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2010.05.25
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カテゴリ: パソコン講座

 USBメモリー 放置厳禁!データの“自然蒸発”に要注意

  手軽にデータを持ち出せて便利なUSBメモリー。今や容量8ギガバイトの製品が1000円余り。手放せない人も多いだろう。

 実は、USBメモリーにも寿命がある。使えば使うほど余命は短くなるし、使わずに大事に保存しておいても、データが消えることがある(図1、図2)。

【「寿命」と「自然蒸発」、USBメモリーには2つの危険がある】
図1 USBメモリーは、ファイルをたくさん書き込むほど劣化が進む。やがて寿命を迎えると、データ の読み書きができなくなる。長時間放置すると、データだけが自然に消えてしまう現象も起こる

【こんな使い方に要注意!不意にデータを失うこともある】
図2 大事なファイルを保存したまま、USBメモリーをしまい込むのは、意外に危険。ある程度、書き 込みもしないと、データが消えてしまう。その点では、読み込み専用として使うのも危ない。一方、激しくファイルを書き換えるのも、寿命を縮めてしまう

 トラブルの原因はUSBメモリーの中身、「フラッシュメモリー」という半導体の特性にある。フラッシュメモリーは電源を落としても、データが消えない特 殊なメモリーだ。電源が必要なのはデータを読み書きするときだけ。消費電力が少ないので、USBメモリーやメモリーカードなどの周辺機器が採用している (図3)。

【同じ危険を持つ周辺機器はこんなにある】
図3 図1のような危険は、USBメモリーに使われている「フラッシュメモリー」の特性によるもの。 デジカメ用のメモリーカードなど、フラッシュメモリーを使っている周辺機器は、ほかにもたくさんある

 ところが、フラッシュメモリーには書き込む回数とデータを保持する期間に上限がある。データを持ち運ぶ用途なら問題ないが、長期保存やハードディスクの ような使い方には向かない。

 以下、USBメモリーを例に、フラッシュメモリーの動作を詳しく見ながら、データが消える理由と対策を明らかにしていきたい。


データを書き込むには“絶縁体”に電子を通す

 まず、フラッシュメモリーがどのようにデータを記録するかを説明しよう。フラッシュメモリーは、チップの形でUSBメモリーの中に収まっている(図 4)。そしてチップの内部は、「セル」と呼ばれる半導体が並んでいる。このセル一つずつに、「0」もしくは「1」を値として記録する。

図4 USBメモリーには、フラッシュメモリーが内蔵されている。フラッシュメモリーは、たくさんの 「セル」の集まり。ファイルを保存すると、このセルにデータが記録される

 セルの構造を見てみよう(図5)。セルはトランジスタの一種で、シリコンでできた基板の上に「浮遊ゲート」と「制御ゲート」が乗っている。

図5 1つのセルの断面を見たところ。制御ゲートに電圧をかけることにより、浮遊ゲートとシリコン基 板の間を仕切る絶縁体(トンネル酸化膜)を、電子が通り抜けるようになっている

 このうち、特に重要な役割を演じているのが浮遊ゲートだ。これは、電子の貯蔵庫のようなもの。下のシリコン基板とは絶縁体(トンネル酸化膜)で仕切られ ており、蓄えた電子を漏らさない仕組みになっている(図6)。電源を落としても、フラッシュメモリーのデータが消えないのは、この浮遊ゲートのおかげだ。

【浮遊ゲート内に電子を貯蔵】
図6 浮遊ゲートにある電子の量で、セルの値が決まる。浮遊ゲートに電子がない状態だと、セルの値は 「1」。反対に、浮遊ゲートに電子が集まった状態が「0」になる

 しかし、ただ電子を蓄えておくだけでは、半導体のスイッチング機能を果たせない。半導体なら、必要に応じて電子の貯蔵と放出を切り替えなくてはならな い。そこで、下の基盤側から上部の制御ゲートに向けて電圧を掛けたときだけ、電子が絶縁体を通り抜け、下のシリコン基板に流れ出す仕組みになっている。

 こうして、浮遊ゲートから絶縁体を通ってシリコン基板に流れ出した電子は、左側のソース(流入側)から右側のドレイン(排出側)に向かう電子の流れとな り、ソース-ドレイン間の電荷として取り出される。この状態で、セルの値が「1」となり、逆に浮遊ゲート内に電子が貯蔵された状態だと、値が「0」とな る。これが、フラッシュメモリーの仕組みだ。反対に、値が「1」のセルを「0」に書き換えるには、制御ゲート側から基板に向けて、電圧を掛け、電子を浮遊 ゲート内に移動させる(図7)。

 しかし、フラッシュメモリーには大きな弱点がある。浮遊ゲートとシリコン基板を隔てる絶縁体の耐久性に問題がある点だ。データの書き換えを繰り返すうち に、絶縁体が劣化し、電子の出し入れをうまく調節できなくなるのだ。

図7 セルの値を1から0に書き換える動作。制御ゲートに電圧を掛けると(1)、電子がトンネル酸化 膜を通過して浮遊ゲートに集まる(2)。電圧を掛けるのを止めると、電子が浮遊ゲートに詰め込まれた状態になる(3)(4)





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最終更新日  2010.05.25 06:38:12 コメントを書く
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