のんびり生きる。

のんびり生きる。

そして未来に希望を抱くことができた



それはずっと昔、僕はまだ小さな子供だった頃のことだった。

でもその言葉を聞くと僕は気分が良くなり、ほっとしたものだった。

そして未来に希望を抱くことができた。

「お前(ディア)」と父は言った。時々そういう風に「お前(ディア)」と彼は母のことを呼んだ。素敵な言葉だ。父は言った。「お前(ディア)、買い物に行ったらついでに煙草を買ってきてくれないか?」とか、「お前(ディア)、風邪の具合はどうだい?」とか、「お前(ディア)、私のコーピーカップは何処にいったかな」とかいう風に。

それに続けて何を言うかも思いつかないうちにその言葉は僕の口からふとこぼれてしまう。

「母さん(ディア)」と。もう一度繰り返す。「母さん(ディア)」と僕は言う。

「母さん(ディア)、いいかい、怖がることなんか何もないんだよ」と僕は言う。僕は母さんのことを愛しているし、手紙も書くよちゃんと、と僕は言う。

そしてじゃあまたねと言って電話を切る。



                  「引越し」183頁

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