USBメモリー 放置厳禁!データの“自然蒸発”に要注意
手軽にデータを持ち出せて便利なUSBメモリー。今や容量8ギガバイトの製品が1000円余り。手放せない人も多いだろう。
実は、USBメモリーにも寿命がある。使えば使うほど余命は短くなるし、使わずに大事に保存しておいても、データが消えることがある(図1、図2)。
トラブルの原因はUSBメモリーの中身、「フラッシュメモリー」という半導体の特性にある。フラッシュメモリーは電源を落としても、データが消えない特 殊なメモリーだ。電源が必要なのはデータを読み書きするときだけ。消費電力が少ないので、USBメモリーやメモリーカードなどの周辺機器が採用している (図3)。
ところが、フラッシュメモリーには書き込む回数とデータを保持する期間に上限がある。データを持ち運ぶ用途なら問題ないが、長期保存やハードディスクの ような使い方には向かない。
以下、USBメモリーを例に、フラッシュメモリーの動作を詳しく見ながら、データが消える理由と対策を明らかにしていきたい。
まず、フラッシュメモリーがどのようにデータを記録するかを説明しよう。フラッシュメモリーは、チップの形でUSBメモリーの中に収まっている(図 4)。そしてチップの内部は、「セル」と呼ばれる半導体が並んでいる。このセル一つずつに、「0」もしくは「1」を値として記録する。
セルの構造を見てみよう(図5)。セルはトランジスタの一種で、シリコンでできた基板の上に「浮遊ゲート」と「制御ゲート」が乗っている。
このうち、特に重要な役割を演じているのが浮遊ゲートだ。これは、電子の貯蔵庫のようなもの。下のシリコン基板とは絶縁体(トンネル酸化膜)で仕切られ ており、蓄えた電子を漏らさない仕組みになっている(図6)。電源を落としても、フラッシュメモリーのデータが消えないのは、この浮遊ゲートのおかげだ。
しかし、ただ電子を蓄えておくだけでは、半導体のスイッチング機能を果たせない。半導体なら、必要に応じて電子の貯蔵と放出を切り替えなくてはならな い。そこで、下の基盤側から上部の制御ゲートに向けて電圧を掛けたときだけ、電子が絶縁体を通り抜け、下のシリコン基板に流れ出す仕組みになっている。
こうして、浮遊ゲートから絶縁体を通ってシリコン基板に流れ出した電子は、左側のソース(流入側)から右側のドレイン(排出側)に向かう電子の流れとな り、ソース-ドレイン間の電荷として取り出される。この状態で、セルの値が「1」となり、逆に浮遊ゲート内に電子が貯蔵された状態だと、値が「0」とな る。これが、フラッシュメモリーの仕組みだ。反対に、値が「1」のセルを「0」に書き換えるには、制御ゲート側から基板に向けて、電圧を掛け、電子を浮遊 ゲート内に移動させる(図7)。
しかし、フラッシュメモリーには大きな弱点がある。浮遊ゲートとシリコン基板を隔てる絶縁体の耐久性に問題がある点だ。データの書き換えを繰り返すうち に、絶縁体が劣化し、電子の出し入れをうまく調節できなくなるのだ。
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土日もなんだか忙しいなあ 2016.12.12
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