日本語はダメか2

日本語はダメか2

2010.08.16
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 それが、エッセイ、童話、小説というものでしょう。文字がどのような主をもって組み合わされ、どのようなイメージを喚起し、どのような読後感を生み出すか。

 書き手は常に「自分の努力」を評価してもらおうとする傾向がある。「努力」と「出来上がり」はまったく別の物であるのに。


 ある生徒さんの作品のIT上添削。その批評。
 筆者は女性。主人公の男性。その目線で書いている。
(この文章に目を通される方は、粗筋が読み取れないでしょう。相済みません。)



「海から生まれた娘」「海から生まれたエミ」

「風を奏でる」「ピアノ(女友達)」

(返信では、このことにもまったく触れないで、「そんなにひどい作品を送りましたか!」というメール。さらに、「書いているのに、先生は行間が読めない」とメール。)




どちらの作品も印象が濁っている。読後感が悪い。
 人物が書けていないから、筋だけが空回りしている。

「海から……」の方は少しわかりやすいが、でも、背筋が一本通っていない感じ。何が言いたかったのか。
「月の母屋」「月の産屋」と混じっている!!!

 エミに手が出せないから(なぜ?)近くの女を抱く、などというところが唐突。描写も流れも。
 そんなに簡単なこと?
 そんな大事なことが、必然性も展開も無視されて、思いつきの上塗りで書かれている。




もう一つの作品も、思いつきの連続のようで、何が書きたかったのか、まったく読み取れない。
 表面の泡だけをいじくり回しているだけで、その下の方へ作者の「思い」「哲学」が及んでいない。
 書き出しの部分も、早苗の出現は何も書かれていないのに、中庭の温室へ<二人>で入っていく……。
 そこでどんなことが? ただ思わせぶりな書き方。「描写」になっていない。


 どちらの作品も、二人の女が出て来て、その間で揺れる男、という構図のようだ。
 それはそれでいい。
 あるいは、文学に取っては重要な主題。

が、描写が浅いから、ただひょろひょろ、ふらふらしているという風にしか読めない。そう受け取られてしまう。自分の思い通りにならない、と男がじたばたしているだけのわがままな心を持てあましているような印象(それならそれで小説になる! ちゃんと書けば!)。
 男の気持ちはほとんど書かれていない。
「その場」「その場」の描写が浅いから、それらが絡まり重なって書かれていないから、結局、最終まで行っても、女と男の関係、ひいては全体の姿が豊かに現れて来ない。 
 ストーリーがストーリーとして成り立つのは、「その場」「その場」の描写の積み重ねがあればこそ。

 お話を進める<筆力><思い>はあるのだが、構成する力が弱い。「その場」「その場」の描写が弱い。それは「これを書きたい」としっかり固まっていないから。

 主人公・努の早苗と深緒への気持ちが全くと言って良いほど書かれていない、分からない。そして、二人の女の気持ちも。
 ただ「やりたい」だけ? 
 それならそれでまた小説になる。ただし、相手のいること。女の思いが絡んでくる。
 それが面倒ならカネで女を買いに行けばいい。

 中途半端なベッドシーンの描写。その前に、深緒(みお)の部屋へ簡単に入っていってしまう。そこも書かれていない。
 その後、朝の5時頃、ライバル、というか、努が好きだったのは早苗、その早苗に電話している深緒(みお)のシーンも、よく分からない(うまく書ければ面白いのだが)。

 女と男の(心の)せめぎ合い=だまし合い=かけ引き=アンヴィバレンツ=愛憎=ドラマ=題材・文章・構成が浅すぎる文章。

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最終更新日  2010.08.16 22:41:13 コメントを書く


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