パスターハリー(Pastor Harry) の書斎

パスターハリー(Pastor Harry) の書斎

詩編125編



【はじめに】 山はよく不動心の表現に使われる。ご存じの武田信玄公の「風林火山」でも「動かざること山のごとし」と歌われる。しかし、その願望とは裏腹に様々なできごとに出会うとわたしどもは「風に動かされる林の木のように(イザヤ7:2)」動揺するのが常なのである。

【テキストの解説】 詩篇125篇は都もうでの歌の6つ目の歌。120篇が神の救いを切望する巡礼の「志望の歌」、121篇は「出発の祈りの歌」。122篇は「救いの門への入場の歌」、123篇は「御座の主を仰ぐ礼拝の歌」、そして124篇は「共におられる神への感謝の歌」。125篇は「信頼の歌」。人生巡礼の歌は礼拝に続いて「共なる神」と「不動の信頼」へと続く。
   1ー2節は「信仰者の不動性」
3ー5節は「信仰者を守り給えとの祈り」

【メッセージのポイント】 
1) 主に依り頼む人は、シオンの山。揺らぐことなく、とこしえに座る。
⇒神への信頼は不動の人生を約束する(1節)
 この詩は短い詩であるが、非常に印象深い。「主に信頼するものは動かされることがなくて、とこしえにあるシオンの山のようだ」(口語訳)と歌い出す。主に信頼する者の姿がここに描かれる。この詩の作者は今、シオンの丘にて礼拝をしている。そしてその堂々としているシオンの丘に感動し、信仰者の物事に動じない姿を永遠の神のすまいシオンの丘にたとえているのである。
 確かに全能の神を信じる者はいざというときに勇気が起こる。大正の関東大震災の時に、愛する高山慶喜牧師はまだ青年であった。先生のよく語った事であったが、職場の銀座松屋のお店が震災で様々な被害が出たが「わたしは大丈夫、主が守ってくださる」との確信のもと、お店全体の被害状況など落ち着いて調べることができたとの事である。信仰者はあわてる事がない。
2)2 山々はエルサレムを囲み/主は御自分の民を囲んでいてくださる/今も、そしてとこしえに。(2節)
⇒主はわれらのまわりに垣となって守られる。
 更にこの詩は「山々がエルサレムを囲んでいるように、主は今からとこしえにその民をかこまれる」(口語訳)と歌う。永遠に不動の礼拝の山シオン、更に詩人の目はエルサレムの町全体に心の目を注ぐ。エルサレムの町は「難攻不落の町」といわれた、自然の造った要害である。山々に囲まれて敵はそこに攻め登ることはできない。
 神は、信仰の民であるイスラエル民族をいつも「火の垣をもって守ってくださった」。クリスチャンは天使に守られている。ザレパテのやもめに「瓶の粉は尽きず、びんの油は絶えない」と約束したもう神は今も生きておられる!
3)4 主よ、良い人、心のまっすぐな人を/幸せにしてください。5 よこしまな自分の道にそれて行く者を/主よ、悪を行う者と共に追い払ってください。イスラエルの上に平和がありますように。(4、5節)
 ⇒神の道を歩むものは祝福を得る。
この詩人は大きな悩みの中にいる。それが何であるかは明瞭ではないのであるが、不信仰な人々から圧迫されていることは確かである。彼は「主よ、わたしはあなたの道を歩みます。助けてください」と祈っている。「主よ、善良な人と、心の正しい人とにさいわいを施してください」(口語訳)と。
 数年前に、訪問伝道全国大会で沖縄の新城信子姉の証しを聞いた。彼女は生れながら目が不自由で結婚の話も破談となり、絶望のなかで十字架の主イエスを信じた。信仰によって彼女は新しいいのちに目覚め、ハピネスハウスという家庭集会を始めた。9年間で10人の人が救われたという。彼女の顔は恵みに輝いていた。

【結論】 シオンの山のごとき不動な心。神に信頼する者に主は不動の生涯を約束する。また、主は火の垣となって守り、豊かな祝福をもって導いてくださる。まっすぐに主に従ってゆこう。

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