お金をかけずにお金を稼ぐ方法

成功ノウハウを、一人でも多くの人に２

絶対に失敗しない成功ノウハウを、一人でも多くの人に
「積極的心構えで挑戦し、挑戦を続ける者だけが成功を実現できる」　　W・クレメント・ストーン

■ 元祖鍵っ子
　母親が長時間働いていたため、クレムは一人でいることが多かった。彼は言う。
「1908年でさえも鍵っ子は存在しました。それに、今と同じで、親の監督がほとんど行き届かないことから、私もすぐに問題児になってしまいました。煙草を吸い始め、学校をさぼり、勉強もろくにしなくなってしまいました」
　彼の人生が好転し始めたのは、イリノイ州にある修道会系の寄宿学校に入学したときからだった。
「自己改善を図る願望を育むには、修道会系の寄宿学校ほど適した場所はありません」
　クレムは、ボーイスカウト活動でも影響を受けた。二年間の寄宿学校生活後、シカゴに戻って初めて参加したボーイスカウトのミーティングがあまりに楽しかったので、その場で入隊を決めたのだった。彼は次のように述べている。
「私たちの隊長は、すべての隊員に多大な影響を及ぼしていました。彼が教えてくれた原則の一つに、
" 自分が取り組み始めたことを、最後までやり遂げるまで戻ってくるな "というものがありました。彼は、一流のスカウトになるよう私たちを励ましてくれました。そのおかげで、わが第二三隊は、シカゴ全市のボーイスカウトの中で最も優れた隊として知られるようになったのです。私は、すべての少年がボーイスカウトに加入すれば、少年の非行や犯罪の多くはなくなるだろうと固く信じています」

■ 保険事業
　こうして、若いときにさまざまな職業を経験した後、彼は、自分の本当の職業に出会ったのである。当時の保険業界には、自習のための教本や教材といったものはほとんどなかったため、彼は、大半のことを経験から学んだ。彼が学んだことは基本的なことで、それは次の三つだった。
一、保険証書を読んで、理解すること。
二、「お時間を少々よろしいでしょうか」と尋ねることを、見込み客への挨拶とすること。
三、エレベーター嬢に通報されてビルから追い出されることのないように、重役のいる最上階のフロアは最後にすること。
　新聞の売り子だったときの教訓を活かし、クレムはできる限り短い時間で多くの顧客に会うことができる場所を探した。彼は、あるとき訪れた不動産会社のオフィスで、もう一つ教訓を学んだ。彼のいつもの挨拶の言葉に応えて、その会社の営業部長が大声でこう叫んだのだ。
「若いの、物をうるときには、時間をもらえないかなんて客にきいてちゃだめだ。時間は奪うものなんだよ！」
　彼は、この仕事を始めてから数日間は、二～六件の保険の契約しか取り付けられなかったが、この不動産会社だけで二七件の契約を取り付けたのだった。