでいかなくとも、彼等の髪の毛を観察すると数週間洗っていない事が一目瞭然。

国によって文化・習慣が違うとはいえ、此処イタリアの[体を洗う]ことに関しての考え方の違いは、風呂好きの私にとっては理解の範囲を超える。
そもそも欧米に[ビデ]なる物存在する事自体、風呂に入らずシャワーを浴びず下半身だけ洗っておけ!という感覚があるからに相違ない。
しかし、その[ビデ]さえ使っているかは全くの疑問である。
香水文化が発達している事を考えても、長期間体を洗うことなく放つ 悪臭を強い香りでごまかそう !という短絡思考に違いないと私は思っているのだが・・・


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