東方見雲録

東方見雲録

2024.12.21
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カテゴリ: 文化

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一枚の絵は一本の線を引くことから始まります。線にはいろいろな種類があります。直線、曲線、点線、波線。描く材料によっても線の表情はさまざまに変化します。鉛筆やペンが生み出す細く尖った線。木炭やチョークの太く軟らかい線。また、伝統的な東洋画の筆と墨による運筆法は、「書画一致」と呼ばれ、線に作者の人格が表れ出るものとされてきました。線描画は、かつては完成作のための習作や下絵として描かれ、対象の形態を明確に輪郭づけるためのデッサンとしての役割を担ってきました。線は世の中のあらゆる存在を分節化し、各々を意味の世界へと定着させるための手段でした。その際、現実には存在しない輪郭線という抽象的概念が絵画の基盤となりました。一方、20世紀以降に誕生した抽象絵画では、独立した線表現として、線そのものが有している造形性が重視されるようになっていきます。画家たちは新しい線の創出を目指し、線はかつてない多様な表情と表現性を具えていくことになったのです。こうして、線は絵画の原点であると同時に、今なおその表現領域を拡大し続ける、古くて新しいテーマとなっているのです。


日本海新聞 1215





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Last updated  2024.12.21 17:00:13
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