ローカル･マニフェスト関西記念フォーラム
１ 日 時：平成17年1月27日（木）19:10～19:40
２ 場 所：大阪市大文化交流センターホール
３ 講 師：北川正恭早稲田大学大学院公共経営研究科教授
４ テーマ：「ローカル・マニフェストの可能性」
５ 内 容：以下の通り（文責 山路）
・ちょうど2年前に四日市で改革派の知事連中にマニフェストの作
成をお願いしたが、当時はマニフェストと言っても共産党宣言か、
環境関係のマニフェストと思われていた。
・それが今は、マニフェストの講演で全国を回っている。マニフェ
ストにはパーティ・マニフェストとローカル・マニフェストがある。
・これまで戦後3回、地方分権のウェーブがあった。最初は長洲元
神奈川県知事が提唱した「地方の時代」であり、2回目が1980年代の
多極分散型国土形成法やリゾート法が整備され、4全総がつくられ、
首都機能移転が議論された。3回目が、2000年4月の地方分権一括推
進法であり、国と地方が対等の関係とされ、機関委任事務が廃止さ
れ、法定受託事務と自治事務に分かれた。税財源については、追っ
てということになり、三位一体改革で議論されている。
・現職の首長はマニフェストが書けないと言うが、選挙で出した公
約はなにか。うそなら詐欺である。
・制度が長く続くと、こんなものだと思い勝ちになる。ローカル･
マニフェストが配れないなら、そんな公職選挙法は改正すべきであ
る。これまで私もさんざんやってきたが、選挙で候補者の名前を連
呼するのをやめる運動をなぜやらないのか。
・公約は選挙までの約束と思われていた。政治家は信用できないか
らと官僚、役人を信用した結果が700兆円の借金であり、「大阪市
役所」になった。
・ジュリアーニ市長はニューヨークを変えた。政治家の熱い思いを
支えるのは市民である。
・体制が続くと「立場の証明」になる。日産のカルロス･ゴーンが
「日産はなぜ儲からないのか」と社員に聞いたら「税制が悪い」と
いうことだったので、「それならトヨタはなぜ儲かっているのか」
と聞いたら誰も答えられなかった。
・政治家が変わったら役人は賢いから変わる。日産でのコミットメ
ントは全体最適にあたる。マニフェストで強い首長になる必要があ
る。
・これまで議会は首長の追認機関だった。中央集権は、首長と中央
省庁が結託していた。マニフェストは気づきの道具だ。
・全国8ブロックで推進大会をやる予定だったが、沖縄、盛岡、秋田、
北陸などが増えた。2月4日に東京で全国大会をやる。
・不偏不党で推進し、分権自立度を高める。多様な主体が地域をつく
りあげ、ガバメントからガバナンスになる。
・市民は統治客体から主体になる。多様な主体をコーディネートする
のがパブリック･セクターである。
・自治体は全部つぶれている。反論するなら負債を返せるのか。借金
を返せないなら民間ではつぶれている。
６ 感 想
久々に北川節を聞きましたが、首長というしがらみから開放され
たことによるせいか、現職の知事当時より、一層歯切れが良くなっ
てように感じました。
本当に不思議な魅力をもった方です。質問をした人がみんなしか
られているのに、北川さんの魅力に魅かれ、やる気になるのです。
私も知事レク当時から経験していますが、今回のマニフェスト運動
のように風をつかむ抜群のセンスと、この、人を惹きつける人心掌握
能力は、もって生まれたもなのか一度伺ってみたいものです。
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