東方見雲録

東方見雲録

2022.02.25
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カテゴリ: 私見
松のことで印象に残っている方々の紹介。

一人目は、盆栽作家の小林國雄さん。
20年以上前になるが、盆栽教室の講師をお願いしたときが最初だった。盆栽愛に満ち、情熱的に盆栽について語られる姿に見入った。調和、個性、らしさ、そして品位の大切さを入門者にもわかりやすく説いてくださった。 
その後大分たってから、先生の盆栽美術館を見学にいった。外人のお弟子さんも抱えておいでだった。講習会の時の思い出で、先のキーワードを挙げながら想い出話をさせてもらった。講習会も数多くこなしていらっしゃることから、講習会の内容には特に触れられず、最後は「感性」が一番大事、と付け加えられた。
樹木を触る前、今でもこれらの言葉は大切にしている。



​ 盆栽美術館 春花園にリンク ​


二人目は、庭師の峰岸正樹さん。
自然風剪定に長けた人。「剪定したようにはみえないけけど、すっきりしましたね」との施主さんの言葉が一番の誉め言葉、ととらえる方。

荒れ放題の野木をすっきりした樹形に作り直されるその過程を何度が拝見したことがある。枝抜きに迷いがない。無駄な動きがない。速くて、きれい。こういうのを名人技というのだろう。
松の手入れは、みどり摘みが基本、ここで1年の形が決まる、と年1回の場合は「みどり摘み」優先せよと説かれた。
自然風剪定は樹形がその木らしさがで、上品に仕上がる。コスト的のも安く上がるのが一般的。
枝抜きは盆栽と同じで最後は「感性」の勝負。
峰岸先生は「盆栽は自分にはできない」とよく言っておられた。キーワードは同じでも、抑えどころが違うようだ。
私も自然風手入れを心掛けている。


​ 庭木の自然風剪定にリンク ​

三人目は、1年間、山陰の庭の手入れ方法を教わった、実重庭園の社長。
実重庭園は個人庭中心のいわゆる「植木屋さん」。社長は松の手入れに長けておいでだった。
松の手入れは、盆栽型の芽摘み重視で、山陰でよくみられるスタイル。

松の手入れ、作業手順(シート敷、養生、足場組、ゴミ片付けなど)、勉強させてもらった。
社長の松の手入れの後を拝見すると、小枝の葉先が皆凛と立って、濃度もそろっている。あこがれて眺めたものだ。
目指してやっているのだが、簡単には身につかない。


松がらみの人ではないが、庭仕事の時、この方の作庭技法が浮かんでくる。
雑木の庭の大家、小形研三氏。

個人庭にも関心が強まり、自分好みは雑木の庭となり、小形氏の作庭観にたどり着く。
小形氏の作庭論の中で、印象的だったのは「気勢に留意」という視点。
気勢とは、と考えると奥深い。
これも最後は感性、と思う。


​ 小形研三『ウィキペディア(Wikipedia)』にリンク
​
以上の方々、私の庭仕事で立ち止まって見つめなおす時、今でもなくてはならない存在となっている。

​ 私の樹木手入れ法にリンク ​
樹の手入れの基本は自然風が環境ともなじむし、リーズナブルだと思う。
弓ケ浜では樹木の頂部を切り払った扁平な形の木をやたら目にする。公共の街路樹であっても上半分近くを切り落とし、定規で測ったように同じ高さにしたものも見かけた。盆栽的発想でも、らしくないし、品位もない。個性的ではあるが。これは一担当者の好みというより、この景色を受け入れている地域性になにかあるかもしれない。

砂丘を開墾し、生活を支えるため苦闘してきた長い歴史から生まれた樹木観なのだろうか?
防風、飛砂防止の草木も設けず、風で砂が流され、走るほどまで広げ、耕した歴史。
でも、今は栽培のやり方も変わり、土地も持て余気味。もう、過去の発想、とらわれから解放されてもいいのではと、自分流の解釈で思ったりする。


下の木、以前地上50㎝くらいでバッサリやられている。その後放置され、復活。
オールオアナッシングより、自然流で樹と付き合って、いい状況に誘導したほうが長い目で得策のように感じる昨今です。















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Last updated  2023.05.24 18:14:16
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