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March 24, 2024
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カテゴリ: 教授の読書日記
名著『思考は現実化する』(1937)でお馴染み、ナポレオン・ヒル博士の『仕事の流儀』(原題:How to Sell Your Way through Life, 1939)という本を読了しましたので、心覚えをつけておきましょう。

 この本は、『思考は現実化する』のわずか2年後の著書ということになるわけですが、「セールスマンとして成功するにはどうすればいいか」というテーマに特化した自己啓発本と言っていい。ヒル博士自身の言葉を使えば「マスター・セールスマンになる方法」ということですな。私自身、「良いセールスマンになる方法を教える自己啓発本こそ、アメリカの自己啓発本の王道だ」と考えているのですが、その意味ではまさに王道の自己啓発本と言っていいでしょう。

 この訳本は3部構成になっていて、第1部は総論、第2部は自動車王ヘンリー・フォードに学ぶ、ということで、ヘンリー・フォードをマスター・セールスマンの最高例とみなし、そのやり方を学ぼうと呼びかける内容。そして最後の第3部は、マスター・セールスマンになるための具体的な方法論ということになる。各部ともそれぞれ目的に沿った内容で、コンパクトによくまとまっております。

 で、各部において、これはと思う文章を、以下、抜き書きしておきましょう。

第1部

〇どの職業が一番好きかを決めること。人間は、自分が好きな仕事をしているときに最も大きな成功を収め、またその成功は最も長続きする。(12)

〇最初の五年間で獲得したい収入を、毎年自分で設定すること。ここで覚えておいてほしいのは、あなたの頭脳を”資本金”に例えた場合、あなたの年収はその六%に当たるということである。例えば、年収が六〇○○ドルであれば、あなたの頭脳の中には一〇万ドル相当の資本金が存在するということだ。収入を確保すると同時に、この資本金を常に動かしておくことが重要である。(13)

〇私が最も哀れに思うのは、うんざりするような単調でハードな仕事を、生涯の仕事にしてしまった人たちだ。彼らは一週間のうち六日を、好きでもない仕事に費やさなければならない。それは、自分で自分に刑を宣告して、人生の大半を刑務所で過ごすのと同じことである。(14)

〇自分の好きな仕事を選ばなければならない理由は、はっきりしている。仕事が楽しければ、ハードな労働もまったく苦にならないからだ。仕事で疲れている人がいれば、それは働きすぎだからではない。やっていることに興味が持てないだけである。(15)



〇しかし現実は厳しい。多くの人は、生きていくために嫌いな仕事を強いられている。仕事に就くことすらかなわない人も少なくない。労働を強制されるのも辛いが、もっと辛いのは「働かないことを強いられる」ことだ! (17)

〇一意専心――ひたすら一つのことに心を集中させること。これがないと、大きな成功を手に入れることはできない。(19)

〇契約上の金額よりも質量ともに勝る貢献をする習慣――それは、ビジネス・パーソンが大きな財産を築き上げるための最も重要なノウハウの一つである。(24)

〇「見返り増大の法則」を最もよく理解しているのは農民である。彼らは次のような四つのステップを踏んで、この法則を働かせている。
 ①条件に適した土地を選ぶ。
 ②その土地を耕し、雑草を取り、肥料を与えて、タネをまく準備を整える。
 ③豊かな実りをもたらす良質のタネを選ぶ。
 ④タネが芽を吹き、大きく育つまで、毎日手入れを繰り返す。来れには一定の期間が必要である。
 この四つのステップの間、農民は無報酬で働く。しかし収穫のときが来れば、それまでの労働の対価として報酬がいっぺんに支払われる。しかも「見返り増大の法則」によってまいたタネの何倍もの収穫を得ることになるのだ。(26⁻27)

〇生涯を通じて自分自身の働きを売り込むとき、あなたはほかの人々との摩擦を最小限に抑えなければならない。現実に摩擦を起こさず交渉できる人はめったにいないが、これは自分を売り込むのに不可欠の要素である。
 そこで重要になってくるのが、「優れたパーソナリティー」という資質である。(31)


 第三の八時間は、一人ひとりの将来のカギを握っている。(33)


第2部
〇フォード以外から得た者の総和より、フォード一人から得たもののほうが大きい、と言っても過言ではないくらいだ。これほど偉大な人間と同時代に生き、その業績を間近に見られたことに、私は心から感謝している。(76)

〇ヘンリー・フォードが私に教えてくれた最も重要な教訓――それは「一意専心」、すなわち明確な目標を選び、その達成に向けて一心に努力することの大切さである。(76)

〇大恐慌が始まったとき、フォードは大自然の領域には「恐慌」がないことに気づいた。彼が見たのは、同じ太陽が地球を照らし、草の根を暖めて、大地にまかれたタネに芽を出させていることであった。ウォール街の株が暴落しても、大自然はまったく変わることがなく、自分のやるべき仕事を進めている。フォードはこのとき、ある結論に達した。「大恐慌は人間がつくり出したものに過ぎない」。そして彼は、「人間がつくったものは、すべて人間が破壊できる」ことを過去の経験から知っていた。(92)



〇決断とは何だろうか? それは思考を完結させることである。思考しないで決めることは、決断とは言わない。
 決断力のある人は、必然的に考える人である。(95)

〇ちなみに、私が今まで採点した偉人たちの中で、フォードはマハトマ・ガンジーと並んで最高得点の保持者である。(125)

〇イニシャティブと粘り強さは、フォードの最も顕著な資質であり、彼が驚くべき成功を収めたのは、この二つの資質によるところが大きい。フォードは貧困と無学という厄介な敵を打ち負かして、米国一の富豪となった。彼は、次の四つのプロセスによって、それをやってのけたのである。
 ①自分が望むものを正確に知る
 ②自分が望むものを獲得するための明確な目標をつくり出す
 ③目標を実現するための計画を粘り強く追求する
 ④目標を推し進めるために努力と財産のすべてを集中させる
 フォードの成功について語るなら、この四つのプロセスだけで十分である。彼には謎めいたところなど一つもない。正直に言うと、私にとってフォードほど分析しやすい人はいなかった。彼はいつも率直に行動するし、私生活も含めてすべてがオープンである。だから、誰でも意のままに、彼の人生をのぞくことができるのである。(140⁻141)


第3部
〇職業がなんであれ、私たちは皆セールスパーソンなのである。しかし、全員がマスター・セールスパーソンであるわけではない!(148⁻149)

〇以上は、形のないものを売り込むセールス術の一例である。協力を得るために他人を説得する努力は、すべてセールス術だと言ってもよいだろう。ところが、たいていの人は、このセールス術にさほど大きな努力を傾けない。そのために、大多数の人々は、技量の劣る平凡なセールスパーソンでしかないのである。(150)

〇この五つの定義は範囲が非常に広く、人間のすべての営みを網羅するほどである。そう、人生というものは、”売り込み努力”の連続であり、それは長くて途切れることのない、一本の鎖のようなものなのである。
 生まれたばかりの赤ん坊もセールスパーソンである! お腹がすけば、おっぱいを求めて大声を上げ、そしてそれを獲得する。どこかが痛いときには、振り向いてもらおうと大声を上げ、これも獲得する。
 地球上で一番素晴らしいセールスをするのは誰だろうか? それは女性である。女性は男性よりも敏感で、表情豊かで、物腰ははるかに柔らかい。男性はたいていの場合、プロポーズは自分の売り込みだと思っているが、実は、売り込みをしているのは女性のほうである。彼女たちは、自分をかわいらしく見せ、美しく魅力的にし、男の心を奪うことで、その売り込みを行なっているのだ。
 ベルトランドの定義に加えて、私も一項目追加したいと思う。

 セールス術とは、、自分に対して好意的な行動を起こしたくなるモチベーションを、相手の心に植え付ける技法である。(152⁻153)

〇イエス・キリストの精神は、二〇○○年近くを経た今でも、何千万という人々に影響を与え続けている。それは、取りも直さず、キリストがマスター・セールスパーソンだったからである。キリストは一つの普遍的なモティベーションを打ち立て、その周りに自分のセールス・プレゼンテーションをくみ上げた。(155)

〇シカゴ大学学長ハーパー博士のセールス術(163~)

〇誕生から死に至るまで、人間の営みはすべて「感情」によって引き起こされている。感情という昨日が、世界中のすべての活動を支配していると言ってもよい。感情を通して買い手の心に訴えるセールスパーソンは、相手の理性だけに訴えるセールスパーソンの何十倍ものセールスを達成するだろう。買い手は、感情と密接に結びついた何らかのモティベーションに駆り立てられて、購入を決断するからである。(205)

〇最初にマスターマインドのノウハウを私に気づかせてくれたのは、アンドリュー・カーネギーであった。彼は、このノウハウを使うことで莫大な財産を築いたという。カーネギーは、部下の役員や幹部社員約二〇名からなるマスターマインド・グループを組織していた。そして、グループ・メンバーの知識と経験が総合された結果、彼は鉄鋼の製造・販売で成功を収めた。(212)

〇習慣の法則と集中力のノウハウとは、切っても切れない関係にある。習慣は集中から育ち、集中は習慣から育つのである。明確な目標に意識を集中させることで心を徹底的に鍛えれば、やがて「目標に集中する習慣」が形成される。この習慣は潜在意識に影響を与え、その結果、潜在意識に固定された明確な目標が、実践的かつ直接的な手順を踏んで現実のものに変換されるのである。(214)

〇もうお分かりいただけたと思うが、「明確な目標」のノウハウと「集中力」のノウハウは相互補完的なもので、どちらか片方だけでは、その力は発揮されない。両者が並び経ち、お互いを助け合うとこで、初めて機能するのである。
 人生は「習慣」という法則に支配されている。ということは、習慣を支配すれば人生を支配できるということになる。集中力のノウハウを使って自分に命令すれば、この習慣をつくり上げることが可能になる。「われわれがまず習慣をつくり、その習慣が次にわれわれをつくる」のである(218⁻219)

〇人間と習慣の間には妥協点はまったくない。人間が習慣を支配するか、習慣が人間を支配するかである。成功者はこの真理を知っているので、まず自分にとって望ましい習慣をつくり出し、その習慣に心と身体を任せるのである。習慣は、一つひとつの思考と一つひとつの行為によって、一歩一歩着実に形づくられていく。(219)

〇あなたのすべての思考を明確に集中させれば、あなたの潜在意識はその目標のはっきりしたイメージを捉え、そのイメージを現実的なものに変換させる。そう、思考は現実化するのである。これは、現代の心理学者なら誰でも知っている真理であり、あのイエス・キリストもそれを知っていたと考えられる。(219)

〇本書の中で、私は「無限の叡知」の力に何度も言及している。この力が、目標を達成しようとする人間に働きかけると、途方もない結果がもたらされるが、それは集中力のノウハウによってのみ得られるものである。
 私は「無限の叡智」を限りなく信奉している。どんな思想も宗教も、それに口をはさむことはできない。この素晴らしい宇宙の法則は、あらひゅる疑念や心配、恐怖から人々を引き離すために、利用されるのを待っている。私が繰り返し言及するのは、「無限の叡知」にもっと慣れ親しんでほしいからである。
 私は「祈り」の力を固く信じている。ここで言う祈りとは、「明確な目標」に対する信念を持った集中である。信念のない集中は結果をもたらさない。そして、新年を伴った集中はまるで奇跡のような結果を達成するのである。(220⁻221)

〇帽子返却可のエピソード (250)


 ま、ざっとこんなところかな?

 こうして抜き書きしてみても分かる通り、非常に健全かつ実践可能なアドバイスばかり。しかも時折挟まるエピソードなども面白く書かれていて、読み飽きないようになっております。いい本です。

 さすが、ナポレオン・ヒル、自己啓発思想界のナポレオンだけのことはありますな。


これこれ!
 ↓

【中古】仕事の流儀 /きこ書房/ナポレオン・ヒル(単行本)





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Last updated  March 24, 2024 05:43:53 PM
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