観光カリスマモクモク吉田専務の講演


「観光カリスマ」に選出された伊賀の里モクモク手づくりファーム
http://www.moku-moku.com/の吉田修専務の講演がありました
ので、その概要と感想を共有します。

○日 時:平成16年1月23日(金)19:00~20:00
○場 所:松阪市華王殿
○講 師:伊賀の里モクモク手づくりファーム専務理事吉田修氏
○テーマ:「企業的農業経営による地域ブランドと農村交流ネット
      ワークづくり そして、将来の夢の経営について」    
○内 容:以下のとおり(文責 山路)

・ダブル「修」コンビである社長の木村といっしょにやってきた。木村
も地域活性化の賞(「地域産業起こしに燃える人」)をもらっている。
・小泉総理は何で人気があるのかをテレビキャスターが分析してい
た。言葉には意味を伝える言葉と思いを伝える言葉があるが、小泉
さんは思いを伝えているから人気がある。今日は意味ではなく、思い
を伝えることにしたい。
・今から15年前に19名が200万ずつ出してハム作りを始めたが、3月
で3千万赤字を出した。温泉の開設にも4億必要だったが、金がない
ので、会員から風呂桶募金で1億8千万集めた。会員には商いでは
なく、考え方を支持されたと思っている。
・計画は全体の5%を占めるに過ぎず、残りの95%は実行力だ。
・松下の赤字の原因について社長がしがらみ、摩擦を恐れること、
会議主義、ヒット商品がない、危機意識の欠如を挙げていた。
・モクモクでは3つのことに力を入れている。1つは情報発信で、年間
650件、全部タダ(パブリシティ)で発信している。情報量は販売高に
比例する。
・2つ目は組織力である。我々は会員3万世帯、10万人の胃袋を持っ
ている。
・3つ目は企画力。頭が良いからと言って企画ができるわけではない。
本を読む力と事業に必要な人の心を読む力は別。
・企画は問題意識がないとダメ。企画室という組織をつくってもダメ。
情報を得るのは人の話を聞く、いい所を見る、本を読む、といった
ことからだが、それだけでは真似事。
・なかにし礼は、作曲した4千曲の内、ヒット曲はつくった時点でわか
ると言った。
ほとんどの仕事は、テクニックと経験でできるが、ひらめき(感性)が
大事だということ。
・3つの力に加えて5つの視点を大事にしている。
1 女性の視点ー食文化は、胃で食べる→舌で食べる→脳で食べると
 変化している。商品は同じでも会社の考え方、理念を消費者が支持
 する時代である。
2 本物の視点ー本物とは自然や人々への優しさのために作り手の
 苦労が結集したものである。
3 農業者の視点ー儲かるからといって食べ放題にはしない。食農教
 育をやる。
4 生活者の視点ー安ければ良いという消費者以外の6割の消費者
 がターゲット
5 運動の視点ー事業と運動の一体化。商売人は尊敬されない。
・スタッフに心がけさせている10か条を紹介する。
1 楽しいスタッフースタッフは同士であり、従業員ではない。「過去的
 人間」=酒を飲んで昔の話が7割を占める人間をもってこない。現在
 形の人間をもってくる。マネージャーは年俸制(450万)で6段階評価
2 自主性、自律性、自前の発想を大事にする。
3 時代の風、置かれた環境を考え、価値を創造する。
4 ダメ元の遊び心ー冒険心を大事にex とんとん神社、地ビール
5 ナショナルブランドや都会にあこがれない。
6 成熟と未成熟の組合せex パンとパスタ
7 サザエさん一家をつくる 主力のハムがサザエで後はカツオ
8 カローラやサニーといった大衆商品を作らない。
9 デジタルとアナログの組合せ ITで愛が低下しないように
10 自分たちが生きたい、食べたいものをつくり、消費者に迎合しない。
・今年、40棟の宿泊棟をつくり、乳牛を飼い、乳搾り、チーズつくり体験を
して、消費者教育を自らやる。思いは「世界ウルルン滞在期」である。
それ自体は儲かるものではないくても、モクモクを去るとき泣けるように
なるのが目標
・第一次が農業で、第二次が販売で、第三次が体験で、第四次は教育
と考えている。いずれは本も出版したい。
・三重スローライフ協会というNPOを立ち上げて、地元のものを回すライフ
スタイルを進めている。スローライフには、スローペース、スローウェア、
スローフード、スローハウス、スローインダストリー、スローエジュケーション
スローエイジングの7つがある。
・基本的に市民権を得るのは2年が勝負だと思ってやる。
・モクモクの強みとしては、
1 スタッフ各自がそれぞれ目標を持っている。
2 責任を持って任されている。
3 よりよくするため、提案している。
4 スタッフが経営陣と近い。
5 スタッフの自由な発想がある。
6 下からの提案にマネージャーがすばやく行動している。
ということが挙げられると外部の人に言われたことを紹介して終わる。

○感想
・吉田専務や木村社長とは、モクモクがオープンした頃からのお付き合い
ですが、お話を聞いてこれまで何回も経営危機があったことを知りました。
・それを強い意志とお二人のリーダーシップで乗り切ってこられたのだなあ
と感心しました。
・借金返済の期日が迫ってお金を工面できないとき、それをスタッフに正直
に話したら、マネージャーの皆さんが「こんな良い会社をつぶしたくない」と
200万ずつ出してくれたという話には、感動しました。
・皆さんもそういったスタッフの熱い思いがこもるモクモクを訪れてみてはい
かがでしょうか。



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