絵を描こう!!書も持って外に出よう

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2007.11.17
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スカターン、スカタン

人を馬鹿にするのもええ加減にしとけよと

おぼろげな頭の中で考えながら目が覚めた。

お向かいさんが雨戸を勢い良く戸袋に押し込んでいる
婆さま が、顔だけはこちらに向けたまま、手馴れた朝の
ルーチンをこなしている。

手元は見なくとも、1分100ワードのオペレータのように
クールに雨戸を横に送り続ける 老婆
目が合った 。見詰め合う二人。
見つめあう恋
【There's A Kind Of Hush】

Herman's Hermits ではなく、 The Carpenters でもなく
当時思いっきり流行っていた曲名ではない。
いきなり出現した、野原のザニーズ風好青年の姿。

その時、いきなり鼻孔の中と喉の奥に
針ネズミでも走り始めたかと思うような痛痒感が走り
肺の中の呼気を一挙に吐き出してしまった。

スカタン と呼ばれて目覚めると同時に、

鼻粘膜の乾燥した引き攣りに気が付いていたが、

次の瞬間に 婆さま と視線を絡み合わせていた。

そして片や、夜な夜な包丁を研ぐ蓬髪の老婆ではなく、

また片や、いきなり地球に黄色い船で舞い降りたエイリアンではなく
美貌の ザニーズ風 好青年。

そしてお互いを確認しあったと同時に、

婆さま は、 女学生 の頃の初恋の君

偶然出くわしたかのように皺だらけの頬を

タンニン酸 のように染めて、羞にかむ風情で

部屋の奥へと逃げ込んだ。手書きハート

テントの中は、 八代亜紀 のスタジオ録画の

ステージのように、足元からもやっていた。

しかし、それはドライアイスの演出効果によるスモークではなく、

燃え尽きた 蚊取り線香安全皿キットSK-1 から発生したものだった。

フラップに隙間を開けていても、換気効果は発揮されずに

2立米ほどの容積の中に、 大日本除虫菊株式会社製

蚊取り線香 6時間をかけて発生させた煙であった。

よくよく考えれば、 私は燻されたのだ 。ハムや鮭でもあるまいに。

それも、桜のチップで燻されたならまだしも、 除虫菊 で燻された。

闇の中の化け物に首を刎ねられることはなかったものの

蚊取り線香 に喉を 燻し切られたのだ。

現代のドーム式テントのように換気口などの文化的改良点など

ある筈もなく、開け放しでもしない限り、内部空気が還流する

わけではないのだ。

この夜までは、毎夜 スプレー式キンチョーる

済ますことができていたが、悪魔のような 首領様にしの君

持ち逃げしていたのだ。

蚊取り線香安全皿キットSK-1 緊急用 であった。

スカタン で目覚めた私を襲ったものは、

100本のタバコを口に咥え、 一挙に火をつけたようなえがらっぽさであった。

連続した咳で、蚊を殺す能力も、 濃度次第 では人間にも有毒であろう。

線香が目にしみる。 【Smoke gets in your eyes.】

確かに 煙が目に沁みた プラターズ 蚊取り線香 を知っていたか

どうかは考察できなかった。何故ならようやく咳き込みが納まり

雨戸を全開にした窓に、 鈴なりになって、こちらを見ている農家の一族

涙で咽ぶ目に入ったからだ。

私を何者だと思って見ていたのか判らないが、

突然、野原に現れた ザニーズ の歌って踊れる チンドン小僧 か、

越後の角兵衛獅子 かと考えたのは想像に難くない。

奥へ逃げた婆さまが、 タレント が野原に居ると

家族中に触れ回ったに違いない。

ふと、思い当たったのは、この野原がひょっとして

この農家の敷地 ではないかということであった。

焦ったのだ。 焦った私は取りも直さず、テェーシャツを引き被り

今だこちらを見やる一族の視線 を黙殺して、外に出た。

腰を低く保ったまま手早く支柱を外し、テント幕体を地面に広げ、

何よりも 3D立体型 の印象を薄めて、 2D平面 にしようとした。

最終的に婆さまの目の錯覚だと思わせたかったのだ。

緑の休耕畑に広がった単に毛色の違った 黄色い雑草 として

認識させようという意図であった。

『婆あば、てごうとったらいけんぞな、目の錯覚じゃろが。

誰っちゃおれへんわい。あすこの草の色が

きない(黄色い)のは 夏みかんの皮じゃろが。』

(婆さん、からかってたらいけないよ。目の錯覚だろう?
誰も居ないよ。あそこの草の色が黄色いのは、夏みかんの皮だよ)

『なんちゃ、うちは嘘言うとれへんが~、

もー、はがいたらし~な』
(何も、わたしは嘘は言ってないよ、も~、歯痒いな~)

という経過を辿ってほしかったのだ。

そしてそのからくりに家族一同引っ掛かっている間に、

こそこそと逃げ去ろうとしていたのだ。







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Last updated  2007.11.18 01:10:22
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