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陽炎の向こう側 浅井 キラリ
《前作》 この空の下で 1
「あなた、もう10時よ。まだ寝ているの?いくらお休みでももう起きたら。」
弘子は、夫の書斎のドアを開けた。
夫は、家で仕事をして遅くなると書斎で寝てしまうことがしばしばあった。
次の瞬間、弘子は言葉を飲んだ。
顔から血の気が失せていくのを感じた。
そして、その場に崩れ落ち、座り込んでしまった。
冬の朝に照らされた夫の寝顔の安らかそうな表情。
しかし、凍っているようだ。
布団に赤いものが見えた。
「死んでいる。」
枕元に走り書きのメモがあった。
ただ、『すまない』と。
彩子は、借りてきた『ラブアクチュアリー』のビデオを観ていた。
その中で、友達の恋人を好きになった男が彼女たちの結婚式でビデオを撮った。
でも、映っているのは花嫁の姿だけ。
それを彼女に観られてしまったこの男が彼女に、「君への思いを抑えるために撮ったんだ。」と告げた。
その時、遠い時間の向こうで彩子をカメラで追っている彼の姿を思い出した。
15年前、彩子が24歳の時だった。
森川彩子は、大学を卒業して一部上場の機械メーカーの輸出課に勤めていた。
まさにバブル経済崩壊前夜。
売り手市場と言われた最後の世代。
彩子も数社からオファーをもらった。
大学での専攻が英文科だったので英語が使える仕事ができればとこの会社を選んだ。
会社に入り立ての頃は、輸出関係の書類の作成や書類の流れなど仕事で覚えることもあったが、一段落した頃にふと疑問を持ち始めた。
「毎日毎日、時間に追われて書類を作って、でもそれっていずれゴミになるのよね。」少しむなしさを覚えた。
キーボードの打ちすぎで腕が腱鞘炎になってしまった時、ますます彩子の仕事への熱意が薄れていってしまった。
時々、ヨーロッパなど各国にある子会社から送られてくるセールスレポートの翻訳や、海外から出張してくる外人のアテンドをすることもあったが、やりがいを感じられなくなっていた仕事に無理にやりがいを見いだそうとした彩子は体調を崩してしまい、女性専用のクリニックに会社の帰りに通うようになった。そんな生活を半年ほど続けた。
残業が終わって外に出ると、鉛の錘でも付けられたように体も心も重くなる。
これが社会人になったってことなのかな。ここで会社を辞めるなんて自分に負けるってことじゃない。いつも同じ疑問を自分に投げつけていた。
「残業して体を壊して、やりがいも感じられなくて。限界かな。少し休もう。」
REST
彩子は、会社を辞めることにした。敗北感を感じずにはいられなかった。
同じ大学の友人たちは着々と会社や組織の中に自分の“場所”を作っていっていた。
上司は突然の辞表に驚いたようだった。彩子は机に向かいながらも半年間考えて出した答えだった。
やめる直前、上司が、「実は、男子社員と同じ仕事をやってもらおうかと考えていたんだ。」そんな上司の言葉もむなしく聞こえるだけだった。
たとえ仕事が変わったとしても今の彩子には会社にとどまる理由にはならなかった。
それは彩子自身の問題だったからだ。自分はどんな仕事をしていくのか、明確なビジョンを持って就職したわけではなかったからだ。
ただ、英語を使える仕事ができればとぐらいにしか考えていなかった。
ただ、心の中で引っかかっている仕事はあった。
母親が、彩子が中学で英語を習い始めた時、彩子に「翻訳って仕事もあるのよ。家ででもできるし、一生やろうと思えばできるのよ。女性にはいい仕事じゃない?」と言ったことがあった。
母親自身、結婚してからも独自で英語の勉強をしていた。
彩子がまだ小学生になった頃だったろうか、「英語の学校があるんだけど、一ヶ月そこでお泊まりして、英語だけしかしゃべっちゃいけないの。そんなところにお母さん行ってもいいかな?もし、お兄ちゃんと彩子が言ってもいいって言ったら行きたいんだけど。」
母の気持ちをくむほどの年齢になっていなかった彩子は自分の気持ちのままいやだと答えた。
同じ女性として、今、振り返ると母の生きたい道の一つを諦めさせてしまったのかもしれない。
彩子は、疲れた体と心を休めるため、会社を辞めた。
そう自分で理由付けすることで自分に対する敗北感から解放されようとしていた。
久しぶりに時間の束縛から解放された朝。
ゆっくり採る朝食。
見ることのなかった朝のワイドショー番組。
母親が掛ける掃除機の音。
窓の外から入ってくる軽い春風。
でも、三日もたつと体がむずむずしてきた。
元々じっとしていられる性分でもなく、社会との接点をなくすのも嫌だったので、心身のリハビリしながらもっと広く社会を見てみようと考えた。
自分でする転勤ぐらいに考えることにした。
『余りハードな仕事ではなく楽に流せるくらいの仕事で、仕事をしながら先のことを考えよう。』
平日の銀座にショッピングに行ったり、映画を観たり、ふらりと美術館に出掛けてみたり。
体の中の血流がよくなっていくような感じ。
やっぱり辞めてよかった。
朝食後、コーヒーカップ片手に広げて何とはなく見た経済新聞の求人欄に公的研究機関の臨時事務職員募集を見つけた。
ある官庁の経済研究所だ。
「経済関係研究所かぁ。こういう所の事務だったらそんなに仕事は大変じゃないだろうし。9時―5時で、時給は少し安めだけど、まぁいいかな。どんな所だか、社会見学みたいなものだと思えば。」
早速、人事部に電話してみた。人事部への電話には馴れている。
なにせ、お正月明けまで就職活動をしていたくらいだから。
「もしもし、森川彩子と申します。新聞の求人広告を見てお電話致しました。応募したいと思うのですが、どのようにすればよろしいでしょうか?」
新聞広告は、とても小さな欄に書かれていて、これが公的機関の求人広告なのかと思ってしまった。でも、臨時の女性事務員の求人だからその程度のものなのかもしれない。
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