死別母子家庭…頑張ります!

死別母子家庭…頑張ります!

告知の日。


夫と2人でとても嫌な気持ちになった。
結果を聞きに病院へ向かう。私達と義母と私の父と四人で告知を受けた。
医師が夫と私達に「結果は悪い細胞が見つかった」と告げた。
ここは結構大きな病院だが、ここでは治療できないから転院しなければならない。転院先の病院の説明と治療の説明をしたのち、かなり不自然に
「とむ。さん、胸のレントゲンの写真を撮り忘れていたので行ってきて下さい。」
と夫を追い出す。
もう、誰の目にも不自然なのは明らか。医者はもっと演技力を備えるべき(笑)
夫が場を離れ、改めて家族に説明が始まった。
「結果はすごく悪いものでした。ステージでいうと3。原発は上咽頭だが首のリンパにかなり大きく転移しています。しかも両側。この病気は予後がかなり悪いです。5年生存率は30%」
この時点で夫の母が泣いた。
私は一番最悪のパターンを予想していたはずなのに、さらにそれをうわまる医師の言葉にただ呆然としていた。
そこに不自然さを見抜き、慌てて戻ってきた夫登場。
診察室の外で夫と看護士の声がし、私は義母の涙が許せず、頭で言い訳を考えてた。
夫が乱入し、義母の涙を見ながら
「俺のいない時何話してたんだよ。なんで泣いてんの?」
って夫は動揺している。
そりゃそうだよ。不自然にその場を離れさせられ、慌てて戻ってきてみれば予想的中して家族が医師の話を聞いてるんだもの。
私はあの時は強かった。自分でもあの時の自分を誇れる。
「何慌ててんの。落ち着いて。本人に直接癌告知してすみませんでした。って謝られてたんだよ。本人、しっかりしてるようですし、今はそういう時代なんですって言われてたの。お母さんはそういうことにびっくりしたの。」
あの演技力はアカデミーもんだ。夫は納得した。
結局、後にすべてを知ることになるのだが。
病院からの帰り道、ジャンプして、歩道の屋根にタッチしながら
「俺、死ぬわけ無いよね。こんなに元気なのに。」
という夫に私はとびっきりの笑顔で
「当たり前だよ。治療すればなおるって言ってたんだから頑張ろうね!」
って答えた。
とりあえず、告知の当日だけは強かった私。

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