フィリップ・パ~ロウ探偵事務所

1001-1

うつ病の症状について

うつ病患者の症状は一様ではない。
趣味嗜好や生き様が違うように、症状の現れ方も人それぞれ違う。
以下では、うつの特徴的な症状を、からだの症状とこころの症状とに分けてみる。

●からだの症状
からだの症状が気になって、こころが沈んでいると考えてしまうケースが多い。
こころの症状が表に出ないケース(「仮面うつ病」などとも呼ばれる)もある。
○倦怠感(だるい)・疲労感
○自立神経失調症に酷似した症状(頭痛・肩こり・腰痛、動悸・胸痛・腹痛・発汗・便秘・生理不順・冷え性など)
○不眠・早朝覚醒
○食欲の低下、アルコール依存またはアルコール不耐(弱くなる)
○性欲の低下。
 (例)「何を食べてもおいしくない・味がわからない」
    「胃腸薬をずっと服用しているのに一向によくならない」
    「だるくて仕方が無いのに検査では何も異常が出ない」など

●こころの症状(1)「不安感・焦燥感」
○不安感
  過去の肥大と未来の萎縮(後悔と先案じ)。
  平常時に感じる不安とは違って、理由がなく、耐え難い不安。
  被害妄想・関係妄想(人間関係に関する妄想、自分はあの人に憎まれている、など)。
  うつの場合は生命放棄型が多い。(パニック障害などの場合は生命執着型のケースもある)
○焦燥感
  不安感が「心」の枠組みにおさまりきらず「身体」の枠組みの方にはみだした状態のイライラ感
  服を引っ張る、手をかきむしるなどの無意味な行動
 (例)「じっとしていられない」
    「ため息ばかり出る」
    「大失敗をしてしまった」
    「もう取り返しが付かない」
    「これから先どうすればいいのか」
    「自分さえいなければ皆が幸福になる」

●こころの症状(2)「憂うつ感」
(1)の不安感・焦燥感とセットとなって起こり、希死願望にいたる症状。
○抑うつ症状(気が滅入る状態)
○「劣等感・自己嫌悪」
○「自責感・罪責感」や「無価値感」。
 (例)「気が重い」
    「これから先やっていく自信がない」
    「誰かに傍にいて欲しい。寂しい」
    「すぐ涙が出る」
    「自分は罪深い人間だ」
    「家事も出来ない(会社でミスばかりする)自分はつまらない人間だ」
    「いっそ消えてしまいたい」

●こころの症状(3)「おっくう感」
心理的抑制症状(通常の倦怠感と似た症状)
うつの病状が回復してきてもこの症状が最後まで残る場合が多い。
○これまで好きだったことや楽しかったことに興味・関心が薄れる。
○意欲が低下する。
○日常的な行動がおっくうになる。
 (例)「しなければならない事に手が出ない」
    「手を出しても根気が続かない」
    「疲れやすい。すぐ飽きる」
    「小さなことでも決断できない」
    「人に会うことが苦痛だ」

ただし、甲状腺の病気のときや、インターフェロンを服用している場合は同様の症状をみせることがある。



(「軽症うつ病」笠原嘉著 講談社現代新書)
(「こころのくすり箱」http://utsu.jp)

P.P



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