コンセント、入っていますか?

コンセント、入っていますか?

2025.06.04
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おはこんばんちは。

2025/6/1は朝一時半に起床し、朝食を摂ってから車で渋温泉を出発。

30分ほどで渋峠へ。

気温3℃。風雨強い。それに雲の中なので何も見えない。これ、自転車で走れるのかね?

草津へ降って駐車場へIN。

自転車を下ろして車検を済ませスタート待機列に並べると、最前列から3列目。

なかなかよいポジションを得られた。こういうのはヤル気順なんだよ。

実際のスタートまで小一時間あるので、片付けしたり電子機器のセットアップしたり。

スタート地点に戻ると、150人くらいは集まっている。



奇遇なことに小径車に乗る夫妻と並んだ。小径車がスタートで3台も並ぶのは滅多にないこと。

ワタクシのブログを読んでいますよぉ と声をかけて頂きました。案外このブログを読んでいる方、多いのよね。

今回は特にカウントダウンもなく5:30にスタート。


スタート(草津スキー場)-CP1(野尻湖) 往復54km

The PEAKSはスタートからみなさんゆっくり目。

猪突猛進なワタクシはスタートダッシュに他ならない。

ガシガシ漕いで前に出る。

下り基調なはずだが、そこそこ登らされてから下るので踏んでばかりのイメージ。

位置エネルギーをうまく利用したいが、道が狭く車速を殺される。

スタートから16kmほどの六会診療所まで下ってからは野反湖まで登り。

登り始めは良かったが、標高が上がると霧雨から小雨。そして普通に雨となり、周囲はガスがかかって真っ白。

道端に残雪が見えるようになった。車体に取り付けた時刻表には標高1500mほどとメモしてある。



塩おにぎりを食べようとするが手が悴んで食べられない。気温7℃と寒いよ。

温かい飲み物もなく冷たいアクエリアスでおにぎりを流し込み、ウインドブレーカーを着込んで出発。

下りは地獄のような寒さで歯の根があわない。

寒さに凍えながら六会診療所からの上りでようやくウインドブレーカーを脱ぎ、上りで身体を温める。

CP2である草津スキー場に戻り、温かい味噌汁と塩おにぎりで補給。生き返る。




CP2(草津スキー場) - CP3(高山村役場)42km

スタート地点にもなっているCP2 草津スキー場で補給を終えたらさっさと再開。

ここからは走り慣れた白根山への道。

殺生河原を過ぎたあたりで脚の合う二人と三両編成トレインを組む。

先頭を引く方は明らかにワタクシよりもパワフル。

というかママチャリ並みに重いモールトンに乗るワタクシがどう頑張っても登坂路ではついていくだけがやっとだ。

見晴台あたりから風が強まり、下ハン握って耐える。強風のなかも先頭を引きづけるのだからスゲー。

というか風除けにさせてもらい、ついていくだけでワタクシはやっとだ。

ワタクシの後ろにいる方も毎回参加されるベテラン。

この3人でグイグイ上っていき、他の参加者を次々と追い抜いていく。

かなり苦しいが白根山を通過し、スタートから67kmほどの簡易ASに3人で到着。

飲み物だけを補給し、ウインドブレーカーを着込んで出発。

先頭を引いていた方はあっという間に視界から消えてしまった。もう一人の方と一緒に走る。

万座温泉スキー場側へ下ってからは、群馬県と長野県の県境まで上り。

今度はワタクシが二両編成を引いて上る。

先頭を引くと後ろの呼吸がわかる。ちなみにワタクシの半分くらいの間隔なので余裕あるなぁと。肩書き通り驚異的な心肺持久力である。

ワタクシは心拍数140bpm前後なのだが、重い自転車で上りなのでスタンディングでペダルを踏み切れず脚がきつい。

しばらくすると県境の標識が見えた。

もうすぐ峠だと声をかけたが返事がない。

こちらも苦しいが、向こうも苦しいのか。

下りになってからはスリップしないように慎重に走る。

先方を走る方に追いついたが無理に抜かさず様子を見ていると、その方がブレーキをロックさせてしまいヘアピンカーブでオーバーラン。

幸い路肩手前で向きを変えられたからよかったが、次は自分かもしれないと気を付ける。

気をつけたいが雨に濡れて身体が硬くなっているのだから無理がある。

それでもディスクブレーキ化したモールトンは下りで安定の制動力を発揮。ということはディスクローターとブレーキパッドが減るんだけれど。

CP3の高山村役場にオンスケジュールで到着。やった!巻き返した。

だが、身体が冷え切ってしまい震えが止まらない。

温かい汁物などがなく冷たいおにぎりを2つ食べる。なんでカレーと豚汁がないんねん。

地面に座るとお尻が温かい。

スタッフがエマージェンシーシートをかけてくれた。

うーむ。これじゃ遭難者だよ。

スタッフ曰く、このCP3を出発したのはまだ7人しかいないそうだ。

だってワタクシのスケジュールでオンタイムだ。これ本当にみんな時間内にゴールできるのか?

参加者からは上りでウェアを乾かすしかないと力のない声が聞こえる。

そりゃそうだ。さっさとウインドブレーカーを脱いで出発。

CP3 (高山村役場) - 渋峠 33km

だが、まるで力が入らない。

どちらかというとお腹に力がはいらない。これは補給不足だわ。

といってももう登り返している。

斜度10%前後の上り坂が延々と続く。

追い抜いていく参加者からは、この坂は長いんですよねぇと声をかけられる。

うん、知っている。

心拍数が下がっているので頑張ろうとすると脚が攣りそうになる。

あ、これはミネラル不足である。寒いからと岩塩タブレットを持参しなかった己を激しく悔やむ。

脚が攣りそうなのでインナーローで回していても力のないペダリング。おかしい。意識はしっかりしているのに。

カフェイン投入忘れで実は身体が眠りたがっているのだ。

次々にワタクシをパスしていく参加者達が声をかけてくれるが、力のない返事しかできない。

時刻表からズルズルと遅れていく。まずい。実にまずい。

一旦、路肩に避けてポケットに入れていた補給食をもぐもぐ。

するとスタート地点で一緒だった小径車乗りのご夫婦が車で通りかかった。

「モールトンさーん」

聞けば野反湖から戻ったところでリタイヤしたらしい。

応援で力を分けてもらい万座三叉路に到着するころには気温6℃と寒い。ウインドブレーカーを着込むがウェアがびしょびしょなので濡れたビニールが寒いだけ。

安全をみて草津スキー場へリタイヤするという迷いなぞなく渋峠へ向かう。

雨と風が強い。こりゃまずい。16:20がゴール門限だが、間に合いそうにない。

しばらく走っていると下ってくる参加者が現れ始めた。

うそ。もうゴールへ向かうの?

ひょっとしてCP4の制限時刻が16:20だったのかな?

それとも、この悪天候でCP4やめて渋峠で折り返しになったのか?

どんだけの参加者が標高2000mを越えた道を風雨にさらされて走るんかい。こりゃ低体温症になるぞ。

するとスタッフカーが追いついた。ゴールの制限時刻を問うと16:20で間違いない。慈悲もなにもない。

そしてスタッフカーはぶーんと雲の中で消えていってしまった。

すると今度は高山村まで一緒に走った方が下ってきた。

「リタイヤするー」

とあっという間のスライドだった。

次に下ってきた方は止まってくださり

「これ以上は風雨ひどく走れず。自分は手が不自由なところあるから無理せず下ります」と。

「正しい判断だと思います」と返して別れた。

雪の回廊まで来るといよいよまずい天気になった。

時刻は15時前で残り1時間20分。CP4まで下って登り返し、草津スキー場のゴールまでの35kmもあるから間に合わない。

初めてリタイヤという文字が見えた。

それでも渋峠までは進めてみる。



震えながら雪の回廊で記念撮影。余裕あるね。

そして日本国道最高地点。



スタートから129km地点。ここでリタイヤ宣言。まさかのThe peaksでリタイヤするとは思ってもみなかった。

ツイートしていると別の参加者が止まった。

「これ以上走るの無理ですよねぇ。家族のこと考えたらここで引き返します」

と実に全くその通りなことをおっしゃっていた。

しかし、その間にもまた別の参加者達が目の前を通過し、PC4平床駐車場へ向かっていく。

ワタクシは渋峠ホテルまで行って折り返すと伝えて出発。

渋峠ホテルなら熱々のコーヒーにカレーライスを食べられるからだ。

何もオフィシャルのエイドステーションが全てではない。

しかし、そんな想いは打ち砕かれた。渋峠ホテルは本日の営業を終了しましたとCLOSEされている。

え、まだ15時前だよ。

他にも5,6人の参加者がホテルの軒下にいて仲間の救援を呼ぶ者もいれば、身内の救援車に自転車を積み込み始めるものもいる。

そうだよね。この風雨、ここでリタイヤして下るにしたって寒さできついよ。

スマホで連絡すると同行のGさんはゴール地点にいる。そこから渋峠ホテルまで車で30分というところか。

30分も標高2000m以上の地点で黙って耐えるのはきついので自走で下山。

脳内でエンディングテーマが流れる・・・ なんてことはなく、寒過ぎてモームリ。

悴んでブレーキレバー握るの辛い。でも減速しないと曲がれない。

標高が下がると雨風も止んでウェアが乾き始める。

スキー場まで下りって来ると生きて帰って来れた・・・ と喝采した。

寒過ぎてゴールなどに飛び込むことはできず、駐車場直行。

Gさんに暖房全開にしてもらった車内で濡れたウェアを脱いで着替える。

ゴール地点まで歩いて行ってオフィシャルにリタイヤを告げる。特にそういう必要はなかったのでがっくり。

名物のカレーも味がしないのはリタイヤの悔しさのせいか。

それでも500人(らしい)の参加者のうち、6人が制限時間内ゴールを果たしたという。

完走率2%未満だよ。スゲー。


ふりかえり

さて、The PEAKSラウンド17渋峠は、129km/164km DNF(Did Not Finish)で終わった。

今回の敗因は自身の慢心に他ならない。

心の隙というのは、

・GWの日本縦断完走でウカれていたこと
・直近までFTPが最高値に近い値だったこと

これらがあって、The PEAKSはいつも通り走ればよいだろう・・ と思うフシがあった。

また、直接的な敗因は準備不足としか言いようがない。

・レインウェアを持参しなかったため、下りの寒さで思うように走れなかった
・補給計画していなかったため、エネルギー不足によりパワーダウンを招いた
・岩塩タブレットを持参しなかったため、脚つって踏めず
・カフェインを摂取しなかったため午前10時前後の眠気のピークでパワーダウン

日本縦断の時はこれら全て備えていたからこそ完走できた。しかし、今回のThe PEAKSは準備すらしていなかった。悪天候だとかコース難易度最高だとか言い訳はできるかもしれないが、完走者が1%でもいるなら、その中に入れるように準備すべきだった。

備えよ常に。

ボーイスカウトで言われ続けたが、そもそも備えていないから達成できない。そりゃそうだ。

そんなことを宿へ戻る車の中で思っていた。

The PEAKSのリタイヤは通算3回目。途中不参加もあったが1回目から出場しているので今回完走し、次のラウンド18を完走すればダイアモンドキングになるはずだったが、一歩遠のいた。

同じ過ちは繰り返さないよう備えておこう。

ほいじゃーの。





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最終更新日  2025.06.04 05:12:47
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