闘病

闘病


来年の春
私はもういないかも知れないけど…

彼女はそう言ったという
母は泣いていた

命の終わり方はいつだって突然で
あらゆる覚悟もその冷たさには勝てない

小さいころ 姉とふたりで
健康そうに動く彼女のおしりを
象みたいだとわらった

高校のころ 彼女の職場近くの学校へ
毎朝 彼女の車で向かった
寝坊しては 遅刻するってよく叱られた

家族を想うぎりぎりの気力で
流しこんだ薬をもどさないように
彼女は寝転んで小さく息をする

剥き出しの魂で そんなふうに戦われたら
 逝かないでとさえ 残酷で言えない。





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