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政策提案3(経営概念を表す称号)
経営概念を示す称号の三重県庁での活用
【現状と課題】
民間企業のボード(取締役)にあたる方の役職名としては知事、副知事、出納長という法律で定められた三役の名称ほかは局長、部長という各部局の長としての名称があるだけである。
また、企業における役員会議に相当するものが存在しない。知事を囲む幹部職員の会議はあるが、経営責任はトップだけにある。他部局のことにはお互い口を出さないという不文律もあり、形式化している。
【趣旨又は目的】
三役について、権限序列(No1,No2,No3)を示す称号を付けるとともに、部局長については取締役会ともいうべき戦略会議などで単なる部局の利益だけを考えるのではなく、戦略思考ができる称号をつけるものとする。
【政策の概要】
1 三役に次の称号をつけて、正式名称との併記とし、自治体経営の権限と責任の所在を明確にする。
・知事兼CEO…Chief Executive Officer(最高経営責任者)
・副知事兼COO…Chief Operating Officer(最高執行責任者)
・出納長兼CFO…Chief Financial Officer(最高財務責任者)
[参考:自治体でCEOを使用した事例としては佐賀県多久市の横尾俊彦市長が「政治・行政も経営」との信念のもと、営業本部を役所内に設け、本部長としてCEOを名乗っている。
2 「戦略とは何をしないかを決めることである」(ハーバード・ビジネス・スクール マイケル・ポーター教授)ということを踏まえ、たとえ自分の部局の予算・権限が減らされることであっても自治体として総合的に判断して、「予算を奪い合う行政」から「予算を融通し合う行政」への転換を図るため、各部局長に組織のトップの長とは別に役割を示す称号を与える。
・CIO(Chief Information Officer)=副知事若しくは地域振興部長
情報担当役員。情報システムやデータベースの構築、管理など、IT領域の責任者。IT革命下の今日、ITがなければ不可能な戦略やITがあるからこそ可能になる活動をとらない限り、自治体としても存続は難しいとまでいわれる状況が出てくると予想されるので、CIOの担うべき責任は増大している。
・CKO(Chief Knowledge Officer)=総合企画局長
知識担当役員。ナレッジ・マネジメントの責任者として、自治体経営に必要なデータや情報、経験、教訓等を収集・蓄積し、自治体の意思決定や行動に活用し、統括する役割を担う。
・CQO(Chief Quality Officer)=総務局長
行政経営管理責任者。行政経営品質に即した自治体経営を行うための責任者として他の部局のマネジメントをする。
・CPO(Chief People Officer)=生活部長
生活者起点の考えに立って、顧客である県民とのコミュニケーションをワンストップで統括する。
・CGO(Chief Green Officer)=環境部長
資源管理、環境対策の責任者として環境経営を実践する。
【具体化に当たっての課題】
・そもそも経営の権限や役割を示す称号が自治体の三役や部局長に馴染むかという意見が出る可能性が高い。
・すべての部局長にその権限、役割に相当する称号がつけられない場合、部局長間の権限が横並びにならなくなる。
<経営用語の解説>
CEO(Chief executive officer)
経営最高責任者。会長、社長等の通常の職位とは別に実質的な序列を示す。通常、会長がCEO、社長がCOOである場合が多い。この場合、意思決定者と業務執行責任者の関係が明確化する。もともと、アメリカ企業のトップマネジメント層の呼称であったが、ソニーやダイエーのように日本企業でも採用されてきており、名誉職化しがちな会長がCEOとして実権を握ることもある。
COO(Chief operating officer)
最高執行責任者
CFO(Chief financial officer)
最高財務責任者。従来の日本企業の組織でいえば、経理担当役員が近い役割を果たすが、アメリカ企業のCFOは、企業の事業収支だけでなく、運転資金や資本の調達・使途、投資活動までをつかさどり、企業価値を向上させるためにあらゆる手段を講じる。日本では、ソニーなどで導入されているが、連結経営が重視されるに従い、CFOは今後一層脚光を浴びるものと考えられる。
CIO(Chief Information Officer)
情報担当役員。企業の情報システムやデータベースの構築、管理など、IT領域の総括責任者である。従来、多くの企業では情報分野に関してはCIOに任せきりの状況であったが、IT革命下の今日、ITがなければ不可能な戦略やITがあるからこそ可能になる企業活動をとらない限り、企業の存続は難しいとまでいわれる状況になっており、CIOの担うべき責任は増大している。アメリカ企業では、CEOとCIOが車の両輪の関係に近づき、ITと経営戦略の距離が縮まってきている。
CKO(Chief Knowledge Officer)
知識担当役員。欧米で浸透し始めた企業のナレッジ・マネジメント(知識管理)の責任者。企業経営に必要なデータや情報、経験、教訓等を収集・蓄積し、企業の意思決定や行動に活用し、統括する役割を担う。企業にCKOが存在していると、その企業が知的資産を経営資源として重視していると内外にアピールすることができるが、その一方で、その知的資産を有効活用し得る組織づくりも欠かせない。
CQO(Chief Quality Officer)
品質管理責任者。活用例:ユニチャーム
CGO(Chief Green Officer)
資源管理、環境対策責任者。活用例:三菱マテリアル
CSO(Chief Security Officer)
危機管理責任者。活用例:日産自動車
CPO(Chief People Officer)
コミュニケーション統括者。活用例:アスクル
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