はっぴぃ★ぶ~け

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『ミス・サイゴン』

『ミス・サイゴン』観劇報告

2004年9月18日 帝国劇場

主な配役
エンジニア:橋本さとし キム:新妻聖子 クリス:井上芳雄 ジョン:岡幸二郎 エレン:高橋由美子 トゥイ:泉見洋平 他
*ストーリー*
ベトナム戦争下、陥落直前のサイゴン。通称エンジニアが、アメリカのGIたちをキャバレーに呼び込んでいる。 男たちはキャバレーの女たち相手に、『ミス・サイゴン』選びに夢中。キムは17歳、この夜が初めてのお勤めだった。 爆撃で村を焼かれ、両親を惨殺されて、生き抜くためには身を売るしかなかったのだ。悲壮な決意で店に出たキムは、 若きGIクリスに引き合わされる。
一度は本国に帰ったものの、激しい反戦感情から逃げるようにサイゴンに戻ってきたクリス。今は大使館で運転手をしている。 しかし戦争に対する疑問と虚無感は拭いきれない。
一夜を共にしたキムとクリスは、お互いの心に救いを見出し、急速に惹かれあっていく。「一緒に暮らそう」。 キャバレーの女たちの祝福を受けて、かりそめの結婚式を挙げる二人。そこにキムの許婚と名乗るトゥイが現れ、GIと共にいる キムに怒りを爆発させる。いっそう絆を深めた二人。しかし状況は刻一刻と緊迫して行き、サイゴン陥落の時が迫っていた。

陥落から3年後、街はホー・チ・ミンと名を変えていた。エンジニアはアメリカに渡る夢を抱き、キムはクリスを待ちわびている。 そしてアメリカでは、クリスが毎夜、ベトナムの悪夢にうなされていた。その傍らには、心を閉ざす夫に胸を痛める妻エレンが佇んでいた。やっとキムを探し当てたトゥイは、彼女がクリスとの息子タムを育てていることを知って愕然とする。逆上してタムを殺そうとするトゥイを、 キムは射殺してしまう。その拳銃は、サイゴン陥落の日、クリスが残していったものだった。キムはエンジニアに救いを求めた。 アメリカ人の血が流れるタムをパスポート代わりにと考えたエンジニアは、二人を連れてバンコクへ流れていく。

クリスのベトナムでの戦友ジョンは、アメリカ兵とベトナム女性との私生児ブイ・ドイを、アメリカに呼び寄せる組織を運営している。 彼から、キムがバンコクで自分の息子を育てていることを知ったクリスは、妻と共にバンコクを訪れる決意をする。

キムとエンジニアは安キャバレーで働いていた。ジョンからクリスがバンコクにいることを聞かされたキムは喜びに満ち溢れる。そんな キムの心に、自分が殺したトゥイの亡霊と共に、3年前のサイゴン陥落の悪夢がよみがえってくる。

サイゴン陥落の日。混乱と喧騒の中、クリスは身分の証として拳銃をキムに渡し、大使館での再開を約束して基地に向かった。 しかし殺気立った群集に阻まれ、二人はお互いを見つけ出すことが出来ない。轟音と共に最後のヘリコプターが到着し、 ジョンはキムの名を呼び続けるクリスを引きずるようにしてヘリコプターに乗せたのだった。

クリスとの再会を待ちきれないキムはホテルに走った。しかしそこで出会ったのはクリスの妻エレン。「彼は出直したかった」とアメリカでのクリスの 苦しみを説明するエレンに、「せめてタムを引き取って欲しい」と言い残して、キムは去っていく。妻からその話を聞いたクリスは、経緯を妻に語る決意をした。 タムはクリス夫妻に引き取られることになった。二人にタムの将来を託したキムは、その夜自らの命を絶つのだった。

*感想*

名曲が多いです。泣かされます、曲に。また、キャバレーが舞台だったりして、女性陣のこれでもかと言うきわどい歌詞や衣装(てか、ビキニ・・)が、迫力。 観るまで忘れていましたが、私の号泣曲「I'd give my life for you」は1幕のラストのナンバーなんですね。号泣して顔がくしゃくしゃ状態のまま 客電が入ってしまうと言う(苦笑)日記にも書きましたが、日本語訳詞が、ちょっと違和感ありですね・・・仕方ないんでしょうけど。
キャスト別に見ますと、まず、エンジニア。橋本さとしさん。軽そうで変わり身の早そうな、それでいて濃い感じで良かったです。ただ、彼の一番のナンバー(と 私は思っている)「American Dream」は、もっと壊れてても良かったかな、ちょっと素になりそうなところがちらほらと。
キムの新妻さんは、声が好みです。レミゼでもエポニーヌされたとか。新妻さんの「On My Own」は、聞いてみたいです。小柄で、クリスやジョンがすごく巨大に見えて、 いかにもアジア人とアメリカ人、みたいな対比が良かったかな。
クリスの井上さん。ミュージカルファンならご存知の方も多いかと思いますが、「エリザベート」でルドルフなどされていますね。好き嫌いで分けたら私の好みでは ないんですが。でも新妻さんとも、エレン役の高橋さんとも並びは綺麗でした。
ジョンの岡さん。いや、もっとでっかい人のイメージが強かったんですけどねぇ?井上さんも小さいほうじゃないので、すごく大きいなって感じはしませんでした。 そして、私の愛したアンジョルラス役をされていた頃より・・・年季がね・・・入られまして・・ええ、貫禄はありました、はい。
エレンの高橋さん。正直なところ、あんまり期待はしてなかったんですよ。でも、声もきちんと出ていて、健気な妻役がお似合いでした。すっごく細くて、 つついたら折れそうです。でもキムと出会って混乱し動揺しつつも芯のしっかりした女性像がその細い身体とは対称的で良かったと思います。

いい作品だと思います。今度は違うキャストで見たいかな。エンジニア市村さんとかで。皆様も機会がありましたら是非どうぞ。



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