東方見雲録

東方見雲録

2024.06.21
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カテゴリ: 建築


でも、僕の《一人でやる》もなかなかおもしろい。効率のために分業化してしまった仕事を、もう一度まとめて考えることでさまざまな気づきを得ている。建築の(デザイン)と(施工)を一緒にやることで「手でつくる悦びが建築の表現に大きく関わること」を知った。
引用サイト:三田に小さなビルを一人で建てています   こちら





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蟻鱒鳶ルがある三田4丁目は2017年に決定した三田三・四丁目地区市街地再開発の計画区内にあるのです。

今回の再訪では前回はなかった「建築計画のお知らせ」が出ており、そこにはご覧の通り岡さんの名前は全くありません。

建築主は再開発組合の理事長名義になっており、施工者は未定です。



引用サイト:三田のガウディこと岡啓輔さんの蟻鱒鳶ルを再び訪ねてみた   こちら

「三田のガウディ」の挑戦《蟻鱒鳶ル》  動画   こちら




ぼく自身は好きでやっている自覚があったので、待遇が悪くても平気でしたが、建築の現場を支える特殊な技術を持つ職人たちにもっと光をあててほしかった。

蟻鱒鳶ルの構想時、いまの建築現場が職人を大切にあつかわないのなら、俺がやるしかないという使命感を覚えました。

蟻鱒鳶ルの建築はぼくが主に作っていますが、知人の職人や建築に携わっていない普通の友人も手伝ってくれています。細かな設計図はないので、即興の舞踏のように、その日その日の思いつきやアイデア、手伝ってくれた人たちの気持ちが反映されていきます。そのスタンスは着工当時から、ずっと変わっていません。

そのせいで、このビルにはぼくの好みではない装飾や細工が随所にあるんです。ぼくが「もうちょっと考えてよ」って言っても、みんな無視して好きにやっていますから。さらにはぼくが即興でデザインした箇所も多々あります。

だからこそ、蟻鱒鳶ルが、日本のいたる所に建つ金太郎飴のように同じ外観の建物たちとは対局のビルになったのだと感じるんです。(2回目に続く)
異端の建築家が東京港区に独力でビルを建てたワケ こちら
絵画や彫刻などのアート作品なら、アートに理解がある人がお金を払って、ギャラリーや美術館に足を運んでくれます。

一方で建造物は、建築に理解がある人もない人も目にして、評価を下します。アートのような“箱入り娘”ではなく、路上で数多の人の目にさらされて、不特定多数の人に批判され、殴られかねない作品です。そうした存在だからこそ、昔から「建築はメディアだ」と言われるんです。

蟻鱒鳶ルとは、僕からのメッセージ
たとえば、フランスのパリにノートルダム大聖堂があります。パリを訪れて、ノートルダム大聖堂をはじめて目にした地方の人は「なんだ、これは……」と感動する。そして彼は、自分の村にも美しい教会をつくろうと決意する。あるいは、その感動を地元の人に伝える。

そうして歴史的、文化的なストーリーが広まり、観光が生まれ、地方にも文化的な建築物がつくられる。つまり建築物はメディアそのものなんです。



近所の子供が「なんかスゲェ」と面白がってくれたり、こんなビルもアリなんだと建築を志す人の刺激になればいい。前回語ったような職人について思いを馳せてもらえればなお嬉しい。時には嫌悪感を持つ人がいるかもしれない。でもそれでいいと思っています。それも含めてのメディアなので。

蟻鱒鳶ルはある研究者から200年持つと言われています。長い間、ここにあることで存在の意味は変わってくるでしょう。それも含めて、蟻鱒鳶ルは、ぼくからのメッセージなのです。
同上 中編 こちら





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Last updated  2025.01.28 10:40:27
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