Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2018/08/26
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 86.テキーラ・サンライズ(Tequila Sunrise)

【現代の標準的なレシピ】
【クラシックスタイルのレシピ】 テキーラ(40)、クレーム・ド・カシス(15)、ライム(またはレモン)・ジュース(20)、氷、ソーダ(適量)=入れないレシピもあります
【スタイル】 シェイクまたはビルド

 欧米でも日本でも、現代のバーで一定の知名度を持つカクテルです。70年代半ば以降、世界的に知られるようになりました。しかし誕生の経緯について、以下のような諸説があり、決定的なものはありません(名前については、「メキシコ湾に昇る朝日をイメージ」して付けたという説でほぼ定着していますが…)。

 (1)【現代のレシピ】の原型(当時は「テキーラ・サンライズ」という名ではなかったが)については、米禁酒法時代(1920~1933)の末期に、メキシコ中北部ティファーナにあるカジノ「アグア・カリエンテ」では、取り締まりの目を逃れて合法的に酒を楽しみたい米国人の間ですでに飲まれていたとも伝わる。ただし、レシピについては若干異論もあるという(出典:esquire.com.やsouldiva.tripod.com)。

 (2)オリジナルの「テキーラ・サンライズ」(【クラシック・レシピ】)は1930~40年代に考案され、テキーラ、クレーム・ド・カシス、ライム・ジュース、ソーダというレシピだった。考案者はアリゾナのビルトモア・ホテルのジーン・サリート(Gene Sulit)というバーテンダーだという(出典:Wikipedia英語版)。米国の著名なバーテンダーであり、カクテル研究者のDale Degroff氏はその著書で「1946年に出版されたBill Kelly氏の本『Roving Bartender』にTequila Sunriseは登場している」と紹介していますが、そのレシピは「テキーラ、クレーム・ド・カシス、レモン・ジュース(分量比は不明)」となっています。

 (3)【現代のレシピ】は、その後もしばらくはメキシコ国内のマイナーなカクテルにとどまっていたが、1972年、ローリングストーンズのミック・ジャガーがメキシコ公演での滞在中にとても気に入って飲んでいたことで有名になり(出典:各種文献、Web専門サイトなど多数)、世界的にブレイクした。このツアーは別名「コカイン&テキーラ・サンライズ・ツアー」と呼ばれていた(出典:rollingstone.com)ことからも、ミックがこのカクテルの知名度アップに関わっていたことはほぼ間違いない
 ※ミック・ジャガーが初めて飲んだのはメキシコではなく、北米ツアー中のサンフランシスコだったという説もあります。

 (4)【現代のレシピ】は1970年代の初め、カリフォルニア州ソーサリート(Sausalito)のトライデント(Trident)・レストランに勤めるボビー・ラゾフ(Bobby Lazoff)とビリー・ライス(Billy Rice)の2人によって考案されたという(出典:Wikipedia英語版→原資料はMercurynews.com)。ミック・ジャガーのために、この2人が考案したという説もある(出典:Webの複数の専門サイト)。

  「テキーラ・サンライズ」はその後、イーグルスの曲(1973年発表のセカンド・アルバム「ならず者(Desperade)」に収録)のタイトルになったり、メル・ギブソン主演の映画(1988年公開)のタイトルになったりして、さらに知られるようになりました。

 かなり有名なカクテルですが、意外なことに欧米のカクテルブックでの紹介例はきわめて少なく、確認した限りでは、1980年に英国で出版された「ポケット・バーブック(Pocket Bar Book)」(Micheal Jackson著)が欧米初出です。レシピは「テキーラ1.5オンス、オレンジ・ジュース4オンス、グレナディン・シロップ4分の3オンス」(1オンス=約30ml)となっています(もし、70年代のカクテルブックでの掲載例をご存知の方はご教示ください)。

 ご参考までに、1980~2000年代の欧米のカクテルブックに登場している「テキーラ・サンライズ」を少し見ておきましょう。

・Cocktails(Hilary Walden著、1983年刊)英
 テキーラ45ml、オレンジ・ジュース135ml、グレナディン・シロップ2tsp、氷
・The Larousse Book of Cocktails(1983年刊)仏
 テキーラ30ml、オレンジ・ジュース適量、グレナディン・シロップ15ml、氷、オレンジ・スライス
・Cocktails(Jenny Ridgwell著、1986年刊)英
 テキーラ45ml、オレンジ・ジュース180ml、グレナディン・シロップ2dash、氷、オレンジ・スライス&マラスキーノ・チェリー=飾り
・Mr.Boston Official Bartender's Guide(1988年版)米
 テキーラ60ml、オレンジ・ジュース120ml、グレナディン・シロップ20ml、氷
・Schumann's Bar Book(Charles Schumann著、1991年刊)独
 テキーラ60ml、オレンジ・ジュース100ml、ライム・ジュース8分の1個分、グレナディン・シロップ数dash、クラッシュド・アイス
・New York Bartender Guide(Sally Ann Berg著、1995年刊)米
 テキーラ60ml、オレンジ・ジュース適量、グレナディン・シロップ30ml、氷
・Cocktail(Oona Van DEn Berg著、2001年刊)英
 ゴールド・テキーラ25ml、オレンジ・ジュース60ml、ライム・ジュース1個分、氷、グレナディン・シロップ1tsp
・The Book of Cocktails(Salamander編、2006年刊)英
 テキーラ45ml、オレンジ・ジュース適量、グレナディン・シロップ20ml、氷、オレンジ・スライス

 グレナディン・シロップをアロマチック・ビターズに替えると「ティファーナ・サンライズ」に、テキーラの代わりにラムを使えば「カリビアン・サンライズ」になります。

 「テキーラ・サンライズ」は、日本にも70年代末には伝わったと思われますが、知名度が出てきたのは80年代前半以降です。

【確認できる日本初出資料】 「カクテル入門」(福西英三著、1982年刊)並びに「サントリー・トロピカル・カクテルブック」(1982年刊)。レシピはともに同じで、「テキーラ3分の1、オレンジ・ジュース3分の2、グレナディン・シロップ2tsp、氷、オレンジ・スライス」となっています。

【追記】 ”姉妹カクテル”と言われる「テキーラ・サンセット(Tequila Sunset)」も少し紹介しておきます。
【標準的なレシピ】 ゴールド・テキーラ(30)、レモン・ジュース(またはライム・ジュース)(30)、グレナディン・シロップ1tsp、クラッシュド・アイス、飾り(お好みで)=オレンジ・スライス&マラスキーノ・チェリー ※グレナディン・シロップの代わりに蜂蜜を入れるレシピもあります。 【スタイル】 ブレンダーまたはシェイク

 欧米のWEB専門サイトでは、「テキーラ(45)、オレンジ・ジュース(30)、ライム・ジュース1tsp→シェイクし、最後にブラックベリー・ブランデー(15)をフロート」というレシピもありました。

 「テキーラ・サンライズ」に対抗し、考案されたことはほぼ間違いありませんが、詳しい誕生の経緯についてはまったく伝わっていません。クラッシュド・アイスと材料が生み出すカクテルのピンク色のイメージから「サンセット(夕焼け)」を表現したと思われます。「テキーラ・サンライズのフローズン・スタイルをテキーラ・サンセットと言う」と説明しているサイトもあった(出典:Cocktail.seesaa.net)が、根拠資料は明示されていませんでした。

 欧米のカクテルブックでは、なぜか紹介例がほとんど見当たりません。上記の「ポケット・バーブック」には収録されています。日本のバーで知られるようになったのも1980年代以降と思われます。

【確認できる日本初出資料】 「カクテル・ハンドブック」(花崎一夫著、1990年刊)。レシピは「テキーラ30ml、レモン・ジュース30ml、グレナディン・シロップ1tsp、クラッシュド・アイス、レモン・スライス&マラスキーノ・チェリー(飾り) ※ブレンダーを使う」となっています。


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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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