鍋・フライパンあれこれ美味
100万ポイント山分け!1日5回検索で1ポイントもらえる
>>
人気記事ランキング
ブログを作成
楽天市場
1709090
ホーム
|
日記
|
プロフィール
【フォローする】
【ログイン】
ぴかろんの日常
リレー企画 261
ごさいじ・たびのきろく あらしのよかん 2 ぴかろん
僕の計画が台無しになりそうな危機でしゅ(;_;)
僕はヨンナムさんの背中に向かって叫びました
「そっ…そぷちこじにはすよんのしゅうどういんがあるんだじょっ<(`^´)>」
「…オッパ、イナが何か言ってる…」
「…いいよ、ほっといて」
「…相当怒ってるよ」
「いいよ、僕、のんびりしたい」
「…でもちょっと可哀想だよ」
「…しょうがねぇなぁ…」
腕を組んでとっとと漁師さんの方に向かっていたヨンナムさんが、口元を触りながら戻ってきました
「ヨンナムじゃん…(;_;)」
「…。お昼、食べていこうよ」
「らって(;_;)まわれない…(;_;)」
「滝二つ見たし、お前の行きたいとこは今度にすればいいじゃん?チョンエさんもいるんだし」
「ぢょんえがぐるなんでおれの計画にながっだもんっ(`^´)」
「…」
「なんで来るのさ!」
「…ふぅん…」
「なんらよっ!」
「ひどいな、お前…」
「…」
『昨日僕を無理矢理チョンエさんに会わせて、今日僕が同じような事したら怒るんだ…。チョンエさんはお前の友達なのに」
「らってっ」
「…。計画通りじゃないって怒ってるんだ…ふぅん…。誰かさんとそっくり」
「…」
だれかさん?
「僕、チョンエとサザエ食ってくる。お前、その、ソプなんとかとソンなんとか、行きたいのなら一人で行けよ。僕はここでゆっくりしてからバスででもなんででも空港に行くから。念のために僕の分のチケットちょうだい。別行動しよう」
「…よ…」
「チケット!」
ヨンナムさんは無表情のまま、僕のジャケットの内ポケットに手を突っ込み、サイフの中から飛行機のチケットを一枚取り出して自分のサイフに仕舞いこみました
僕はその腕に取り縋り、やだやだと言いました
「僕だって自由に行動してもいいだろ?僕はお前のロボットでもペットでもない!僕は大人だし韓国語も喋れる。幸い目も見えるし手足も動く。だからお前に案内してもらわなくてもちゃんと空港に行ける。じゃ」
「…よ…」
ヨンナムさんは、僕にくるっと背を向けて、チョンエの方に歩いていぎばじだ(;_;)あうあうあうう(;_;)
****
誰かさんそっくり!そっくりなんだから、誰かさんと同じ気持ちを存分に味わえばいい!
「オッパ…私、あんな風に泣いてるイナって見たことないよ」
チョンエは心配そうな顔で言った
そのチョンエの肩を抱いて、僕は宴会している人達の方へ歩き出した
「オッパ…いいの?」
「いいんだよ」
「…どしたのよ。冷たいじゃん。そんな人じゃないでしょ?」
「そんな人だよ」
「…」
少し歩いたところで、チョンエは僕の前に回り、また僕の瞳を覗きこんだ
全く、この娘は瞳を読むから怖い
「わかんない。何言ったの?なんでイナはあんなに泣いてるの?」
「僕の言葉の意味がわかんないからだろ」
「…。なんて言ったの?」
「誰かさんそっくりだって言ったの」
「…。誰にそっくりなの?」
「…。食べながら話そう」
僕はチョンエの肩を押し、前に進ませた
「待ってよ!」
チョンエは僕を振り切ってイナのところに走っていき、鞄から包みを出してイナに押し付け、イナの肩をポポンと叩いて戻ってきた
「一応、イナの分のキムパプ渡してきた。気が向いたら一緒に食べようって言っといた。行こう。これで心置きなく食べられる♪」
ニコっと笑い、僕の腕を引く彼女は、スマートにイナと僕から『一本』取った
参ったな…こういう気配りができるといいんだよな、僕も…
漁師さんに新鮮な魚介をさばいてもらい、岩場に腰を降ろしてキムパプと一緒に食べた
磯の香りがなんともいえない
「で?誰にそっくりなのよ」
「うん…」
*****
僕はチョンエさんに、イナの今の状態は昨日のテジュンそっくりなのだと説明した
テジュンは僕がイナにくっついて済州島に来ることを知らなかったし、一緒の部屋に泊まることも、イナが今日ソウルに帰ってしまうことも知らなかった
だから…かなりショックを受けていた(^^;;)
「…そか…なるほどね」
「僕、今のチョンエの気持ち、よくわかるよ」
「…」
「昨日の僕と同じだもん」
「え?」
「ここに来ちゃいけなかったのかなっていう…」
「ちょーっと待ってよオッパ」
「ん?」
「それ、イナの態度のせいだっていうの?」
「え?」
「オッパがイナに説明してりゃ、イナはあんな態度取らないわよ!」
「…」
「不本意だとしても、もう少し感情を抑えてるはずよ」
「…あ…そうか…」
「イナが泣いてるのも、私が傷ついたのも、元はと言えばオッパのせいなのよ!」
「…。傷…ついた?」
「ついたわよ!多少…」
「…ごめん…」
「…。大丈夫だけどさ」
「…ごめん…僕…」
「大丈夫だって。イナのわがままには慣れてる」
「…。あいつ、昔からわがままだったか?」
「…」
「違うだろ?ごめんチョンエ。僕…君に甘えてた…」
「…わがままだったわよ…」
「チョンエ…」
「そういう事にしておこうよ、この際。ね?」
そう言って微笑むチョンエさんは、本当にいい女だと思った
「…ごめん…」
もう一度詫びた僕を、チョンエさんは軽くハグした。いい匂いがする…
「オッパ、寂しがりだね」
「…」
「イナとテジュンさんがどっか行っちゃって相当動揺したんでしょ」
「…そんな事ないよ…。二人になりたかったんだろうし…」
「イナは…」
言いかけて僕の体を押し戻し、また僕の瞳を覗きこむ
慣れてくるとちょっと快感だ…
「…。ほんとに解ってないの?」
「…え?」
「…。はぁぁ…。…で?スヨンさんと話して楽しかった?」
「ん?ああ。意外と楽しかったよ。色んな話したよ」
「ふむふむ。よかったじゃない」
「でも…」
「ん?でも…なに?」
「口紅の色が濃すぎる…」
「…」
「ちょっとキツく感じる」
「…。あははは。オッパ、か~わい~い」
「…。だってさぁ…」
*****
チョンエとヨンナムさんは、なんだかめちゃくちゃいい雰囲気です(;_;)
僕の計画は白紙になってしまうのでしょうか…
ヨンナムさんのぶぁか!
チョンエのぶぁが!
僕はさっきチョンエがくれたキムパプをガツガツ口に押し込みました。涙がぽろぽろ流れました
テジュン…
テジュンが傍にいてくれないと、僕は僕のこういった感情をどうやって流していいのかわからなくなります…
僕は泣きながら電話を手にして、テジュンをコールしました。10回、コール音が耳に響きました。堪えようとすると余計涙と嗚咽が溢れます
15回コールしたところで、僕は気づきました。…テジュンは仕事してるんだった…
『てじゅ、ここへ何しに来たの?仕事しに来たんだろ?』
昨日、僕がテジュンに言った言葉です。そんな事を言ったくせに、僕はテジュンの仕事を邪魔しようとしています
恥ずかしくなって電話を切り、自分の気持ちなんだから自分自身でなんとかしようと涙を拭ってキムパプを頬張りました
情けない…どうして僕は泣いているのでしょう…
Just a kiss ぴかろん
朝、目覚めた時、ギンちゃんもピーちゃんもいなくて
リビングに行くとテーブルにメモが残ってた
『授業があるから行ってきます ギンちゃんより
P.S.浮気すんなよ!<(`^´)>』
ふん
浮気なんてしない
俺はいつも本気だもん!
メモをくしゃっと丸めてゴミバコに捨てた
コーヒーを淹れていると、シャワールームから出てきたピーちゃんが
濡れた髪を拭きながら、聞き覚えのある曲をフンフン歌ってテーブルに座った
俺はカップをピーちゃんの前に置き、乱暴コーヒーを流し込んだ
サーバーをダンとテーブルに置くと、ピーちゃんは髪を拭くのをやめて俺を見た
俺は朝の挨拶のキスをピーちゃんの唇に落とした
ピーちゃんの向かい側に座り、自分のカップにコーヒーを注ぐ
一口飲んでカップを置くと、ピーちゃんが俺の頭を引き寄せた
俺はピーちゃんの唇に噛み付き、ピーちゃんは俺の歯を割って舌を忍ばせた
テーブル越しのキスは悪くない
ドラマロケ地のツアーに行くというピーちゃんにくっついて、どこかの高校に来た
塀に登って降ろしてもらうという、アホーみたいな作業をさせられた
同行のマダム達が俺達にやってほしいとリクエストしたからだ
俺は四つんばいになったピーちゃんの背中に乗り、塀に座った
立ち上がったピーちゃんは俺を愛おしそうに見つめて、そっと抱き降ろす
バカみたい…
でも
気持ちよかった
降ろされたとき俺、ピーちゃんに抱きついた
分厚い胸だったな…
それからどこかの公園に行き、並木道を散策したり、丸太の上をピーちゃんに手を引いてもらいながら歩いたりした
同行のマダム達が何故だか喜んでいた
テーブルに置かれた雪だるまぬいぐるみをキッスさせた後、俺達もキッスして…と言われて、ピーちゃんは俺に軽くキスをした
ピーちゃんに纏わりついた俺は、離れていく唇を追いかけて、軽いキスを何度も繰り返した
マダム達が小さく唸っていた
軽いキスの間に、何度か舌でさぐりを入れてみた
数度目の舌先を、ピーちゃんは確実に捉えて、俺達は深いキスをした
深く、絡み合う、そんな、キスを、俺は…
ツアーから帰って来てバスを降り、同行のマダム達に手を振って別れを告げた
俺は店に行くけど、ピーちゃんはどうするの?と聞くと
ついてくると言う
「お客として?」
「出張中の奴の身代わり」
「…じゃ、俺も満足させてほしいなぁ…」
「奴の身代わりだから?」
「そ」
「…。どうしよう。満足どころか…破壊しそうだなぁ…」
「ふ」
「試してみる?」
「…ふ…」
「欲しけりゃいつでも…」
そんな事言っても、ピーちゃんは紳士だから、自分からは来ないんだ
俺が仕掛けた時だけ、律儀に応えてくれるんだ…
優しい人
「ね…今夜…寝てみる?」
承諾するはずがないと知っていながら、そんな事を仕掛ける自分がわからない
ピーちゃんは俺を抱きしめ、そっと額に口づける
「お宝を盗むには、それ相応の覚悟がいる」
「お宝?」
「宝物だろ?ラブちゃんは…」
「…そんなことないよ…」
「宝物は自分自身が『宝だ』って気づかないものさ」
「…宝なんかじゃないよ…」
宝物は…あいつの澄んだ心だもん…
「残念ながら僕は盗賊じゃないんだ、こう見えても…」
「キスはするくせに?」
「はん。ただの挨拶だよ」
「あんなにすごいキスが?」
「挨拶だよ」
「ふ…」
「今日と明日とホ○トになるよ。僕のせいで人出が足りなくなっちゃったんだろ?」
「…ん…」
「頑張るよ、くふん」
「キスして」
「…」
「うんと濃いの」
「ラブちゃん?」
「あんたのせいで俺の宝物がボストン美術館に展示されちゃってるんだからさ…」
「ん?」
「あるんでしょ?美術館、ボストンって…」
「…ああ…」
「…展示されたまま帰って来なかったら…どうしよう…」
「ふ」
「なにさ」
「ふふ」
「なんで笑うのさ!」
「あいつのもとに帰ってこなかった人たちは沢山いるけどね、あいつ自身はいつだって帰ってくる」
「…」
「帰ってきたら誰もいなかったって事の多い奴だったけど、今は違う」
「…」
「ラブちゃんがいるだろ?」
「…俺…」
「ん?」
「…俺に…キスして…」
「…我慢のきかない子だな…」
ピーちゃんは、半ば呆れ顔で俺にキスした
俺はピーちゃんの唇を割って中に忍び込んだ
ピーちゃんは、口の端でクスリと笑った後、丁寧に俺に応えてくれた
俺を…ひとりにしないでよ…
はやく…はやく傍に帰ってきてよ…はやく…
あんたがいないと
つまんないんだもん…
火の鏡 足バンさん
立派な男とは、何もかもうまくいかない時でも笑える男だ
そんな天を仰ぎたくなるような言葉を残してくれたのは
アメリカの詩人だったろうか
朝
予告通り目を覚まさないドンジュンにそっとキスをして
スヒョンは家を出た
夕べは、彼の寝顔を見ているうちに眠ってしまったらしい
ずっと石鹸の香りがしていた
ー僕さ…疲れてるから…ゆっくり寝たいから
起こさないでほしいというドンジュンの理由が、額面通りでないことはわかっている
どんな声をかけて出て行こうかと迷う顔
そんな僕を見たくないのだろう
優しさと憂鬱がぎりぎりのところでせめぎあう黒い瞳
シャワーの中でドンジュンに触れたのは
あれも自分の中の雄だ
満たしてやれない苛立ちの弁護
身勝手な自覚に情けなささえ感じながらも
そうせずにはいられなかった
それで、どうにかするつもりだったんだろうか
すいと飛んで行きそうな…いつも全身で輝いているようなあいつを
そんな幼稚なことで繋ぎ止めようとでも思ったのだろうか
ばかばかしい…そんなことじゃない
とにかく進まねばと思いつつ、進めば霧は深くなる
しかし…眠りの淵から落ちる瞬間
ジンなのか、これが
そう感じたら、妙なことだがふと肩の力が抜けた
足掻いてるうちは何も掴めない
ジンがそれを語ってくれている…
「もうね、ミンチョルさんったらムッとしてるの」
「嫌だって?」
「口には出さないけど、顔に書いてあるのよね、上半身だけ映してればいいだろって」
スヒョンの控え室で、何の話かといえば
その日の撮影のための準備の件
通常一糸まとわぬ状態の撮影には、身体の一部にそれなりの「隠蔽工作」が施される
それは倫理云々、感情云々ということだけでなく
スムーズな仕事運びのために欠かせないものなのだ
「だから言ったの、余計恥ずかしいことになりたくなかったら言う通りにしてって」
「ふふっ」
「笑い事じゃないんだから~新人女優さんじゃあるまいし」
「まあね」
「チーフもわかるでしょ?どこまで映すかじゃないんだもん、一部の事情にいちいち気遣いながら
撮ってられないもの」
「わかりますよ、それで結局は?」
「くふっ…ため息ついてたから観念したみたいですよぉ♪」
「あいつよくやってると思いますよ…これから音楽もあるし、よろしくお願いします」
「もぉ甘いなぁミンチョルさんには」
回転椅子にまたがりクルクルやっていたジホが動きを止めて
鏡に向かって髪を整えるスヒョンを見つめた
「ねぇチーフ…いろいろ大変だと思うけど…」
「はい?」
「監督もスタッフもね、チーフとミンチョルさんと組めて良かったって言ってる」
「…」
「正直言って最初どうなるだろうって思ってたスタッフも
あの愛すべきジンとヒョンジュのために、できるだけの仕事をしたいって思ってるみたい」
「それは…嬉しいな」
「うふふ…あれですよね、メンバー全員で試写会行きたいですね」
「うん、是非」
ジホはスヒョンの笑顔を見ながら、うんうんと満足そうに頷いた
「先は長いけど最後までいいもの作りましょ!」
「はい」
「よしと!じゃ『工作』はスチール撮影の後でお手伝いにきます」
「ミンチョルは?」
「今、控え室で背中やってるはずです」
背中、というのは
予定されていた、背中の特殊メイクのことだ
左肩から中央にかけての幾筋かの薄茶色の古傷
それはヒョンジュの忘れられた記憶の向こうで
父親に刻まれた哀しい過去を意味する
「少しだけメイクパテ使います、ヒヤっとしますよ」
「ええ」
「古い傷だから色は押さえて、あとは写り見ながら調整するようです」
バスローブの背中を大きく開けて鏡の前に座るミンチョルは
作業を続けるメイクの女性に身を任せたままじっとしている
「長年やってるとね…印象に残る傷ってのがあるんですよ
その傷がどうやってついたか、情景を考えながら作業してると辛い時があるんです」
「…」
「今回もかなり辛いな…でもヒョンジュは忘れちゃったんですよね、これ」
思えば、自分はそんな目にあったことはない
ひどく惨めなことばかりだったけれど
傷つけられるような恐ろしさを感じたことはない
僕が記憶をなくしてたあの頃
戻れないことも戻ることも怖かった
ヒョンジュは
もしすべてを思い出していたらどうしたのだろうか
ジンへの想いは違ったものになるのだろうか
それとも…
いや、そんな想像は無意味か
思わずため息が出た
自分が、朝から何となく落ち着かないは今日の撮影のためだ
どうにでもなるだろうと思っていたが
いったいどういう演技が求められるのかと思えば気が重くなる
相手はあのスヒョンなんだ
「はい、ふたりそのままの位置で立ってて下さい」
監督たちの手の中のポラロイド写真には
後ろ向きに佇むミンチョルと
そのうなじに頬寄せるスヒョンが写っている
「透明感のある色っぽさが欲しいのよ」
「でも甘いのも嫌ですよね、エッジまで綺麗に出しましょうか」
「そうね、かえって少し客観的な匂いがいいな」
「ウィーバーさんもそんな感じでいいですね?」
「はい、本社からはお任せするようにと言われております」
午前のスチール撮影は、映画とウィーバー社のHP共用のためのものだ
映画の印象を色濃く演出しつつ
ウィーバーのイメージを保つ
ヒョンジュが後姿である理由もそこにある
勿論、撮影をこのタイミングで持ってきたのは
時間の都合だけではなく、シン監督たちの思惑を反映したものだ
濡れ場を前に緊張するのではと思われたスヒョンとミンチョルを
違った角度から自然に集中させる
午後、夢のシーンで使われるそのセットは
背景のない白い部屋の中央に
たっぷりの白い布に覆われた寝台がぽつんと置かれている
「ヒョンジュのシャツの襟の辺りにジン頬を置く感じ
それでね、視線カメラ、うつろにこっち睨んでみて?…そうっいいっすっごくいいわぁ」
ユン女史の、身体に似合わぬ力強い声が響き
内側に籠るような金属のシャッター音が続く
ミンチョルは首筋にスヒョンの体温を感じながら
目の前に絵のように置かれている寝台をぼんやりと眺めていた
この時間
ヒョンジュという孤独の魂になっていく時間
これは以前からミンチョルにとって嫌なものではない
頭の芯がじんわり痺れて…
これが被写体の恍惚なのか、ヒョンジュの麻薬なのかはわからないが
「えーとヒョンジュ、左肩の辺までシャツはだけてみよう」
「え…」
「そんでジンが傷に頬寄せて、あ、ヒョンジュ、下はまだ脱がなくていいよ~」
監督の言葉にぎょっとしたミンチョルの耳元に、スヒョンがおかしそうに囁く
ーそんなにあからさまにギクリとしないで
どうしてこうも平然としていられるのだスヒョンは
こころなし憮然とした気持ちでシャツのボタンを外したミンチョルは、しかし
指示通り後から近づいたスヒョンの頬が
僅かに躊躇してその肌に触れたことには気づいていない
「ジン、そのまま目線こっちね、あ、腕は回し過ぎないで、袖口見えなくなる
それでヒョンジュは自分の左足元見る感じ~そうですそうです
はい、ジン、漠然と不安を感じるような表情できる?」
ー演技など必要ないのかな
そんなスヒョンの自嘲を知る者もこのスタジオにはいない
真っ白い、寝台の陰影だけが浮かぶ空間
白いシャツを無造作に羽織り、立つ男の後姿
その背中を軽く抱き
さらされた左肩の素肌に頬寄せるジン
その視線に漂う哀しみ
ふたりの白いボトムも背景に溶け込み
セーターの美しい蒼だけが息づく
ミンチョルはただ息を殺し
肩に伝わるスヒョンの感触から気を逸らしていた
そっと突つかれスヒョンが振り向けば
シン監督が耳の後を掻きながら苦笑いしている
その仕草は困っている時なのだと、ユン女史がこっそり教えてくれたのを思い出す
ねぇ、あれって緊張じゃないよね?という監督の促す先を見れば
機材の横に無造作に置かれたパイプ椅子に、ミンチョルがぼんやりと座っている
緊張…というよりそこに気持ちがない、という感じにも見える
はぐれた親を捜し疲れた子供のようだ
「どう思う?」
「どうって…」
「大丈夫だろうか、彼」
「勿論、大丈夫だと思いますが」
「あのシーンはジンの夢なんだから、まぁ何でもアリなわけだけどさ
ボヤンとした受け身だけじゃまずいんだよね…こう…反応してくんないと」
「ええ…」
「普通、こういう場合の緊張は経験でもって徐々にほぐしていくんだけど
私、彼の思考パターンって今もって読めなくってさ」
「ふふ…僕も読める人間は約1名くらいしか知りませんけど」
「自分じゃないの?」
「僕はちょっとばかり付き合いが長いだけです」
「そう?」
「ええ」
「まぁいいや、次入るまでちょっと声かけてやってくれる?
気分だけでもほぐれてれば、後はこっちでうまくもっていくから」
「はい」
つまり「その気にさせろ」ということなのだろう
スヒョンは、音のないため息をつき天井を見上げた
縦横に巡る鉄の棒に這う、無数の黒いコード
蛇のように絡みつく赤いコード
触れれば火傷をするだろう照明の塊
胸が…真っ二つになりそうだ
夢のシーンは必要なのだろうか
控え室に戻り、冷たい水を口にしながらミンチョルは思った
ジンはヒョンジュにそんな想いを抱いていたのだろうか
抱いていたのならなぜそれ以上踏み込まずにいたのだろう
先ほどから、そんな思いが離れなくなった
だからドアのノックにぼんやりと返事をした時も
きっとそこに立っているだろうスヒョンに
疑問を投げるつもりでいた
何となく聞き慣れない調子のドアの音に目を上げると
鏡の中にいるのは、スヒョンではなくスタッフと思われる若い男だった
「済まないけど、監督にもう少し時間をくれと伝えてくれませんか
ちょっとスヒョンと話したいんだ」
しかしその男は返事もせずにこちらを凝視したまま
キィをかける小さな音にミンチョルが振り向けば
人工の、影さえ許さぬ明かりの中に
小さいがはっきりと通る声がした
「どんなヒョンジュかと思ったら…たいしたことないじゃない」
ミンチョルは、その顔に僅かに見覚えがあった
(替え歌) 「美貌の都」 ロージーさん
笑えよ 臆病な男の
笑えよ 不埒な純情を
僕たちは 仮面の下
抱き合う つがいの嘘つき
平気さ おまえはどうなの
今さら 戻れはしないよ
この街は 美貌の都
望みばかりが 明るい
この街は 美貌の都
言葉ばかりが 明るい
振り向いてみれば
人はみな 泣き笑顔
昨日の夜と同じ顔で
今夜が終われば 上出来さ
僕たちは テスト飛行
さまよう つがいの嘘つき
めまいに 堕ちたい誘惑
かわせば 心は軋んで
この街は 美貌の都
望みばかりが 明るい
この街は 美貌の都
言葉ばかりが 明るい
振り向いてみれば
この街は 美貌の都
望みばかりが 明るい
この街は 美貌の都
言葉ばかりが 明るい
振り向いてみれば
人はみな 泣き笑顔
(中島みゆき『
美貌の都
』)
Veritas -Letter オリーさん
エリックへ
まだ少しは覚えていたようだね
πの桁数
もちろんお前は私には勝てないけど
お前の悔しがる顔を私は忘れていない
一年に一度こうやってお前に手紙を書き続けて何年になるだろう
別れてからずっとこの時間がとても楽しみだった
遠く離れてしまったお前を想い、自分の気持ちをいたずらに綴る
ただそれだけで、どんなにか慰められただろう
そしてこれが最後の手紙だ
お前がこれを読んでいるという事が、
何よりの証拠
いろいろ聞いてもらいたいことはあるが、
何を言っても弁解になるだけだ
ただひとつ、頼みを聞いてほしい
貸金庫に一緒に入っていた指輪
どうか受け取ってほしい
母の形見だ
母はフランスの名家の出だが
父との結婚を反対され、勘当された
その時、母が祖母からひとつだけもらった物が
そのショーメの指輪だった
母は、私がアメリカに発つ時、私にそれをくれた
部族のつながりを第一と考えるアラブの世界で
父の第二夫人としてその世界に入った母は
世界観の違いに生涯悩まされたようだ
それで母は積極的に息子である私に留学を薦めた
だがそれも昔のこと
すでに両親も亡くなり、弟も先に逝ってしまった
私がその指輪を託せる人間はお前しかいない
どうか、持っていてほしい
私がこの世に存在したとういう
唯一の証かもしれない
ここまでやってきて
ようやくわかったことがある
この世界に平等はないということ
分配されるべき富だけでなく、
積み重ねた努力に対する代償、
そして時の流れさえも平等ではなかった
私に残された時間はわずかだ
なぜ世界に戦争が起きるのだろう
本当の理由は何だろう
宗教の対立などではない
貧困と嫉妬、無知が世界を引き裂くのだ
私はそう理解した
貧しい社会は永遠にその連鎖から抜け出せず
富める世界に対してその嫉妬の念を爆発させる
もし仮にアルカイダやタリバンに
安定した職と食を与えることができるなら
彼らは武器を捨てるかもしれない
さらに西欧が言う民主主義はアラブの世界では成り立たない
民主主義の根幹を成すものは最低限の保障だ
富める社会にのみ通用する
わかりやすく言えば
水と電気がなければ民主主義は成り立たない
アラブでは人間の生命線である水は
民主主義は決して与えてくれない
部族の長に従ってはじめて保証されるものなのだ
いくら援助されても、いくら物資が届いても
それらは瞬く間に消費されて終わる
もちろんそれらが
末端の人々に届いているという保証もないのだが
考えてみるといい
荒野に生まれ育ち、テントで寝起きし、
何の娯楽もなく埃まみれで暮らしている少年に
武器を与えたらどうなるか
彼らは戦うために武器を取るのではない
他にすることがないから武器を取るのだ
大義名分は後からついてくる
そして戦争が起きようと起きまいと
彼らの暮らしは変わらない
劣悪な環境の中、弱い子供は一番最初に命を落とす
昔から繰り返されている事なのだ
そんな彼らは言い切る
一夜の無政府主義よりも数百年の圧政の方がましだと
こんな世界なのだ
救う手立てはあるだろうか
あるとすれば唯ひとつ
教育だ
人々に他にも生きる道がある事を知らせることだ
武器を持たずとも
この暮らしから抜け出せる方法があるという事を
まだあどけなさが残る少年のジャケットに爆弾をくくりつけ
天国には蜜の流れる川と、ぶどう酒の流れる川があり
そこに72人の処女がいる
などと教えるかわりに
外の世界がどんなものなのか
人は人として生まれてどんなことができるのか
それを教えるのだ
もしそれができたら
武器に変わる物を彼らが持てたなら
変わっていけるかもしれない
少しづつではあるが
もちろん気の遠くなるような時間が必要だろう
だが始めなければ何も始まらない
種をまき、根気強く水をやれば
いつか花は咲く
たとえ砂漠の真ん中でも
それは何世紀も後かもしれないが
ひとつお前の知らないことを告白しよう
お前のお爺様に誘われたことがある
彼の会社で働かないかと
彼は私の能力を認めてくれていた
お前は確か実業家にはならないと言って
彼とは違う道を進むと宣言したのだったね
お前は突っ張ったつもりだろうが
お爺様はすべてお見通しだった
あれには勉強をさせておくのがいい、
経営には向いてない
彼はそう言っていた
さすがお前のお爺様だ
慧眼だろう?
私を認めてくれたお前のお爺様には深く感謝している
彼は私の能力を正当に評価してくれた最初で最後の人だった
彼のおかげで気がついた
私には経営の才があるのかもしれないと
何をするにも資金は必要だ
私は彼を見習って、金を得る知恵を絞った
私の闘いの大半は
金を作ることに明け暮れたと言っても過言ではない
アラブの世界では何をするにも金が必要だ
逆に言えば金があれば何でもできる世界なのだ
だから私は金を作ることに必死になった
あの時、あの申し出を受けることができたら
私の人生は変わったものになっていただろう・・
その時すでに弟が組織にはまっていた
私は何とか弟を取り戻したかった
それがすべての始まりだった
いや終わりの始まりと言った方がいいのかもしれない
それでもやるべきことはやったつもりだ
私がいなくなった後に
すべては動くようにしてある
お前なら気づいてくれるかもしれない
私が何をしたかったのか
お前の教え子は世界中に散らばって
そして世の中の役に立っているのだろう
羨ましい職業だ
お前はなぜかいつも正しい
毎年、ここに来ていた
そして前の年の手紙を金庫から取り出し
一年前に書いたお前に充てた自分の手紙を読み返し
苦笑いをする
そして新しく書いた手紙と入れかえる
その後は外に出てこの街の空気を吸った
この街は変わらない
もちろん店は変わり、人も変わる
だが街としての姿は変わらない
今でも大学のCoopから
お前が笑いながら歩いてくるような錯覚にとらわれる
ここには学問があり、自由があり、希望がある
それからTに乗ってあそこへ行き
ひとしきり時間を過ごす
そんな事を毎年繰り返していた
一度だけ奇跡が起こった
あそこでお前を見た
後からわかったことだが、
あれはお前がオックスフォードに行く前だった
あそこで座っていたあの後姿
私は入り口の陰から見ていた
お前もあの場所を忘れないでいてくれたと思うと
涙を止めることができなかった
どんなにか、声をかけたかったか
お前が出て行った後、私はその同じ場所に腰かけた
そしてお前を感じていた
神が私にくれた最後の贈り物だったのかもしれない
あれがお前を見た最後だ
Veritas
二人でよくちゃかして笑ったものだ
恥ずかしげもなくこんな言葉を校章にしていると
だが、今はそうは思わない
私にとってお前といた大学でのあの時間は
人生の中で唯一のVeritasだった
お前と共有できたあの時間を
今はただ感謝している
かけがえのない私達のVeritas
エリック
さあ、本当にさよならだ
最後にもう一度言わせてほしい
お前に出会えてよかった
どうかいつまでも元気で
そして、ありがとう
心より愛をこめて
サラ
http://www.harvard.edu/about/
「あなたは人を撃ったことがありますか?」
「・・」
「今までに人を撃ったことは?」
「あります」
「感じませんでしたか?」
「何をです?」
「発射された弾が、どんな風に飛んでどんな風に相手に当たったか、
まるで自分がその弾になったように・・」
「言われてみれば・・そんな気がします。
はずれれば、それを目視するよりも先に肌で感じ、
当たったときは、そう・・当たったと感じます・・」
「ただ引き金を引くだけなのに・・」
「不思議ですね・・」
「神が授けたくれた第6感とでも言うのでしょうか。
人を撃つことを戒めるための・・」
「そんな風に考えたことはありませんでした」
「あなたは仕事がら、やむを得ないのでしょう。私は・・」
「・・・」
「私は・・標的以外の物を撃ったのは初めてでした・・」
その人の目から涙が一筋頬を伝わって落ちた
その瞳は相変わらず目の前の絵を見つめていた
ごさいじ・たびのきろく あらしのゆくえ 1 ぴかろん
「ホテルマン向けの研修は、昨日打ち合わせたように、まず各ホテルの代表を集めて、統一サービスについての説明、各ホテルからの提案、討論、その後、統一サービス内容の検討・決定の会議を行います。この会議で提案されたサービスを各ホテルに持ち帰って検討した後に、修正案などを出してもらい、それから内容を確定させる…ということになりますから、一ヶ月ないし二ヶ月の間にこの会議を進め、サービス内容を固めて、それからの研修となりますね」
「…あ…はい…」
「テジュンシかジャンスシ、どちらかに会議に出席して頂いて、サービス内容が決定次第、『統一サービス研修』を組んでいただくと…」
「…ええ…」
「内容的には、テジュンシが今まで本土でやってこられた研修内容と、さほど変わらないと予測していますので、これはこれでいいとして…」
スヨンさんが昨日の会議の確認をしている。僕は身が入らない。こんなことではいけない…しっかりしなくちゃ…。頭を軽く振った時、胸のポケットが震えた
誰からだろう…イナ?先輩?…誰?
「テジュンさん、お電話じゃありませんか?」
「は?え…あ…ええ…」
「…。打ち合わせ、続けてもよろしいかしら?」
スヨンさんは気の毒そうな顔をして僕を見る
僕は唾を呑み込んで彼女に言った
「…すみません…。お察しの通り、僕、今、ガタガタになってます…申し訳ない…」
「大丈夫?」
「…あの…、30分だけ時間をくれませんか?その間に気持ちを切り替えます」
「…」
「切り替えて、しっかり仕事に取り組みます、申し訳ない…」
「うふふ。解りました。それじゃ、そのまま昼食も召し上がってください。午後から仕事モードに切り替えてしっかりお願いします」
「…スヨンさん…」
「2時間あったら大丈夫よね?」
「ええ。ええ…ありがとう、すみません…」
「昼食はこちらに運びますか?」
「いえ。社員食堂でいただきます」
「そう?じゃ、1時になったらもう一度、この場所で仕切りなおしましょう」
「ありがとう…すみません…」
「謝ってばかりね」
「…すみませ…」
「謝らなくていいから、午後からよろしくね」
スヨンさんは優しく微笑んで会議室がわりの客室を後にした
一人残った僕は、ベランダに出て海を眺めた
そうだ…電話…
フリップを開き、着信を確かめる
イナからだった
少し躊躇って、僕は電話をかけた
長いコール音が途切れ、てじゅ…という小さな声が聞こえた
*****
僕の電話が鳴りました。テジュンからです。僕は出ていいものかどうか迷いました。でも…テジュンの声が聞きたかった…
それで僕は通話ボタンを押しました
「てじゅ…」
『どうした?泣いてるのか?』
「…。ごめんね…」
『どしたんだ?』
「仕事中なのにごめん…」
『今休憩中だから大丈夫だよ。何があった?』
「う。ううっ。ぢょんばんぼっぼにぢょんえがぎだっぐ。おれむききーってなっでげんがじだ。よんなぶざんがおごっだぐしっ。ぞぶぢごぢぼぞんざんいるぢゅるぼんぼいげないぅうえんえんぇぇん」
*****
イナは呪文のような暗号のような言葉を吐き、えっええっえ泣いている
僕はイナに落ち着くように言い、一つ一つ言葉を確かめた
正房瀑布にチョンエさんが現れ、ヨンナムと仲良くしていて、イナの計画が全てパーになりそうだ…ということらしい
「…計画ってのは、パーになりやすいもんだよ、イナ」
『れぼっえっえっ』
「特に『欲深い気持ち』でいると、全ておじゃんになる」
『よぐぶがぐなんがないぼんっ』
「チョンエさんの出現がなんでそんなに腹立つの?」
『らっでおれはしゅよんとよんなぶさんを…』
「…。イナ…。それはお前の『希望』だろ?ヨンナムの事はヨンナムに任せればいい」
『でぼ、ぎのうぼ、げざぼ、えっえっ…よんなぶざん、しゅよんどながよぐじでだぼん』
「…。だからって別に二人が『好きになった』ってわけじゃないだろ?」
『ええっええっうえっ』
泣いているイナを思い浮かべていると、昨日の自分の気持ちが吹き出してくる
ふん。わかったか!
期待を裏切られることの辛さが…
楽しみにしてたことが全部ダメになった時のショックが…
でも…
あれやこれや、全部僕の中で計画してたことなんだよな…
イナの都合なんか考えてなくてさ…
今電話の向こうで泣きじゃくっている『ごさいじ』も同じ…
ヨンナムの気持ちも都合も考えてないもの
僕の中の『欲の結び目』が、一つ、するりと解ける
「どうしてスヨンさんとヨンナムをくっつけたかったの?」
『…らって…似てる…』
「それだけ?」
『…』
「チョンエさんじゃダメなの?もしヨンナムとチョンエさんがお互い気に入ったならそれでいいんじゃないの?お前、ヨンナムに幸せになってほしいんでしょ?」
『…そうらけろ…』
「じゃあ、よかったじゃない」
『…そぷちこじとそんさんいるちゅるぼんいきたかったのに…』
「なんで?」
『…らって…なんか…』
そうだよ、どうしてそこに拘るんだよ!僕だって三日目にお前を連れて行ってやろうと思ってたんだぞ!
暫く黙り込んでいたイナがまたぐすぐす泣き出した
「どうした?」
『よんなぶざんどぢょんえがはぐはぐじでる…』
「…だからぁ…いいじゃないか!」
『…俺に見せびらかしてるみたいら…』
「…」
ヨンナムも意地の悪い奴だな…何もイナの前でそんな事しなくても…
そこまで考えた時、ふとある思いが過ぎった
「イナ…」
『ぐじっ』
「ヨンナムなぁ…まだお前を愛してるんだよ…」
『…。あい?』
「…僕さ、お前からスヨンさんとヨンナムをくっつけたいって聞いた時、絶対無理だと思ったんだ」
『なんれさ!』
「ん…だって…。どちらもお前を愛してたから…」
『…。…あい…』
「もし2人が付き合ったとする。必ずお前の話が出る。どっちかって言うと、2人は同じ人を愛したライバルであり同志であると思うんだ」
『…』
…あ…まさかこいつ…自分を忘れてほしくなくてあの2人をくっつけようとしたんじゃないのか?
…つまりイナは…
「お前もヨンナムに未練たっぷりなんじゃないか!欲張りめ!」
『ちがうもん!』
違わない
「…解ってるよイナ」
『何がわかるんら!』
「僕も同じだから…」
『…』
そう…僕もあの子に未練たっぷりだもの…
するりと、また一つ…『欲』が解ける
「好きだって気持ち、そう簡単に治まんない…僕は知ってる…」
『ぢがうぼん!俺は…俺はっ…』
「2人で岬を見て、それで終わりにしたかった…。どうせそんなとこだろ?ん?」
『…』
「正直に言ってごらんよ」
『…そんなつもりじゃないもん…。ただヨンナムさんと2人でソプチコジに行きたかった
あそこから海を見たかった…。そんなつもりじゃない…けど…そんなつもりあったのかもしれない…』
「うん…そうなんだよ…きっと」
僕の絡まっていた気持ちは、イナの呟きに逢う度に解れ、鎮まっていく
ヨンナムがまだイナを思っていて、イナもヨンナムが忘れられなくて…
そんな話なのに…
*****
不思議です。どうしてテジュンと話していると僕の気持ちは落ち着くのでしょう
僕達は恋人同士なのでしょうか?もしかしたら僕達こそ『親友』というものではないのでしょうか…
だって僕達は…お互いの『好きな人』への想いを受け止めて流してやることができるのです
お互いの…好きな人?
僕達は…恋人同士ではないのでしょうか?
ふいにソウルで現実と幻想の狭間にいるあの二人を思い出しました
『でもな、イナ、ソプチコジに行ったからって、ヨンナムへの気持ちが終わりになるわけじゃないだろ?』
テジュンの言葉が僕をこの場所に連れ戻します
僕は『終わりにしたかった』のでしょうか?
だからチョンエが現れて、僕の計画が尽く潰れてしまった事に腹を立てているのでしょうか?
僕は…
僕の気持ちがよく解りません…
『確かに区切りはつくかもしれないけど、はい、今日で好きと言う気持ちは終わりにします、明日からは普通の友達です!なんてなれるわけないだろ?
ヨンナム見てみろよ。かっこよくお前を僕に渡してくれたけど、ぐずぐず引き摺ってる。お前もそうだし、僕も…そうだ…』
そうです…僕はヨンナムさんを好きだという気持ちを捨てきれずにいます
ソプチコジは僕が住んでいたところでもあり、今、スヨンが住んでいるところでもあります
だから行きたかったしヨンナムさんに見せたかった…
城山日出峰は僕も行った事がありません
ソプチコジからそんなに遠くないのに、なぜでしょう…
本当はあそこに登って日の出を見たいのです
あの
カルデラ
を見たいのです…
写真でしか見たことのないあの不思議な光景を、僕は…ヨンナムさんと見たかった…
『ヨンナムもお前を吹っ切りたいのかな。だからチョンエさんと仲良くしてるのかも。けどもしかすると本当にチョンエさんと気が合うと思ったかもしれない…』
ふっきりたい?
区切りをつけたい?
僕の思考はまたソウルの2人に飛びました
…祭の最後の日、あいつらはケリをつけたんだ
だけど思い通りにはいかなくて
心の奥に閉じ込めたまんま、ケリをつけたはずだと思い込んでいたんだ…
それと同じ
俺も…そう…
そしてテジュンもそう…
もしかしたらあいつらにとって、あの映画はいいきっかけなのかもしれない…
そんな風に思えました
今まであの映画は彼等の若い恋人達を苦しめるだけのものだと思っていたのに…
スヒョンがあの映画に出演を決めた理由
大きな愛を伝える…それもあるんだろうけれど、でも実はそうじゃなくて…
多分相手役がミンチョルでなくてもきっと…
『ヒョンジュ』はスヒョンにとっての『ミンチョル』なんだ…
だから誰が相手だったとしてもスヒョンはきっと…ミンチョルへの想いを…
『イナ?どうした?』
「…ん…。てじゅ…俺達って恋人同士?」
『うん。そのつもりだよ』
「変じゃん。なんで『別の好きな人』の事、こんなに静かな気持ちで話せるんだろう…。もう俺達の間の気持ちって冷めちゃったのかな…」
『…んなこと言うなよ!僕がどれほど狂おしくお前を思っているか…』
「…ふ…」
『イナ…僕にはお前が必要なんだ。昨日お前が僕の気持ちを流してくれて、僕もお前の気持ちを治めたろ?』
「…うん…」
『そんな事ができるのは僕達だけだよ。ヨンナムにもラブにもできない。僕はそう思うよ』
「…ん…」
『ありがとね』
「え?」
『電話くれて…』
テジュンの声を聞きながら、ヨンナムさんとチョンエの方を見ました
仲良く喋っています。僕の方を振り返りました。2人はじっと僕を見つめています
『イナ?どしたの?』
「…あ…ありがとって…なんで?」
『うん。お前のおかげで自分の気持ちが整理できたから…』
ヨンナムさんがいきなりチョンエの肩に顔を押し付けました
そんなに…仲良くなってしまったのでしょうか…
『イナ?』
「…ヨンナムさん…」
『うん』
「…チョンエと…仲いい…」
『そう。よかったじゃない』
「…」
『やっぱりイヤ?』
「…ん…」
まだ涙が滲みます
僕は今、テジュンと話しているのに、チョンエに甘えるヨンナムさんが腹立たしい…
「…てじゅ…」
『なに?』
「お前…俺がこんな話して泣いてるのに平気?」
『…』
「俺、昨日お前がラブのこと思い出しても嫉妬しなかった…」
情熱というものが無くなってしまったのでしょうか…
『平気じゃない。でもイライラもしないし腹も立たない。なんていうのか…ドキドキするんだ。お前の心がそのまま僕の中にあるみたいに…不思議なんだ…』
「…俺の気持ちが…感じ取れるってこと?」
『そんなような気がする…不思議だな…今までこんな風に感じた事なかったのに』
「…昨日から?」
『そう』
やっぱり俺達、変なのかもしれない…
僕はヨンナムさんとチョンエから目を離さないまま、そうテジュンに告げました
※
城山日出峰 フォトギャラリーご参照ください
ジャンル別一覧
出産・子育て
ファッション
美容・コスメ
健康・ダイエット
生活・インテリア
料理・食べ物
ドリンク・お酒
ペット
趣味・ゲーム
映画・TV
音楽
読書・コミック
旅行・海外情報
園芸
スポーツ
アウトドア・釣り
車・バイク
パソコン・家電
そのほか
すべてのジャンル
人気のクチコミテーマ
たわごと
いろんな世界とつながること
(2026-08-03 07:30:37)
あなたのアバター自慢して!♪
韓国での食事(11月 12日)
(2025-11-15 02:35:31)
楽天写真館
3 日 ( Monday ) の日記 体調 …
(2026-08-03 05:05:39)
© Rakuten Group, Inc.
X
共有
Facebook
Twitter
Google +
LinkedIn
Email
Design
a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧
|
PC版を閲覧
人気ブログランキングへ
無料自動相互リンク
にほんブログ村 女磨き
LOHAS風なアイテム・グッズ
みんなが注目のトレンド情報とは・・・?
So-netトレンドブログ
Livedoor Blog a
Livedoor Blog b
Livedoor Blog c
楽天ブログ
JUGEMブログ
Excitブログ
Seesaaブログ
Seesaaブログ
Googleブログ
なにこれオシャレ?トレンドアイテム情報
みんなの通販市場
無料のオファーでコツコツ稼ぐ方法
無料オファーのアフィリエイトで稼げるASP
ホーム
Hsc
人気ブログランキングへ
その他
Share by: