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声聞きて 誰かとぞおもふ 草を枕に
【解説】 草を枕の野宿旅にあっては、葉叢の音が人声になり
木立のそよぎが、古の落ち武者の無念のざわめきとなる。
「そ、そこに居るのは誰や、誰かおるんか~、こら!」と
大声で、誰何する語尾も震えがちになるものである。
満たされた食欲で、活発になった 二酸化炭素の生成と 汗の臭い。
これが呼び込むものは、黒白まだらの藪蚊である。
シラス を摘み出す作業に専念しているのをいいことに、
よしお のように、 ウィ~ン と近寄って来ては飛び去る様子が
不愉快な羽音の高さで認識できる。 これでもかとからかうように 耳元を飛び交っては、
テント内で、右から来て左に去り、 顔や四肢の何れかで停止し、 羽音もピタリと止まる。
止まった場所でこそこそと 這い回っては、 『あ、ここ吸い易そうやん』 、とか、
『こいつ、筋肉締まってっけど、ここだけは鍛えることはできんしな』
と勝手な言い草をホザきながら、短パンの奥へ散歩を始める。
いきなりだが、 間寛平氏 は、 土佐宿毛 (すくも)出身である。
縮毛 ではない。 宿毛 だ。 同じ四国内だからといって、
『血ぃ吸うたろか~』 と鼻から喉に抜ける声を出して
私の股間の柔肌を狙う非道振りを許せる筈はないが、
間寛平氏
は失礼ながら オス
ではないか。
オスの蚊は刺さず、草花の甘い蜜を主食にするという習性に、
何故か、
他人ではないという友達意識まで、 この昆虫の オス には感じてしまうのだ。
しかしだ、しかし、その メス は人間の血を吸う。こいつがぁあ、こいつがあ・・・
このメス
豚
蚊が~
私の柔肌 に複雑怪奇な形状の口吻を突き刺し、
自分の唾液を 私の静脈 に注入した代わりに
私の血液 の吸うmgを盗人してけつかると思うと、
も~う許せなかった。 いくら 異性 とは言え、許せなかった。
例え、 阿波のなおみちゃん の前でもデレデレせず、
常に礼儀正しい毅然とした姿勢を崩さなかった私が 、
蚊の 雌 の前で、しかも私の血を吸おうとする メス蚊 に 対し
、 淡い恋心 を抱く筈もなく、 血まみれの復讐 を誓い、
殺気を孕む眼差しで 睨めつけたのだ。
血を吸われたあと赤くはれて痒くなるのは、この メス蚊 の 唾液が、
私の肌にアレルギー反応を起こさしめるためだ。
明日の走行時に、人の目を忍びながら 股間を掻き毟る私 が 居ていい筈がない。
そんな不条理があってはいけない。
股間が腫上がっても、 金
張し
てはいけない。
金
張
にもってするには、 キンチョー
以外にない。
手早く 蚊取り線香安全皿キット KS-1タイプ に
バカボン の頬っぺにあるような 渦巻き型カートリッジ線香 を 装着した。
深緑色 の 鳴門の渦巻き が如何にも除虫菊は強いぞと
主張するかのように、とぐろを巻いていた。
とぐろを巻いているのが、 茶色
でないのがさいわいだ。
ペラペラ幕体とはいえ、外界と遮断されたテントの中で
耳を澄まして、メス蚊の阿鼻叫喚振りを聞く私は笑った。
「フェッヘっへェ~、ヘッヘェ~っだ。」
よしお
のようにクールに笑った。
顔の下からは懐中電灯の電池も乏しい薄灯り。
蚊の不愉快な安眠妨害を怖れる必要は無くたった。
今の私を何者が怖れさせることが出来ようか。
少し開けたままのフラップの中に、 農家の灯り
が今なお 見てとれる。
かと言って、まだまだ灯りが消えては困る。 何故かと問われても、それは言う気はない。
個人情報でもあるからだ。
しかし、尿意の我慢も限界に来ていた。 中で解き放つ訳にはいかない。
「テントの中でしょん○んしておいたけんの」
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と笑いながら、 唇のぶ厚い渡辺君
に返却できるわけが
ない。
農家の覚束ない灯りにだけ目をやり、
いきなりの化け物の出現にも 接して
、決して、漏らさず、
驚かず、
毅然とした対応をしようと決心したのだ。
そのために、落着いて述べるセリフも
しっかりしたものでなくてはならない。
「あ~、私は魚を食わないので、私を食っても
おいしくないですよ。 も~、肉臭くって・・・」
「わたしは、あなたに何の悪意もありません、
むしろあなたが好きです。あなたが、好きでぇーっつ
目を見て下さい
この私の目を、どーです、きれいな目でしょ。」
そして、肉体の水分に栄養を加味した上で、
土壌に還元する最中に、
いきなり後ろから抱き付く化け物に対しては、 尻から一発 大音声のてんしき攻撃 をすれば、
絶対化け物も笑い出すのではないかと考えるに至っては、 私自身一人笑いをしてしまい、
その笑いが残っている間に さっさと、自然の営みをしてしまおうと、 勢いをつけてテントを出た。
足早にテントの反対側に向い、 手早く剥き身を露出して、闇に潜む化け物目掛けて
「喰らえ!」 とばかりに3mの銀の弧を描きだしたのだ。
絞り切り、フンフンと二拍子で振り切ると仕事もほぼ完了。
臍下丹田 に力を入れて、何時でも てんしき弾 を放てる体制で
安全な我が家に戻った。 手を洗うことなど一切頭から締め出していた。
相変わらずフラップに隙間を開けたままにして、
KS-1タイプ
を頭元にセットした。
そして 化け物にてんしき攻撃
という究極のシチュエーションを
思い出ながら、無理やり笑おうと集中することが 効果があったのか、
ぼんやり とした農家の灯りが消える前に、 眠りに落ちることができたのは、
さいわいであった。 恐怖に打ち勝った若き日の私だ。
蚊取り線香で1日分稼いだ。
これで完結なのに、生臭さ記事が多過ぎて… 2009.04.19 コメント(13)
酩酊し、泥酔し、漂泊する政治 2009.03.15 コメント(16)
それでも私は帰ってくるのよ 2009.02.10 コメント(14)