ぴかろんの日常

ぴかろんの日常

リレー企画 125

ビアガーデン  オリーさん

ドンジュンさんと僕は店が終わってからホテルに行った
夏の季節にそこの中庭でビアガーデンをやっているのだ

最初にまず乾杯した
ドンジュンさんは店を出てからここでジョッキを持ち上げるまでに25回ため息をついた
「話って例の彼女のこと?」
僕はさっそく切り出した
「知ってた?」
「スヒョンさんと会社訪問したんでしょ。」
「就活してる学生じゃないんだからさ。」
「すみません。で、どうでした?」
「まあ、スピーチをちょっとね。」

ドンジュンさんはビールをグビグビ飲みながら話を始めた
彼女と会った事、誘いを受けた事、早速ギスから連絡が来た事、スヒョンさんと会議に出た事、
そして最後に気まずくなった事・・

「どうします?」
「どうって・・」
「車好きなんでしょ。テジュンさんの車見た時の態度でよくわかりました。」
「えへへ。あれはほんとに苦労して作った車だから。」
「素敵でしたよ。」
「やめろよ、照れるじゃん。」
「やりたい?」
「そりゃ、やっぱ好きだもん。」
「じゃやるんですね。」
「でもさ、パリに行かなくちゃいけないんだよ。」
「超遠距離ですね。」
「ふう・・」
26回目。

「ちょっと気になるはフランスがかんでるとこですね。」
「どうして?」
「僕は車の事は詳しくないけど、一般的に、ヨーロッパの中でフランスは閉鎖的でしたたかです。
決して一筋縄ではいきません。」
「そう?」
「資金が狙いかもしれないし、技術が欲しいのかもしれない。
共同開発の名の下で両方取られてしまう可能性もないとは言えない。」
「そんな・・」
「それくらいの覚悟はないと。そういう意味でもドンジュンさんを利用しようとしてるのかも。」
「え?」
「ギスって人信用できます?」
「ハリョンの婚約者だよ。」
「元恋人の婚約者っていうのは抜きにして、経営者としての彼ですよ。」
「痛いとこつくね。」
「ドンジュンさんを矢面に立てて、上手く行けば自分が出て行く、まずくなったら責任転嫁する。」
「・・・」
「その辺スヒョンさんも心配してるんじゃないかな。」

『お前の純粋な気持ちとズレてない?』

スヒョンの言葉が蘇った
「思い当たる?」
「ん」
「彼とよく話した方がいいですよ。」
「話そうと思ったらあれだもん。」
「あれ?」
「店でスヒョン探しに控え室に行ったわけよ。」
「はい。」
「いきなりのツーショット。なごんじゃって今夜も二人でどこかへ行ったでしょ。」
ドンジュンさんはそう言うとジョッキをぐいっとかたむけた
そして27回目
「ふう・・」

「彼はスヒョンさんに相談があるんですよ。」
「相談?」
「仕事の事で。」
「ミンチョルさんの仕事?」
「弟さんの会社の社長やらないかって。」
僕は簡単に彼の事を話した
ドンジュンさんは好奇心一杯の目をくりくりさせて聞いていた
「じゃ今度スヒョンがチーフ?」
「スヒョンさんが受けてくれたら、そうなるかも。でも忙しい人だから無理強いはできないって。」
「そうだね。」

「僕も内職やるんです。」
「内職?」
「先輩から翻訳の仕事もらったんで。」
「翻訳?」
「ロシア語と英語の。機密事項なんでおおっぴらにできないけど。」
「みんな動いてるかあ。」

「僕が内職受けたのは、家でできるから。」
「そう」
「離れたくないし。」
「だよね。」
「僕は仕事に未練ないから、そこはドンジュンさんと違うとこです。」
「車のことしかわからないしさ。」
「それがプロでしょ。」
「そっかな。前にミンチョルさんに言われたことがある。」
「何て?」
「ホストになりたての頃、車のことしかわからないってピーピー泣いてたの。」
「ドンジュンさんが?」
「そしたら車を知り尽くしたホストなんて他にいないんだから自信を持ってそれを売りにしろって。
案外優しいとこあるよね、あの人。」

「ふふん。」
「何よ、その顔。」
「別に。」
「何だか今日、ギョンビン変に落ち着いてない?」
「そうですか?」
「二人が出かけても涼しい顔してるしさ。」
「用件わかってるもの。」
「でもザワザワしない?」
「しない。」
「どーしてよ?」
「愛されてるから。」
「え?」
ドンジュンさんの目がキラリと光った
「何かあったね、そうだろ?こらっ、吐けっ、このスパイ!」
「ゲホっ・・」
ドンジュンさんは僕の首を締めにかかった

「い、言いますから離して・・ゲホッ!」
「早く吐け。」
僕は昨夜のことをドンジュンさんに話した、最後の方ははしょったけど・・
「ギョンビンが切れたの?」
「はい。」
「そしたら色々話してくれた?」
「はい。色々。」
「そっか。」
「あの人いつも突っ張ってるから、そういうの見せられるともうだめ、メロメロ。」
「こらっ!ノロケてばっかじゃんかっ!」
「だって、とどめにあんなことも言われ・・いや、な、何でもないですっ。」
「とどめに何言われたって?まだ何か隠してるなっ!」
ドンジュンさんがまた首にからみついた。
「とどめに何よ?え?」
「ぐ、苦じいでずよ、まじで。」
「だったら吐けっ。」
「ゲホっ、あ、愛してるって、言ってくれたんです。」

ドンジュンさんの手がするりと首から離れた
「もう苦しいなあ。照れくさいから言いたくなかったのに・・ドンジュンさん?」
「ギョンビン・・」
「どうしたんですか?」
「お前よかったじゃんっ!ええっ・・」
「ちょ、ちょっと泣かないでくださいよ。」
「だってさ、ええっ、愛されちゃってさ、よかったじゃん。」
「泣かないでください・・」
「でもって、何でお前だけなんだよっ!」
「ちょ、ちょっと怒らないで下さいよ。」
「ずるいじゃんかっ!お前だけっ!」
「喜んでくれてるんですか、怒ってるんですか、どっち?」

「決まってんじゃんっ!両方だよ!ええっん・・」
ドンジュンさんは泣いたり怒ったりしてビールをカポカポ飲んだ

「ねえ、ドンジュンさんたちも一緒に住んだらどうですか?」
「スヒョンと?」
「話す時間も増えるし、いつも姿見てれば安心でしょ。」
「ギョンビンは安心?」
「あの人天然エロだから、ほっといたらどこで何くっつけて帰ってくるかわからないもん。」
「磁石みたい。」
「しかも強力タイプ。」
「ぷっ。強力マグネットかあ。」
「スヒョンさんだってそうでしょ?」
「げほっ!」
「とにかく話することですよ。案外スヒョンさん、密かにやきもきするタイプかもしれないし。」
「スヒョンは妬いたりするもんか。」
「そうかなあ。でも弱ってる時ってあると思いますよ。」
「そう?」
「今回だってすごく心配なのにポーカーフェイスかましてるだけかも。
実はドンジュンさんがねじ寄ってくるの待ってたりして。」
「そ、そう?」
「だったら、ねじ寄ってあげるのがマナーですよ。」
「そ、そっか。昨日、切れてねじ寄ってOKだったんだよね。」
「そーです。」
「なるほど。」
「パリの件は先方と交渉できないの?僕は恋人と離れられないから出張以外は無理です、とか。」
「そんな強気に出ていいのかな・・」
「ドンジュンさんを必要だったら折れるはずですよ。そうやって色々ふっかけてるうちに、プロジェクトの精度も確かめられるでしょうし。」
「なるほど。さすがだね、ギョンビン。」
「ケホンっ、仕事も恋人も欲しいものはゲットする!そのためには何でもやる!」
「ほんっと、今夜は強気だな。」
「愛は強し。」
「こらっ!」

ドンジュンさんの相談にのれたのかどうか、わからなかったけど、とにかくこんな風にあれやこれや話をして、僕らはビールをしこたま飲んだのだった
ドンジュンさんのため息は27回で終了、後はゲップと混ざって数えられなくなった・・


乾杯   足バンさん

「いいよ。引き受けよう」
「え?」
「おまえはミューズで存分にプロデュースの腕をふるえばいい」

閉店後ミンチョルを連れ車を飛ばしてこの店に来た。
市内から少し離れた高台にあるフレンチの店は
昔どこぞのホテル王の屋敷をレストランに改装したのだと聞いた。

「いい店だな。よく来るのか?」
「ずいぶん前に1度だけ来たかな」
「女性と?」
「けほん…まぁそうだったかな…こほん」

もちろんふたりで出たのは予定外のことだった。
営業前にミンチョルから相談を持ちかけられた時も2,3日中の話と考えていた。

しかしすっかり頑になったドンジュンは
今日1日僕の側に近づかなかったばかりか
今夜ギョンビンを誘ったらしい。

閉店間際ぼんやりしていた僕を遠巻きに見ていたミンチョルが声を掛けてきた。
ーさっきの話今夜でもいいかな。

高い天井の店内には数組のテーブルしかない贅沢さだ。
縦長の木枠の窓からは眼下に街の灯が見える。

黒いテーブルに白いクロス。
ミンチョルはグラスの中のキャンドルの灯に照らされている。
黒い陶器の一輪挿しに挿された白い薔薇の美しさに重なる。

「はじめてだな、おまえとこんなデート」
「ばかっデートって言うな」

ミンチョルのミューズ社長の話は驚くようなことではなかった。
ましてやそうなった時のチーフ交代の件は当然のことだった。

「僕が受ければやるって話なんでしょ?」
「そうなんだけど…」
「まだ問題があるの?」
「いや、ないんだけど…」
「正直に言ってごらん」

スヒョンは食事の手を止め僕の心を見透かすようにじっと見つめる。
キャンドルの仄かな灯りが映るその瞳には
どう格好つけても仕方がないような、そんな強さがある。

「思い出すんだ…ヴィクトリーを閉鎖した時の屈辱を…無力感を…」

スヒョンは僕が長い間俯いてそして再び顔を上げるまで黙っていた。

「まわりを見てごらん」
「え?」
「ギョンビンや僕やメンバーたち」
「え?」
「みんなで必ずおまえを支えるから」
「…」
「失敗する自分なんてもうイメージするな」
「スヒョン…」
「彼はやってみろって言ったろう?」
「やればプラスになる可能性がある…やらなければゲームオーバーだって」
「あいつらしいな」
「ああ」
「やってごらん。チーフは引き受ける」

「本当にいいのか」
「だいたい今までだっておまえチーフらしくなかったもんな」
「それを言うな」
「おまえは不器用だから二股は無理だ」
「だからはっきり言うなって」
「ただし条件がある」
「ん?」
「経理、税務関係はやらない。金勘定は嫌いだ」
「ああ…」
「それだけはおまえがやってくれ。他の全ては引き受ける」
「それくらいならできると思うけど」
「もうひとつ」
「まだあるのか?」
「月に1回くらいメシ食おう」
「公で?私で?」
「デートってどっちだろう」
「ばか」

僕とスヒョンはワインで乾杯をした。

ようやく決められる。
今一番信頼できるふたりの男に背中を押してもらった。
もう迷う理由などなかった。

食事を終えると、
僕たちは風に当たるために店からの石畳の下り坂をぶらぶら歩いてみた。
ゆるゆると長く続く坂は静かな住宅地でもあり
人影はほとんどなかった。
白い外灯が街路樹と僕たちの影を落としている。

スヒョンはずっと空を仰ぎながらゆっくりと足を運んでいる。
僕は一度咳払いをしてから、ずっと気になっていたことを口にしてみた。

「ドンジュン…大丈夫なのか?」
「…」
「スヒョン?」

思いがけずスヒョンが黙ってしまって僕は戸惑った。
ここに来る車の中でスヒョンがさらりと触れた
ドンジュンのパリ行きの話を思わずにはいられない。

僕が立ち止まるとスヒョンは何歩か先を行って、そして止まり俯いた。

「正直言って参ってる」
「何で今日あいつあんな態度だったんだ?」
「僕がしくじった」
「え?」
「一緒に歩くフリをしながら立ち止まらせようとした」
「…おまえが?」
「そ…この僕が」
「…」
「怖くなったのかもしれない…あいつが遠くに行きそうで」
「スヒョン…」
「距離の話じゃない。ここの…気持ちの話なんだ」

スヒョンは胸に片手を当てて街路樹に寄りかかりため息をついた。
その影を帯びた横顔に胸が痛む。

「悩んでる天使も新鮮だな」
「…」
「惚れ直したかって言わないのか?」
「ふふ…ばぁか」

ミンチョルはそっと側に立って僕の目を見つめ
そして街路樹から僕を引き離し静かに抱きしめた。

今あらためてわかったような気がした。
祭の時ギョンビンを行かせようとしたミンチョルの苦しみが。

「おまえあの時…辛かったんだな…」
「でも今回は状況が違う」
「…」
「おまえたちには時間がある」
「…」
「いつものスヒョンなら言うだろう?”ちゃんと話せ”って」
「ああ…そうだね」
「企業情報なら密かに僕も力になれる」
「うん」
「でもあいつ自身を支えられるのはスヒョンしかいないだろう?」

ミンチョルは身体を離して覗き込む。
僕は答える代わりにいつものように微笑んだ。


ミンチョルのレジデンスの車まわしに入ったのは
もうずいぶん遅い時間だった。

「今日はありがとう」
「僕こそ」
「ちゃんと話せよドンジュンと」
「わかった」

ドアを開けて片足を外に出した時
ミンチョルは振り向いてすいっと僕に左手を差し出した。
僕はその手首をそっと掴んだ。

手首からそっと滑っていき最後に小指が絡み…離れた。


替え歌 「365の夜と昼」  by ミン ロージーさん


繰り返す愛のメロディーを そっと止めるリヴァース
夜更けのテラスで 冷たい風を浴びる
あなたの寝息を聞いてると 涙ぐむよ
幸せがこわくなる 愛しすぎているから

愛しくて恋しくて どう言えばいい
365の夜も昼も つのる想い

降りそそぐ月あかり おののく僕を染めて
今日限りかと思うほど 惜しみなく
愛さずには いられない

燃える言葉で確かめても 明日は見えない
たったひとつの月でさえ 夜毎変わってゆく

許してね あなたを疑うのじゃない
惜しむことができなくて 明日がこわくなる

もしも もしも燃え尽きてあなたに忘れられても
365の夜も昼も 冷めることはないよ
この想い

初めてあなたに会った日のように
365の夜も昼も 恋をするよ

どんなに もうダメかと思える日が来ても
365日でも新しくあなただけを

愛するよ

(坪倉唯子『365の夜と昼』)



替え歌 「夜空の向こう」 by スヒョン  ロージーさん

  あれから僕たちは 何かを信じて来れたかな…
  夜空の向こうには 明日(アシタ)がもう待っている  
  (Wow----  Wow----)

  ハンドルにもたれて ぼんやり見つめていた
  帰ってゆくうしろ姿 そっと追いつづけた   

  さっき絡んだ指先から 伝わってきた想いは
  僕の心の柔かい場所を 今でもまだ締め付ける

  あれから僕たちは 何かを信じて来れたかな…
  ウインドウを開けてみる 少し秋の匂いがした
  この気持ちもいつかは 消えてしまうものなのかな…
  タメ息は少しだけ 吹いた風にすぐ消えた

  歩き出す事さえも いちいち ためらうくせに
  ありふれた常識など 壊したいと思った
  あの日話した言葉は どれだけ残っているの?
  僕の心の一番奥で  まだささやき続ける

  あの時の未来に 僕らは立っているのかな…
  すべてが思うほど うまくいくわけじゃないさ
  このまま どこまでも 日々は続いていくのかな…
  雲のない星空が 僕の向こうに続いている

  あれから僕たちは 何かを信じて来れたかな…
  夜空の向こうには もう明日(アス)が待っている
  (Wow---- Ah Baby-- Wow----)


  (SMAP『夜空のムコウ』)


闇夜のお仕事&お留守番_7    妄想省家政婦mayoさん

僕とテスは中庭でカクテキを作っていた..
塩を振って一晩置いた角切りの大根を一度水洗いした後..大きなボールに入れる...
僕が調合した調味料を入れ..2人で手袋をしてごろごろ混ぜて馴染ませていた..
はるみも前足にもビニール袋を被せ..みゃ#みゃ#っと僕等と一緒ごろごろしている...

「テソンさん...やっぱ..角切り具合..大きくなぁい?...」
「はは...テスには大きいか...」
「んー...ちょっと...」
「いいじゃん...テスはカリッ#っとちぇみに半分こしてもらって..ぁ~~ん^o^..だろ?...」
「まぁね~へへぇ~...」
「それに....大きめの方が食べ応えがあるって....闇夜が...」
「あっそ#....ねぇ..ちょっと..辛くない?..」
「ん?...いいの...この位が好きだから...闇夜が...」
「ぁ~もぉー....闇夜闇夜ってー...」
「自分だって..ちぇみちぇみちぇみじゃないか...」

「「「^^;...しょうがないなぁ...^^;;...みゃぁ~^o^..」」」

ごろごろを終えてボールのカクテキをガラス容器に入れ終えたとき...
僕に電話が来た...

「...すぐ来いっ!10分で来いっ#...」

太く響く低音...有無を言わさぬ声だった...

~~~~~~~~~

闇夜の調査は外堀からじわじわと固めていくやり方だ....
企業が行う在り来たりのそれとは違い幾重にも枝が広がっているため意外な情報がある...
前の持ち主がバンザイした今回のデカイ物件の争奪戦には何社もの人間が絡んでいる...
闇夜に調査を依頼したのもその中のひとりだ...

昼をちょっと過ぎた頃...車を駐車場に入れ後輩の事務所に立ち寄ろうと歩いていた...

目線の先に全身真っ黒の塊が見えた...
さすがの俺も今日は白いシャツを着ているというのに...
んな見るからに暑苦しい奴はあいつしかいない...
髪を後ろで高くひとつにまとめている頭がせわしなく動いている....
視線の先は..反対車線の信号..歩道の信号...向かいに止まっているバス..


嫌な予感がしたとき横目で車が見えた...

黒の塊が1歩踏み出した..

『ぁっんのぉ...馬鹿っ#』

2歩目を踏み出し車のバンパーに軽く触れた瞬間..俺の右腕が腰に届いた...

右腕に力を込め..腰を抱き上げると..くの字にグニャリと撓った..
反動で頭がグラリと左廻りに大きく揺れた...
右腕にある腰を懐に引きつけ後ろから頭を抱いた...
耳元で小さく怒鳴った...

「馬鹿野郎..俺を置いてくつもりか...」
「ご...ご...ご...ごめん....」

俺らの周囲の騒音が瞬時に消えた
互いの胸から背へ伝わる鼓動だけが頭の芯からビンビン響く...


ほんの数秒.......互いに息を殺していた俺等は同時に小さくため息をついた..
俺は腰を抱いていた腕と頭を抱いていた腕を解き...肩を掴み振り向かせた....

「足は?...」
「・・・」....その場で2.3歩足踏みをした..
「ん...」

ぐぅー★を落とそうとしたが...頬にピタン#と手のひらを置いた...

「お前らしくないな...」
「・・・」
「いつものお前の瞬発力ならふわり@と避けられたろうに....お?」
「ぉ...ぉん...」

親指で顎をぐぃっ#と上げた..

「朝飯食ったかっ#」......目を伏せ無言で首を振る...
「昼はっ##...」......また首を振った....

「ったく....何考えてんだっ#」.....俺は低く声を荒げた

腕を引っぱり横断歩道と反対方向へ歩き出した...

「ぁぅ..バ....バスが...出ちゃう...」....後ろで引っぱる腕を解こうとする...

「何っ##...@@」....俺は立ち止まり半分振り返った

「ぁ...ぉ...ん....>_< 」....俯いておとなしくなった....今日は俺の睨み勝ち#...

歩きながらテソンに電話をかけた....


ちぇみが僕を呼び出したのは駅近くにある小さなお粥専門の店だ...
ばあさんと娘..といってもあじゅんまだけど...2人で営んでいる..
僕等4人は祭の時もちょくちょく車を飛ばして食べに来ていた..
ちぇみは店の前で立って待っていた...

「ぷっ#9分57秒...合格#....」
「はぁ..はぁ...な...何?ちぇみ...」
「ちぇみぃ~...どうしたのさ...」

一緒に来たテスがはるみを抱いてちぇみの側に立った...
「テソン...昼飯まだだろう..」
「ぅん...それが何...」

ちぇみは店を頭で指した...
「中に居る...」
「えっ....」
「詳しく話してる時間はない...1時間後に江原道行きのバスが出る...」
「ぁ.....闇夜...?」
「ん....一緒に飯食え...」
「ぁ...まさか...また?」
「ん....バスを見送ったらテスに電話しろ...」
「ぅ..ぅん..わかった...」

ちぇみは僕の肩をトントン叩いた後..はるみを抱いたテスと店の前を離れた...


ピンクレディ   オリーさん

僕たちはビアガーデンを後にして、どこで飲み直すかを歩きながら話していた
マンションへ通じる道へ出ると、飲み屋街の入口で大声で叫んでいる人達がいた

「俺はチェリムが好きだああああ」
「僕はチニさんを追いかけていくぞおおお」
「ぼくはソニョンさんとこどもたちをあいしてますううう」
「俺は、えっと・・ほにゃららが好きだあああ」
「スヒョク?今のホニャララって僕だよね?僕だよね?」

「何だ、あれ」
「テプンさん達?
「らしいね。外でも声でかいな。見つかるとうるさいから行こう」
「そうですね。」

「こらっ!そこの双子っ!なぜ俺を避けるう!」

言ったそばから見つかった
「お前ら、俺を避けただろ?」
「いえ」
「ギョンビン、俺はお前の師だぞ。研修してやったろう」
「ありがとうございました」
「んだ。でお前らどこに?」
「どこだっていいじゃん、二人で飲むんだからさ」
「二人で飲む?ドンジュン水臭い事言うな。俺も付き合う」
「は?」
「みんなあ、こいつらも仲間に入れるぞお」
「ちょっと普通の声で喋れないの?」

飲み屋街の入口に見知った顔が揃った
チョンマンさん、スヒョクさん、当然ソクさん、ジュンホさん、ホンピョ君とドンヒ君、後はイヌ先生とウシクさんそしてテプンさん。
「よしっ、行こう!」
「行こうってどこに?」
「ギョンビンの超豪華マンションにして俺の新居っ!行くぞお!ローズロイヤルヒルズだあ!」
「まだ言ってる。あの、ロイヤルローズヒルズですけど」
「細かい事は気にするな。この間の酒まだ残ってんだろ?」
「はあ・・」
「よしっ、行くぞ!」
僕とドンジュンさんは思わず顔を見合わせたけど、仕方ないねって感じでくすくす笑った

「僕たちはこれで失礼していいかな」
ウシクさんの腰に手を回したイヌ先生が僕にそっと聞いてきた
「ウシクがちょっとね・・」
ウシクさんは先生の腰にしがみついている
「だって先生と二人だけがいいんだもん」
「ウシクさん、僕もよおくお気持ちわかりますよ」
「やっぱり?」
「はい」
「じゃ、僕らはこれで失礼するから、みんなによろしく」
「ぼくもソニョンさんがしんぱいするからかえります」
先生とウシクさんは寄り沿って、ジュンホさんはシャドーボクシングをしながら帰っていった

マンションではカラオケルームで大盛り上がり
「そこの新人、元気がないぞっ!」
「僕らの事ですか?」
「ホンピョとドンヒ、今日はやけに大人しいぞっ」
「テプンさんがうるさすぎるだけだよ」
「何っ!つべこべ言わず、つまみを取って来い!」
「何で俺たちがやるんだよ」
「新人の役目だっ」
「テプンさん、普通の会話マイク通すのやめてください」

「何かつまみになりそうなもの探しますから、手伝ってもらえませんか」
僕はホンピョ君とドンヒ君を連れ出した。
バスルームの前を通るとホンピョ君に聞かれた
「風呂は今日入れるか?」
「よ、よかったらどうぞ」
「よしっ、ドンヒ、後からブクブクしようぜ」
「ケホンっ、ホンピョ、いいからつまみだ」
「何照れてんだ、お前」
「う、うるさい!」

「チョンマンのアメリカンヒットメドレーどえすっ!」
「プレスリーっ, Love me tender, love me sweet, never let me go♪
「イーグルスっ Welcome to the Hotel California, sucha a lovely
place♪ベースも入ります!ベロロベロベロベロロン、チャンチャン♪
「イーグルスったらドゥビーもっ without love, where would you be right now Without love-ove-ove-ove♪
「スティビーワンダーっI just call to say I love you♪
「マイケルジャクソンっIt doesn’t matter who’s wrong or right Just beat it♪
「次、クイーンっ・・」
スパコーーンっ!

「クイーンのどこがアメリカンなんだ!今度は俺が歌う!」
「キラークイーン歌いたいんだけど」
「俺がバラード歌う」
「だめ、僕達が歌う、ね、ギョンビン!」
「何歌うんですか」
「あれよ」
「あれ?」
ドンジュンさんがやけにはしゃいでいた

パヤ、パヤパヤ、パヤ、パヤパヤ♪
「「追いかけて追いかけてすがりつきたいの、あの人が消えてゆく雨の曲がり角♪」」
「初めから~♪」「初めから~♪」
「結ばれない~♪」「結ばれない~♪」
「「約束のあなたと私ぃ~♪」」

「よっ、いいぞ、双子色っぽいぞお!」
「ホンピョ、あの二人ってあれなの?」
「俺は知らねえ。相手が違うだろ。」
「だよな。」
「スヒョク、僕達はそんな約束ないよね、ね」
「知りませんっ」

「一体何の騒ぎだ!?」

「「「「あ・・チーフっ!」」」」

「何をやってる?」
「見りゃわかるだろ、みんなで盛り上がってたんだよ。あんたこそ、どこ行ってたんだよ」
「ケホンっ、ちょっと。あ、ミンつづけて・・」
彼は入口で腕組みしたまま僕達の歌を聞いていた

「かえらない面影を胸に抱きしめて♪」
「くちづけをしてみたの♪」
「「雨の曲がり角~♪」」
パヤ、パヤパヤ、パヤ、パヤパヤ♪

「なかなかよかったよ」
彼は歌い終わった僕とドンジュンさんに焼酎をつぎならが言った
「ほんと?」
「案外面白いかもしれないな、デビューするか?」
「何言ってるの、ってじゃあスヒョンさんOKしてくれたの?」
「ああ」
「そうか」
「スヒョンは?」
「下まで送ってもらったけど、帰ったよ」
「そう・・」
「ドンジュン?」
「え・・」
「スヒョンが心配してたぞ、よく話してごらん。あいつはいつも人の事ばかり気にしてるから、
案外自分の事はうまく言えないんだ。特にお前の事となるとね。お前の方から歩み寄ってやれないか」
「・・・」
「これを飲んだらお帰り、スヒョンのところへ」
焼酎のグラスを見つめながら彼の話を聞いていたドンジュンさんは、一気に焼酎をあおると顔を上げた

「わかりました。でもせっかくだからみんなと楽しくやらなくちゃ。」
そして歌っているテプンさんの所へ絡みに行ってしまった
「ミン、ドンジュンにタクシーを呼んでやれ。意地っ張りだから追い出さないと帰らない」
「わかった。人が意地張ってるのはよくわかるんだね」
「ケホンっ!」

僕はドンジュンさんをそっと呼んでタクシーが来た事を告げた
「もう来ちゃってるから、行くしかないでしょ。行こう」
僕は渋ったふりをしているドンジュンさんを強引に車寄せまで引っ張っていってタクシーに押し込んだ
「じゃあ、しっかりね」
「あ・・うん」
ドンジュンさんは曖昧な返事をしたけど、顔にはスヒョンに会いたいって書いてあったな
僕はタクシーが走り去った方向をしばらくの間じっと眺めていた

部屋に戻ると彼が言った
「ミン、歌おう」
「何を?」
「これだ」
「え、嘘っ」

ペッパー警部っ、邪魔をしないでぇーーぇ♪
ペッパー警部っ、私達これからいいところぉぉぉ♪

僕と彼のペッパー警部はかなり受けた
特にテプンさんとソクさんにそれぞれ別の意味で受けた
「チーフはやっぱミーの方だろう」
「ペッパー警部ってやなヤツだよね、ね、スヒョク?」
「知らないっ!」

それからも僕らは飲んで歌った
彼もいつもより陽気でたくさん歌った
ホンピョ君とドンヒ君はお風呂に入ったのか途中から姿が見えなくなったし、
スヒョクさんとソクさんもいつの間にか消えていた
僕と彼が引き上げる頃、テプンさんとチョンマンさんだけはまだマイクの取り合いをしていた
一体、今夜は誰がここに泊まっているのだろう。
でもそんなこと、どうでもいいか・・
僕にはひとりだけいればいいんだから・・・




静寂の夜  足バンさん

ミンチョルを降ろしてしばらくして
ドンジュンの携帯に掛けてみたが繋がらなかった。
寮の管理人に連絡してみてもまだ帰宅していないようだと言う。
ギョンビンに確かめるのもどうも気が引けた。

まったく僕らしくない。

僕は迷いながら自宅に戻った。
ドンジュンに家のキィを渡してあったことを思い出し、
もしかしたらとも思って。

しかしもちろんあいつはいない。
僕は脱いだジャケットをベッドに乱暴に投げ
ソファにどっさりと座った。

落ち着かない。
ギョンビンと夜通し楽しくやっているのなら
それもいいのかもしれないと考えようとしたが。

ミンチョルに言われたようにきちんと話しがしたかった。
いや
格好つけても仕方がないか。
顔が見たかった。
今日の昼アイスクリームショップで手を振っていた
あの顔が見たかった。

僕は散々クマのように部屋をうろついたあげく
ようやくギョンビンの携帯に連絡を入れた。

ドンジュンはギョンビンやテプンたちと一緒に彼の家で騒いでいたが
だいぶ前にタクシーで帰したという返事だった。
夜分の失礼を詫びて電話を切った。

僕はキィを引っ掴んで寮へと車を飛ばした。

寮の駐車場で携帯に入れてみたがやはり繋がらない。
3階まで上がって呼び鈴を鳴らす。
出ない。
ため息。

ドアに背中をつけて寄りかかりぼんやりとした。
どこか遠くから聞こえる車の音が垂れこめた雲に反射する。
シンとした都会の夜はこういう時にどこか寂しい。

同じ階の住人らしい水商売風の女性が、ちらりと興味深げに見て通り過ぎた。
そういう類いの仕事が終る時間。

僕ははっとして駐車場に駆け下り
いつもアクターが停めてある場所まで行った。
アクターはそこにあった。
離れたところからでもその姿はすぐわかる。
ずいぶん酒を飲んだとギョンビンが言っていたので、とりあえずほっとした。

自分の車まで戻って座席にだらしなく座り
開けたウィンドウに頭をのせ目を閉じた。

祭の時のあの日。
車で出たドンジュンを捜しに行ったあの日を思い出す。
どこも捜すあてがなく焦りを感じたあの限りなく長い時間。

あの日あいつを初めて抱いた。

僕は唐突に思い立って車を飛び出ると
もう一度アクターが停めてある駐車場の一角に行き
そして今度は近寄ってみた。


いた。

後部座席で丸くなって寝ているあいつがいた。

身体の力が抜けると同時に目の奥が熱くなる。
僕はウィンドウに両腕をつけ
その腕に顔を埋めてしばらくその呆れたそいつの寝顔を見ていた。

無邪気な顔に涙がこぼれる。

僕はふいっと車に背を向けて寄りかかり
そのまま長いこと都会の静寂を見上げていた。

空の一番端がうっすらと白くなりはじめた頃
どこかで大きなクラクションが聞こえ
それと同時に車内に気配を感じた。

振り向いて覗くと
僕の顔を見たドンジュンが丸い目をして固まっている。

取っ手に手を掛けドアを開けようとした瞬間
ドアは勢いよく開けられドンジュンが飛び出てきた。

そして僕にしがみつくと胸に無茶苦茶に顔をうずめて叫んだ。

「会いたかった会いたかった会いたかった会いたかった!」

僕は答えられず
何も答えられず
ただその愛しいひとを抱きしめた。


替え歌 「逢いたくて逢いたくて」 by ドンジュン  ロージーさん

  愛した人は あなただけ
  わかっているのに
  心の糸がむすべない ふたりは恋人
  すきなのに すきなのに
  すれ違う 想いと想いだから
  せつなくて 涙がでてきちゃう

  愛の言葉も 言えないで
  素直になれない
  たった一人のたいせつな いとしい恋人
  耳もとで 耳もとで
  大好きと 言いたかったのだけど
  照れくさくて 強がっていた僕

  愛されたいと くちびるに
  指を噛みながら
  眠った夜の夢にいる こころの恋人
  逢いたくて 逢いたくて
  逢いたくて 堪らなかったのだから
  抱きしめて 強く抱きしめて


 (園まり『逢いたくて逢いたくて』)


バスルームの恋  れいんさん

「さぁっ!風呂風呂!早くブクブクして遊ぼうぜ」
「僕は嫌だ」
「何、照れてんだよっ。今までだって何度も一緒に入ってたじゃんか」
「以前と今は違う」
「・・この前、まじでキスしたからか?」
「は、はっきり言うなっ」
「ふぅぅん・・」

「あっホンピョ!おまえそんなに恥ずかしげもなく、ポンポン脱ぐなっ」
「あん?男同士なのに、何、目そらしてんだ?同じモン持ってんだろ?」
「だ、だからっ!おっおまえいつからそんな風呂好きに・・」
「ちっ!めんどくせー奴だな。俺、先に入ってっからよ。・・♪ぞぉぉ~さん、ぞぉぉ~さん、おはながながいのねぇ~♪っと・・」
「・・・」

「ひゃっほーー!やっぱ、でっけー風呂はいいなぁ~っ!はひーっ!気持ちいいなぁ~。おーーいドンヒも早く来いよーっ!」
「・・まったく、なんであいつはあんなに無邪気なんだ?」
「おーーい、早く来ないとぬるくなっちまうぞぉ~」
「ふん!行くもんか」
「おーーい、俺だんだんのぼせてきたぞぉーー」
「ふん!誰がその手に乗るか」
「おーーい、ジホ監督に電話して風呂誘うぞぉーー」
「・・・」


「おぉ、やっと来たか。おせーな、まったく」
「いいか?僕の半径1メートル以内には近づくな」
「風呂の中でそんな無理言うな」
「ここの風呂は広いからできるだろ」
「ちっ!女みてーな奴」
「・・・」


「さて・・っと。体ゴシゴシしよっかなー」
「あっ・・ば、ばかっ!目の前を裸でうろうろするな」
「おい、ドンヒ。背中ゴシゴシやって」
「嫌だっ」
「ふぅぅん・・じゃ、ジホ監督に電話して・・」
「やるよっ!やればいいんだろっ」

・・ゴシゴシ ゴシゴシ・・

「なぁ、この後どーする?ここんちのベッド広いみてぇだぞ」
「え?泊まってく気か?」
「たまには気分を変えてさっ。ベッドルーム防音完備だってよ」
「どきっ・・」
「だから大声出しても暴れても平気だぞっ」
「そ、それって・・」
「な?一緒に泊まってくだろ?」
「・・僕を・・コホン・・誘ってるのか?」
「さっきからずっと誘ってんだよっ!鈍い奴だな」
「・・ケホン・・何をするかわからないぞ・・それでもいいのか?」
「あん?何するかって・・俺は枕投げがいーなっ」
「え?まくらなげ?」

「嫌ならジホ監督に・・」
「わ、わかった。あのおっさん、枕投げじゃすまないから、僕がやる」
「よし!決まりだ!じゃ、今度は俺が背中ゴシゴシしてやるよ。後ろ向けよ」
「あ・・」

・・ゴシゴシ ゴシゴシ・・

「なぁ、ドンヒ?」
「ん?」
「おまえ・・俺の事・・好きなのか?」
「げほっごほっぶほっ!な、何言い出すんだっ」
「好きなんだろ?」
「ち、ちがっ」
「嘘つくな」
「けほん・・自分でもよくわからない。男を好きになった事なんてないから・・。おまえは・・?」
「・・俺もよくわかんねぇや。それに俺・・キスされたの、おまえにだけじゃねぇしな」
「・・ジホ監督とスヒョンさん?」
「ん・・」
「・・誰のキスが・・よかった?」
「そりゃ、おめえ、ジホ監督もスヒョンさんも、大人だし、経験豊富だから・・上手だよ。ぼぉーーっとなっちまうくらいな」
「・・そっか・・」
「でもよ・・おめえの下手くそなキスが・・一番スキかな・・」
「・・・」
「・・・」


そして、僕らはもじもじと長いこと湯船に浸かっていた
挙句の果てにのぼせてしまい、チーフやギョンビンさん達の世話になってしまった事は言うまでもない



闇夜のお仕事&お留守番_8 妄想省家政婦mayoさん

小さなお粥の店はもともとちぇみの懇意の店だった...
ばあちゃん(ハルモニ)とあじゅんまのお粥はほっこりとして..しつこくない味で美味しい...

4人のメニューはいつも決まっている....結局みんなで回して全種類食べるけど....
ちぇみは小豆粥かあわび粥で..テスはかぼちゃ粥だ..
闇夜は参鶏湯で僕は野菜たっぷりのお粥...

参鶏湯は昔から『以熱治熱(イヨルチヨル)』暑いときに熱い物を食べて元気を回復する
という考えから特に夏バテ対策として食される
鶏肉は長時間煮ることでコラーゲンを摂取しやすくなる=美肌と血管の弾力を増す...
栗は身体を温めて..ナツメは血行を良くする...にんにくは言わずもがな...^^;;...
闇夜は参鶏湯の朝鮮人参が苦手なのでいつもは男3人で分けて食べる...

「昨日..はるみと眠ったの?」
「ぅぅん...3人で川の字で寝たよ...」
「えー#...ちぇみテスのベットで?」
「ぅん...」
「あらら...(いいなぁ...)」
「お風呂も3人で入った...」
「あはは...楽しそう...(うそぉ~ん...いいなぁ....)」
「ぅん...楽しかった....今日もそうしよっかな...」
「じゃぁ....ずっと帰らない方がいいかな?....3人で暮らす?」
「mayoぉー^^;;....」

闇夜はくすくす笑って参鶏湯の中のにんにくを僕の口に入れた...

「ちょ..ちょっとぉー...僕が強壮してどうすんのさ...」
「ん?襲っちゃえば?テスシでも...ちぇみでも...」
「...僕がやられちゃうよ...」
「ぷっ#...人参も一本食べちゃったから....大丈夫かもよ?」
「mayoぉー」

闇夜はまたくすくす笑った....

「mayo..明日帰ってくるんでしょ?」
「ぅん....どうかした?」
「何か食べたいものある?好きなの作るからさ#...」
「食べたいの...ある...」
「何?...」
「当ててみて...」
「んー....和食?...でもイタリアンも好きだよね...好きなの全部作っちゃう?」
「そんなに食べれないよ...ひとつでいい...」
「じゃ..何食べたい?...」
「んー...んっとねぇ...」

僕はお粥を口に運びながら闇夜の返事を聞いた...
「ぅん...」
「食べたいのはね...」
「ぅん...」

「....テソン.....」
「@_@...........」

....僕は闇夜を見た...闇夜はテーブルに頬杖をついて澄ました顔で僕を見ている...

「んぐっ#ぶぶぶ..ぶはっ#」

....僕はおかゆを吹き出した....
でもって....闇夜の顔に僕のごはん粒が飛んでしまった...それもいっぱい....>_<

「ぁー...ぁー....あのねっ##....」
「ぁ..ぁ...ご...ごめん...」
「もぉー##...」
「だ...だって...mayoはあんまし..そ...そういういこと言わないから....そんで...」

ハルモニがナツメ茶と一緒にタオルを持ってきてくれた...
ハルモニは僕の頭をビタン#と叩いて闇夜の顔を丁寧に拭いた...

「もったいないことせんといてや..テソン#」
「ごめん..ハルモニ...^^;;...」

闇夜は僕とハルモニの会話を聞いて..またくすくす笑った....


闇夜の乗った江原道行きのバスが僕の視界を外れてからテスに電話を掛けた...
ちぇみと別れたテスは店の前まで迎えに来て一緒に自宅へ帰った...

「テソンさん..楽しかった?」
「ぅん...短い時間に重たい話..したくなかったからさ...闇夜もそうだったと思う..」
「ぅん...そうだね...」
「なぁ....テス...」
「なに?」
「・・・」
「ぷっ#...テソンさんの言いたいこと解るよ...」
「そう?」
「ぅん...お互いにね..風が吹いて呼び合うんだね..あの2人...」
「だからどこにいてもわかるのかな...」
「ぅん..そういうこと...」
「そっか...」
「またぁー....落ち込まないでよぉ?...」
「ぅん...大丈夫..」
「ならいいけど#」

テスと家政婦モードの仕事をこなした後...
カフェメニューの打ち合わせにちょっと早めにシチュンが家に来た...


ベッドルームの恋  れいんさん

「ん・・」
「気がついた?」
「ドンヒ・・?ここ・・どこ?」
「ギョンビンさんちのベッドルーム。僕たち湯あたりしたらしい」
「で、気失ってたのか?」
「うん、ここに運び込まれたみたいだ」
「じゃ・・みんなに俺の裸見られたのか?」
「おまえだけじゃなくて、僕の裸もだ。」
「ひいいっ!俺、もうお婿にいけねぇっ」
「お婿に行く気あったのか?・・」
「ぐすっ」

「・・なぁ、ホンピョ、さっき言ってた枕投げ・・できなかったな」
「あ・・うん・・」
「今からやるか?」
「ん?もういいや・・だりぃからこのまま寝る・・」
「そっか・・じゃ、ゆっくり休め」

「ドンヒ・・」
「ん?」
「・・なんでそんなに離れてんだ?もっとこっち来いよ」
「い、いいよ。ひ、広いから・・て、手足伸ばして眠れるだろ?」
「広すぎてしゃびしいから、腕枕して背中トントンしてくれよ」
「え・・でも・・」
「なんだよ。俺を押し倒しそうで怖いのかよ」
「そ、そんな事はないっ!ぜ、絶対にないっ!」
「ほんとか?」
「ほんとだっ!全くもってそんな事はありえないっ!」
「これでもか?」

ちゅっ んちゅっ ちゅちゅちゅちゅうーー

「おっおまえっ!」
「へへ、俺だってキスくらいできんだ。おまえにだったらな」
「・・・」
「どうだ?教育された甲斐あって、俺もなかなか上達しただろ?」
「何?僕の方が上手だ」

ぶちゅっ んむむむ はむはむはむ ぶちゅうううーー

「あっ!おまえ、今、舌入れやがったな。ずるいぞ!なら俺だって」

はむはむはむはむ~~ちゅうちゅうちゅうちゅう~~

「「・・はっ!」」
「「僕(俺)達、何やってんだ・・」」
「・・・」
「・・・」

「なぁ、ドンヒ。俺達、禁断の園にとうとう足踏み入れた?」
「考えたくはないが・・もう抵抗する自信がない」
「みんなはさ、いったい、何がきっかけでそうなったんだろ」
「うん・・それって勇気がいる事なのかな・・」
「恋ってさ・・どんな風に始まるんだっけ・・」
「えっと・・一目惚れのパターンと・・」
「俺達、一目惚れじゃねえよな。はじめはケンカばっかしてたから」
「うん。あの頃、僕はおまえに小言ばかり言ってた。やる事なす事気に入らなくて」
「小姑みてえだったもんな。・・んで、もうの一つパターンは?」
「ああ・・いつも一緒にいるうちに・・だんだん気になる存在になって・・
居なきゃならない存在になって・・相手を意識し始めて・・考えるとドキドキして・・」
「・・やばいじゃん・・」
「うん。かなりやばい・・」

「どうする?」
「どうするったって、まず自分の気持ちを認める事から始めるんじゃないのかな」
「それから?」
「それから、相手に気持ちを伝える・・」
「そして?」
「そしてお互い同じ気持ちだったら」
「だったら?」
「・・結ばれる・・」

「ひいいっ!」
「ばか!僕もひいいって言いたいよっ」
「結ばれるって、ヤるって事か?」
「体だけの意味じゃないと思うけど、最終的にはそういう事も含めてかな」

「そんなの・・どっちがどーすんだっ?」
「わかんないよ僕も」
「俺、ヤった事はあっても、ヤられた事はねえっ」
「それは僕も同じだ」
「・・・」
「・・・」
「「はあぁぁぁ~」」

「と、とにかく今夜はこのまま眠ろう」
「もう目が冴えちまって眠れねえよ」
「僕が子守唄と背中トントンしてやるから」
「ん・・いつもより長くトントンやってな。俺が眠るまでだぞ」
「うん、わかった。・・いい夢見ろよ、ホンピョ」
「ん・・おやすみ。ドンヒ・・」


替え歌 やさしさに包まれたなら れいんさん

小さい頃は 神様がいて
どんな夢でも 叶えてくれた
そっと抱かれて 目覚めた朝は
こどもみたいに 無邪気になれるよ

窓辺にたたずんで 風が頬をなぞる
はじめての 恋のときめき きっと
目にうつる 君のしぐさは メッセージ

小さい頃は 神様がいて
孤独な僕を 見守ってくれた
心の奥に しまいこんでた
恋のはじまり 気づくときは今

夜が流れていく 君の髪の香り
抱きしめて まどろむ時は きっと
目にうつる 君の瞳は メッセージ

今だけはこうして 何も聞かないで
やさしさに包まれたなら きっと
目を閉じて 君のすべてが メッセージ

(やさしさに包まれたなら/松任谷由実)


真夜中の向こう側  オリーさん

寝室の扉を後ろ手で閉めて顔を上げる
視線の先にはパオの薄布の中で横たわる彼
すぐにでも走り出して近づきたい気持ちを抑え
ゆっくりと足を進めて、とうとうベッドに辿りつく
そっと薄布をめくりベッドを覗くと
パジャマに身を包んだ彼はゆっくりと僕を振り返る
もう我慢できずに彼に覆い被さりキスの雨を降らせる
そんな僕を彼は丁寧に抱きとめ、唇で語り始める
何度そうしても何度そうされても
僕達は飽きることなくお互いに触れ合う
彼の唇が雄弁に語り僕を甘い淵へ誘い込む
何度溺れても何度溺れさせられても
僕達は飽きることなくお互いを感じ合う
今夜も僕と彼は一緒に甘い淵へ飲み込まれ・・・・

「ドンドンっ!すみません、チーフっ!!来てくださいっ!!」

「ケホンっ、どうした?」
「大変ですっ、とにかく来てくださいっ!」
「わかった・ガサゴソ・今・ガサゴソ・行く・ガサゴソ」

僕と彼が寝室を出ると、スヒョクさんがいた
「ホンピョとドンヒが風呂場で倒れてますっ!!」
「風呂で?」
「貧血?」
「とにかく行ってみよう。」

風呂場でホンピョ君とドンヒ君が折り重なって倒れていた
「これは・・・」
「「これは?」」
「単なる湯あたりじゃないか。」
「そう言えばホンピョ君やたらお風呂に入りたがっていました」
「水を飲ませて頭を冷やしてやれ」
「「はい」」

「おお、どうした?」
「何の騒ぎ?」
「テプンさんとチョンマンさん、まだ歌ってたんですか」
「さすがに飽きたから風呂にでも入ろうかと思ってよ」
「お前達、帰らないのか」
「テジ君心配してません?」
「さっき電話したらよお、酔っ払ってるとうるさいから今夜は帰ってくるなって言われちってよ」
「はあ」
「で仕方ないから今夜はここに泊まっていく事にした」
「はあ」
「でこいつら湯あたりしたのか」
「そのようです」
「しょうがねえやつらだな」

僕らは湯あたり二人組みを介抱した
「ゲストルームに運んでいこう。一番近いゲストルームだ」
「あ、すみません、そこにはソクさんが寝てます」
「ソクさんが?」
「ソクさん、何だかすごくはしゃいじゃってゲストルームを下調べしよう、
とか言ってさっき見学に行ったんですけど・・」
「で?」
「防音だとか、ダブルベッドだとか、はしゃいでて、しばらくベッドに寝転んでいたら、
そのまま寝てしまって」
「で?」
「いくら起こしても起きないので、僕お風呂に入ろうと思ってここへ来たら二人が倒れてて」
「なるほど。じゃ二番目に近いゲストルームへ運んで」
「はい」
「じゃ、俺達は3番目に近いゲストルームで寝よう」
スパコーーーっン!
「テプン、その前に二人を運べっ」
「へえい」

二人をゲストルームは運ぶとスヒョクさんが遠慮がちに言った
「ソクさんが起きそうもないので、僕も泊らせてもらっていいですか」
「ああ」
「んなものOKに決まってる、スヒョクも一緒に風呂入ろうぜ」
「はあ」
「チーフとギョンビンも入ろうぜ」
「僕達はもうシャワーを浴びたから」
「いいじゃんかよ、せっかくだから銭湯みたいに大人数でわいわいやろうぜ」
「・・・」
「俺に見られちゃ恥ずかしいとか?」
「ぶぁかっ!そんなことあるか!」

こうして僕達は甘い淵からジャグジーの泡の淵へ誘われてしまった
そしてみんなの検査の結果、彼はダイエットをした方がよいという事になった
「ミン、何で僕だけなんだ。テプンだって練習不足で筋肉締まってないじゃないか」
「でも基本は運動選手だから、すぐ戻るんですよ」
「・・・」
「とにかくやりましょうね」
「何でこうなる、ブクブクブク・・」
「沈んでもダメ」
「ブクブクブク・・」

翌朝、どこかでこんな悲鳴が上がったそうだ
「スヒョクっ!何でもう朝なんだっ!どうしてっ?せっかくチャンスだったのにっ!ええええんっ!」







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