絵を描こう!!書も持って外に出よう

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2007.10.23
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眼鏡の弦を咥えるのは勝手である

  それを見た私が、

「こ~の野郎、どの外タレの猿真似だ!」

罵倒し、 『あ、何だか癖になっちゃって・・・あは、あはは』

誤魔化す野郎に  「ポーズつけてんじゃね~よ!」

冷静に非難するのも 勝手である。       

みかんの父さん に頂いた折詰め弁当の存在が

安心感を生み、 空腹も忘れさせていた。

食堂を探す必要もない。 どちらにしても、

街道沿いに店を開けている食堂の姿など

見当たらぬ。 あっても酒場の 赤提灯

小1時間かからぬ内に、

国道11号線に辿り着いた。

時刻は8時 を廻っていた。

後はひたすらこの道を辿れば、

郷里の阿波 が待ち受けてくれるだけだ。

『路頭に迷い、 男前 の行き倒れが発見された』

愛媛リビング新聞 の記事に載ることもない。

『所持金1600円の癖に 男前 の行き倒れ』 などと

テレビ愛媛 で放映されることもない。

記事を読んだり、視たりした 愛媛県民 ぷっ

みかんの汁と種 を鼻から噴出されたくない。

もう迷うことは無くなったのだ。

その思いに、伊予山中で猟師に鉄砲で

撃たれたやも知れぬ 首領様にしの君 の安否など

消し飛んでしまった。

狸汁 は美味いんやろか

 ・・・でもちょっと アイツ 臭そうやで・・ ・)

地図 首領様 が持っているという弱点は完全に

解消されたのだ。

街道に時折行き交う車の音も絶えてしまえば

耳に届くは、 ぐぇ~、ぐぇ~、げこげこげこ

ポッポロピ~、シュクシュクト~ゼンショシマスゥ~

と人類言語にはほど遠い 野生の饗宴 。 

視界に入るのは色を消した左右の田畑と、

奥まって黒々と朧な輪郭を描く山並み。

街頭の灯りは頼り無げに、灯りの届かぬ場所の

漆黒を際立たせるだけである。

街道から細い畦道で自宅へ続く農家も

周囲を防風林に囲まれ、密かな人の気配が

洩れる灯りの中に揺れて、団欒を囲むか

娯楽に興じるか、はたまた夜鍋仕事に

勤しむか、畦道の途中で暖か味は消え去る。

そんな農家の佇まいを横目に、

『も~う、いいでしょう』 (3回目)と 東野栄治郎

白いヤギひげをしごきながら、耳元で囁く。

『ほら、そろそろ例のもの、あれですよ、あれ』

走ることに夢中で、折角頂いた弁当を

有難い、有難い と思うばかりで、食べることを

失念していた。走れるだけ走り、テントを張って

その中でゆっくり食べようと決めていた。

道路の傾斜を足に感じるようになった。

そして、ぼんやりと見える道筋の先は

井戸の奥底に見出だすような、 未知の闇に

吸い込まれていくばかりであった。

国道もまた幅員を狭め、この先を進まば、

地獄の鬼 か、 白髪を振り乱した 人食い婆

夜中に包丁を研ぎ始めるぞと

私を脅かし始めるのだ。

安達太良山の山姥 ではあるまいが、

峠の上りは 鬼が潜む。 

闇夜に出てきて、通りかかる人を喰う。

恐るに足りない。力技では私の勝ちだ。

相手は婦女子で、しかも老婆ではないか。

なに、私はと言えば、そんな物の怪に一切の怖れを

持たぬ、凛々しく、あまり非常時に役には立たない 男前

ある以上、 闇に潜む原始への恐怖 などは、女子や子供の

恐れるものであり、 ポパイの様な上腕二等筋を 持つ私

何でも来いの逞しいお兄さんであった。

スーダラ節の歌詞 をば

正確に思い出す作業に集中し、

力を込めて明るく口ずさむ私に

怖れの気持ちなど微塵もなかった。

しかし、しかしだ。 怖れはなくとも、

弁当は有難く頂かなくてはいけない。

もう夜も9時じゃあないか。

食わねば!食わねばなんめ。ははは、食わなければ・・・ぽっ

見えない道筋の先を見てもしようがない。

前を見ない様に、そしていそいそと左右に目を配り、

焦って野営地を探したのだ。

その決心は簡単に報われた。

しつこい男なので、まだ2回位書き足せそうだ。

余分な話に逸れていくのを、意識的にやって

いるような気もする。






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Last updated  2007.10.23 18:09:28
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