政策提案2(明るい行政改革)


「明るい行政改革」にするための組織と個人のビジョンづくり

【現状と課題】
 三重県では、北川知事就任以来、行政改革を全国の自治体に先駆けて断行し、事務事業評価システム、行政システム改革などにより、成果をあげ、ニュー・パブリック・マネジメントの考えも取り入れ、エクセレント・ガバメントへの道を着々と歩んでいるといえる。
 このことは国、他の自治体、学識者の間にとどまらず、広くマスコミの取り上げるところとなり、全国から視察が相次ぎ、多くの文献、メディアに掲載され、三重県の好感度のアップに多大な貢献をしたといえる。
 しかし、その改革を支える職員の間には2:6:2の原則を持ち出すまでもなく、抵抗感が残っていたり、抵抗しないまでも趣旨を理解し、積極的に改革に加わっていこうという職員が多数を形成するという状況には残念ながらなっていない。

【趣旨又は目的】
 三重県で進めている改革を知事のリーダーシップによるトップダウンでの「やらされ感」を職員が抱くものから、ボトム、ミドルの職員から盛り上がる改革にするために、ES(エンプロイアビリティ・サティスファクション 職員満足度)も高めることを意識し、職員に改革に対する期待感を抱いてもらうものにするためのビジョンを提示するとともに、職員個人のパーソナル・ビジョンも作成させる。

【政策の概要】
 一説によると「人間はこれから失うものの3倍の利益がないと、自らを変えることができない」という。かのレーニンも漁民相手に演説するときは、革命のことを語っていない。革命が終わったらどんな世界がやってくるかを語っていると言われている。
 また、「やる気の3段階説」によれば「自分の存在意義を実感できる」→「自分でやれると思うことができる」→「必要性を理解することができる」ということで、いかに自分でやる気をもってもらうかが大事かは自明のことである。
 そこで、まず、改革により、三重県がどのように変わり、県民にとってだけでなく、職員にとっても働きやすい職場になるという組織のビジョンを具体的に提示する。県民満足度の向上と職員の満足度のアップは本来、相対立するものではなく、Win-Winの関係にあるものだからである。
 県民満足度向上のために、職員に一方的に我慢、負担を強いるようでは改革の志気は上がらず、インセンティブも高まらない。
 さらに、職員個人にも個々のパーソナル・ビジョンを作成してもらう。自らの生き方、長期的なアンビション(大志)、自らの持つ優位性・能力を十分に検討し、三重県庁に提供する価値をシンプルにまとめてもらうことにより、三重県庁の改革で自らが何をできるか、何をすべきかを検証してもらい、当事者意識をもって主体的に、リアクティブ(受動的)ではなく、プロアクティブ(能動的)に動いてもらうようにする。

【具体化に当たっての課題】
・県民にこびることなく、サウスウエスト航空の経営陣のように「従業員が第一、顧客は第二」と公言し、「幸せな従業員こそ顧客を幸せにする」という信念を示せるか、どうかということ。
・パーソナル・ビジョンを描くことに慣れていなく、抵抗感を抱く職員に対して如何にこの試みが職員満足度の向上につながるかということを示せるか、どうかということ。



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