絵を描こう!!書も持って外に出よう

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2007.12.11
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 朝まだき  山かげの背ぞ  陽の温む

【解説】 朝というにはまだ早い時刻で、黒々とした山陰の背だけが、

      僅かな陽光で暖められているものよのう

ブログ開設1周年記念ひとり俳句大会 特典特賞作品より

「あーすんましぇん、自転車がパンクしてしもて・・・」

機先を制して、奇襲攻撃をかけた 私が近寄ってくるのを、

電線雀のように縁側に並んで

待ち構えている一家の と思しき中年人に話かけた。

『あゝ、うちの畑じゃけんど』

婆さま が答えた。

はむっつりと黙って、私を凝視したままだ。

坊主頭の小学生が私を見上げたまま、その足を使って

ポールダンス をしている。

「すんましぇん、勝手入り込んでしもて・・・

「パンクで先に進めんようになったもんじゃけん」 星

私は時系列を二つほど入れ替えて説明した。 ぺろり

咄嗟の戦略であった。 突然のパンク発見という災難を上手に利用したのだ。

そんな不利な状況を素早く有利に展開させる技を見て、

人は、私を 小池元防衛ファッション大臣 突発 辞任戦略 の男版だと謗る。

こう書くと、訪問された方の中には、ああ、また偏見に基づく政治ネタが

始まるのかと嘆息が聞こえそうである。

しかし今回はその裏をかき別の機会に譲りたい。大笑い

(タイミングを逸するのは残念であるが、書けば文字制限にかかる)

『はあ、パンクしよったんじゃ?ほら困ったもんじゃ』

『ほれ見てみぃ。ほやけん、うちが言うとらぃ・・・

あんな、この子な、ゆんべ石でもくせたろかい言うてな・・・

ほんないじくされよばんのよって、うちが言うたんよ。』

(それでね、この子が夕べ、石でも投げつけてやろうかって言うから・・・

そんな意地悪な事を言わないでおきなさいと私が言ったのよ)

『ほやって、あやしいやつが勝手にうちの畑で

うろうろしとったら、 そない思うじゃろが』

が不満そうに答えたが、 すでに警戒が解けた口調に変わっていた。

訳が飲み込めた農家一族は一気に饒舌になった。

私の戦略勝ちである。 ほくそえみながら、止めを刺した。 大笑い

「心配おかけして、ほんまにすんましぇん」

『かんまんよ、ほんで何処までいぬるんぞ?』

(構わないよ、それで何処まで帰るの?)

「今日中に徳島までいぬんですけど」

『ほうかな~ 徳島までいぬんじゃ・・・』

(そうなんだ~、徳島まで帰るんだ)

『ほじゃけんど、パンクしてもたらだちまかんのう。』

(しかしパンクしたんだったら埒があかないね)

『このねきは自転車屋はひとっちゃ無いけんのぅえ』

(この近所は、自転車屋は全然無いからねえ・・・)

『○○町に下ればの、○○にはあろうが』

『あゝほうじゃ、ほうじゃ、このまま一山越えたらの、次の村の

とばにあるが、こまこうに言わんでもわかるけぇ』

坂はえらいけどのぅえ』 大笑い

(ああ、そうだそうだ、このまま国道を進んだら、次の村のとば口に

あるけど、細かく言わなくてもわかるから。坂道はつらいけどね)

まだ朝7時前・・・ 阿波徳島 までの距離約 180km 号泣

休まず走り続けても9時間余り。

途中の険しい高低を 差し引いても厳しい行程だ。

最も肯定したくない行程。 ぺろり

厳しい行程に先立つ、愛車のケツ押し、自転車店を探し、

パンク修理という、考えたくもない無益な時間。

「ほな、探しもって行ってみますわ。」

一時も無駄に過ごせない事情がじんわりと肉体に沁みこんできた。

『おう、早ういなんと暮れてまうわぃ』

(おお、早く帰らないと日が暮れてしまうよね)

テントの傍らで、闇に向かって銀色の飛沫を飛ばしたことは伏せた。

しかし、彼らは私が夜テントを張ったのを知っていたのだ。

息子が石を投げつけてやろうかと言ってたという。

してみると、彼らは私が闇に潜む魑魅魍魎の類に向かって

抜き身で3mの放物線を描き出す技も眺めていたのかもしれない。 ぽっ

妖怪に向かって、てんしき攻撃を備え、括約筋を激しく調節する様も

目撃したのかも知れない。 ぽっ

そんなわけで、
私は早く逃げ去りたい思いを抱えながらも

ヘコヘコと米搗きバッタのように頭を下げ

沈み込む後輪を苦労して持ち上げながら、畑から押し出していた。

国道に出て尚も振り返っては、ハンドルに覆い被さるような姿勢で

登りにかかった。

坂道を押しながら歩を進めれば、

パンクをした後輪にぶら下げた荷物が進行の邪魔をする。

早くも額から這い落ちる雫が、 彫りの深い 眼窩に流れ込む

不愉快さに、音を上げ始めた。

昨夜の闇は跡形もなく、潜んでいた妖怪に魑魅魍魎も

路傍の隅々まで行き渡る陽光を怖れて森の中に逃げ去った。

着の身着のまま、パンクで空気が抜けたように精気も抜けて

妖怪に勝ち名乗りを上げる気分も失せ、よろよろと

鬼婆の 去った峠道 を這い登っていた。








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Last updated  2007.12.12 00:15:12
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