Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2017/08/05
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 62.ネグローニ(Negroni)

【現代の標準的なレシピ】 【スタイル】 ビルド
(※今日では、一般的にビルドかステアでつくられますが、誕生当初はシェイク・スタイルで飲まれることも珍しくなかったとも伝わっています)。

 「ネグローニ」というカクテル名は、イタリア・フィレンッツェのレストラン「カソーニ(Casoni)」の常連客で、1910年代からこのカクテルをアペリティフとして愛飲していたカミーロ・ネグローニ(Camillo Negroni)伯爵にちなむという説がほぼ定着しています(出典:国内外の複数の文献やWikipedia英語版、欧米のカクテル専門サイト)。しかし誕生の時期については諸説あり、決定的なものはありません。

 海外の文献や専門サイトでは、「1919年、ネグローニ伯爵がロンドンへの最後の旅の記念として、カソーニのバーテンダー、フォスコ・スカルセーリ(Fosco Scarselli)に、当時、自分が好んでいたカクテル「アメリカーノ(スイート・ベルット+カンパリ+ソーダ)」に、ソーダではなく、ジンを入れてもっと強いカクテルにしてほしいと頼んだのが始まり」という逸話がよく紹介されており、カンパリ社のHPもこの説を紹介しています(出典:Wikipedia英語版ほか)。

 一方、「1929年以前に、パリのバー『チャタム』のアルベルトというバーテンダーが考案したという説もネット上では見受けられますが、裏付ける資料は明示されていません(出典:PBOのHPなど)。

 なお、1929年にパリで刊行されたカクテルブックには、ネグローニとほぼ同じレシピのカクテルが「カンパリネット(Camparinete)」(「カンペリネーテ」という和名表記も)という名前で紹介(出典:欧米の専門サイト)されていて、1920年代のパリですでに同レシピのカクテルが飲まれていたことがわかります。

 すなわち、1920年代後半の時点では、ネグローニに近いレシピのカクテルは存在していたけれども、まだ「ネグローニ」という名では定着しなかったことが想像されます。

 ちなみに、ネグローニ伯爵の子孫は第二次大戦後、「ネグローニ・ディスティラリー」をイタリアのトレヴィーノに設立。カソーニで好評だったこのカクテルを「Antico Negroni 1919」の名で生産・販売するようになりました(出典:Wikipedia英語版。原資料は、1947年当時のローマの新聞記事。筆者の記者はあのオーソン・ウェルズだとのこと)。ネグローニの詳しいレシピは1962年、「カソーニ」のスカルセーリ自身によって公表され、60年代以降、米国内にも広まっていきました。

 カクテル名の定着に時間がかかったためなのか、「ネグローニ」が欧米のカクテルブックに登場するのは誕生からかなり経ってからです。現時点で確認できた限りでは意外に遅く、「Old Mr.Boston Official Bartender's Guide」の1965年版が初出です。
 レシピは、「ドライジン、カンパリ・ビターズ、スイート(またはドライ)・ベルモット、ソーダ 各4分の3オンス(ビルド)」となっており、現代の標準レシピとは、「ベルモットはスイートでもドライでも構わない」「ソーダを加える」という点が大きく違っています。従って、誕生当初は、ベルモットは必ずしもスイートでなければダメというルールはなかったのかもしれません。

 参考までに、1960~90年代のカクテルブックで、ネグローニのレシピを少し見てみましょう。
・「Booth's Handbook of Cocktails & Mixed Drinks」(John Doxat著、1966年刊)英
 ジン2オンス、カンパリ1オンス、スイート・ベルモット1オンス、ソーダ適量、氷、飾り=オレンジ・スライス(ビルド)

・「The Bartender's Standard Manual」(Fred Powell著、1979年刊)米
 ジン、カンパリ、スイート・ベルモット各1ジガー、氷、レモン・ピール(ステア)

・「The Vogue Cocktail Book」(Henry McNulty著、1982年刊)英&米
 ジン、カンパリ、スイート・ベルモット各1.5オンス、氷、レモン・ツイスト(またはオレンジ・ピール)、ソーダ適量(ビルド)

 ・「Harry's ABC of Mixing Cocktails」(Harry MacElhone著、1986年刊の改訂復刻版)
 ジン、カンパリ、スイート・ベルモット各3分の1、アンゴスチュラ・ビターズ3dash、ソーダ適量、氷、飾り=オレンジ・スライス(ビルド)
 ※「伊フィレンツェのホテル・バグリオーニ(Baglioni)の1920年時のレシピ」として紹介しています。

 ・「American Bar」(Charles Schumann著、1994年)独
 ジン10~20ml、カンパリ20ml、スイート・ベルモット20ml、レモン・ピール、氷(ビルド)

 「ネグローニ」は、戦後まもなく日本にも伝わったと思われますが、カクテルブックに登場するのは60年代に入ってからです。日本国内のバーで普通に飲まれるようになったのは、70年代以降です。

【確認できる日本初出資料】 カクテル小事典(今井清&福西英三著、1967年刊)。レシピは「ドライジン、カンパリ・ビター、スイート・ベルモット各25ml、氷、飾り=オレンジ・スライス(シェイク)。お好みでソーダを加えてもよい」となっています。



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うらんかんろ

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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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