日本語はダメか2

日本語はダメか2

2008.09.22
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V.A.V.A.『素顔のままで(ビリー・ジョエル)(オルゴール)』



 以下の記事は、小生がかかわっている文芸同人誌のHPに掲載される予定のものの一部であります。




 古今和歌集の仮名序には、以下のようなことが書かれています。

 やまとうたは、ひとのこころをたねとして、よろづのことのはとぞなれりける。世中にある人、こと、わざ、しげきものなれば、心におもふことを、見るもの、きくものにつけて、いひいだせるなり。花になくうぐひす、水にすむかはづのこゑをきけば、いきとしいけるもの、いづれかうたをよまざりける。ちからをもいれずして、あめつちをうごかし、めに見えぬおに神をもあはれとおもはせ、をとこ(男)をむな(女)のなかをもやはらげ、たけきもののふの心をもなぐさむるは、うたなり。

手書きハート我らの先輩は、良いことを言ってくれました。「やまとうた」を「散文」あるいは「小説」「エッセイ」と置き換えれば、今の世にも十分に通じるものでしょう。
 1000年2000年で、ヒトのココロがそう変わってしまうものではありません。
 思うこと、感じることはそのままでしょう。

 人と人の間に生きていれば、何かとまあ「事」や「わざ=日々の苦労」が多い。見るもの聞くものが増えていく。そのたびに「人の心を種として」滝のように、激流のように沸いてくる「思い」「言葉」「文字」。
あっ、いい女。あれっ、いい男。あっ、夕焼けがきれい、蟻が蝉の羽を引っ張っていく……。
 愛しい、恋しい、感動した、悔しい、裏切られた、嬉しかった、電車の中で化粧などするな、それは恥ずかしいところを人前で見せているような……などの思いが胸の中をかき回す。
 そういう「生きた感情」を持たないヒトが、この世に存在するでしょうか。
 生きた感情に揺すぶられれば、誰かに喋りたくなる、メールを送りたくなる……。

「俄」の会では、


 仮名序にはまた、以下のような歌を掲げられています。

 わがこひはよむともつきじありそ(荒磯)うみのはまのまさご(浜の真砂)はよみつくすとも

は、吐きだしても吐きだしても吐き出しきれない。書いても書いても書ききれない。浜辺の砂などは数え上げることが出来たとしても、ココロの奥のこの思いは、途絶えることがない。

 講師(teokure9753)は「書くことは恋することだ」とよく口にします。
 もう一人の自分に、あるいは、題材上の恋人に、あるいは現実の愛しい人に向けて思いを綴る……。
 そして、読む人もまた<恋人>である、と。

 書き出せない?
 では、自分宛に手紙を書きましょう。日頃の思いを込めて。
 10行書けば50行書きたくなってきます。50行書けば……。
 あなたの作業の始まりです!! 相手に伝えたい、と言う思いが強ければ強いほど、胸の奥に眠っていたものが言葉を求めて駆け上がって来ます! 時には、思いが強まるごとに「誇張」「虚構」「うそ」が混じって働こうとします。
 これらは「想像力」という言い方でまとめれば無難ですが、講師は「うその効用」などと表現します。

 さらにまた「題材と文章」と講師は口角泡を飛ばして言います。
「題材と文章がぴったり合わないと、作品は生きてこない。平べったいままだ。題材がいかに良くても、文章がダメでは読まれない。『題材と文章』は男と女。女と男。文章だけがいい、などというのはあり得ない。単純に『うまい』文章などは追求しなこと」と。

さあ、あなたの中に眠っている「思い」を「ことのは」に乗せましょう、託しましょう。

 書いて提出しましょう。どのような評価が与えられるか、講師の朱を楽しみにしましょう。





「折々の歌」の著者・大岡信さんも次のような発言をしている(NEC WISDOM)。

 ──詩歌の背景にある思いや感情は、例えば万葉の時代と今日とでは大きく変化していると思われますか?
大岡  人間は悲しい状態に陥るということが常にあり、そうするとその悲しみについて歌うわけですね。しかし、歌の中で悲しみの原因に言及することはまずありません。それを言うことは恥ですからね。だから、読み手は悲しみの原因を想像してみるしかないのです。原因は組織にあるかもしれないし、家族にあるかもしれない。それは分かりません。

 ただ確かなのは、歌で表現されている本質的なものは、『万葉集』の時代から今日まで少しも変わらないということです。人間の本質とは、そうそう変わるものではないのです。



怒涛のようなメール、土石流のような送信ばかりを眺めていないで、書きたい人よ、さあ、書きたい人は、一行を書き始めましょう。





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最終更新日  2008.09.22 19:30:43
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