激辛北京行き


上海―北京旅行記

北京行き
2004年12月23日



今日はいよいよ飛行機で北京へと向かう。

聞くところによると北京は今年暖冬で、例年に比べると今年は比較的過ごしやすいそうだ。

飛行場へと向かう車窓から覗く空も気持ちよく晴れ渡っている。

チケットを届けてくれたお兄さんがかなり格好が良かったことも手伝ってか何か良いことがありそうな予感で胸はいっぱいだ。

無事飛行場に到着。チェックインカウンターを探すのに少し手間取ってしまったもののなんとか目的のゲートまでたどり着いた。

まあ搭乗時間まで少しあるのでお菓子でも食べようかと思っていると、私達の目に飛び込んできたのは、、、、

お弁当配ってる


???搭乗口でお弁当配ってる!???



ここの飛行機会社は機中で食事を出すのが面倒なのか、人件費削減のためなのか、それともここは中国だからなのか、はては毛沢東パワーなのか何が何だか分からないが、皆どんどん押し寄せてお弁当はこうしている間にもみるみるなくなっていく。

こうしちゃおれんと私達も搭乗口に押しかけ搭乗券を見せたがお弁当はもらえず。どうやら違う便だったらしい。残念。

そうこうしていると搭乗時間。係員の1人が搭乗券のバーコードをスキャンし、その後の係員がペンでチェックマークを付けるというなんともハイテクともローテクとも言い難い登場口を抜けて機内へ。

チェックインの時間がギリギリだった為私達二人は3人掛けのシートの真ん中に前後の席配置で座る。

私の右隣は中年のおっさんで左隣は20代後半かと思われる綺麗な女性である。

さてと待ちに待った夕飯タイム!!!
メニューは鶏肉がのったご飯、サラダ、ロールパンにロールケーキ。
前席に座っている友達によるとこれは典型的な中国の味付けだそうだ。期待はするなという意味であろう。ふーんと特に感動も少なく食べていると、、、、、突然、、、、、 ファイヤー!!!!!!!!!!


辛い。すごく辛い。


何故???もう今までに経験したことのない辛さだ!!!

取り合えず何かを食べ続けなければならない。

内心ものすごいパニック状態ではあるがそれを押さえ冷静に振舞いつつもあっという間に完食。

辛さが落ち着いたところで現場検証に取り掛かる。

ご飯は普通だったし、鶏肉も大丈夫。

ロールパンもロールケーキも辛いはずない。サラダは、、、、。そういえば横に付いてたソースを付けたんだよな、と思い見ると、、、。

激辛ソース

右上に 食火
、とご丁寧に赤でハイライトされて書かれている。

おそるおそる裏を見ると、 「”天下第一辣”之美誉。」 とある。

いや、私日本人ですけど、中国語全然喋れないんですけど、けど、けど、これくらいは分かってしまうんですが。いやー漢字って素晴らしいなあ。

隣のおじちゃんもあっという間に食べ終わってたけど、あれはお腹空いてたんじゃなくて辛かったからかな、このソースは食欲増進に最適かもな、でも食欲の無い患者に食べさせたら一発で天国かな、等いろいろと考えてしまわずにはいられない。

シートとシートの間から前に座っている友達に呼びかけて、ソースに何が書いてあるか聞き、今までいかにパニック状態を一人乗り切ったか説明すると、彼女はうけまくった。

あの沈黙の30分ほどの間にそんなことがあったとは思わなかっただろう。退屈な機中、彼女にささやかな(?)笑いが提供できたのでまあ良かったとする。

食後のお茶をもらい一息ついていると左隣のお姉さんがお洒落なハンドバッグをもぞもぞと探り始めた。初めは特に気にも留めなかったのだが、なにかが視界に入ってくる。


足、足、足、足、足。計足5本。



なんとそのお姉さんもらったお茶の紙コップに干からびた鳥の足先を爪を上に向けて挿して、本を読む片手に一本とってはむしゃむしゃ食べている。

雰囲気は代官山のカフェでお茶するOLとでも言いたげだが、その美しい右手が掴むのは、その真紅の唇の奥にうごめくのは、スコーンではなく干からびた鳥の足先(しつこいようだが爪付)である。

もう何も信用できない。これから道行く人のお洒落なバッグを見る度に、私はあの中に干からびた鳥の足先(爪付)が入っているのではと疑うことは間違いなかろう。

あの鳥足の指の曲がり具合と爪のそり具合が脳裏に焼きついて離れない。

そして飛行機は何事もなかったかのように北京空港へ到着。

前に座っていた友達は私がパニックに陥っていた頃隣の会社員らしき人と談笑し、その前日から北京に遅ればせの本格的な冬の寒さが来ていたことを知りややショックを受けていたようだ。

  → 北京到着。お兄さんそこで何してるの?へパンダ




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