逢坂誠二ニセコ町長のインタビューから



Q北海道知事選挙に出なかった理由は?
A「どんなプロセスで知事に就くか、『なり方』が非常に重要です。特定の組織、グループの支援を得て選挙を戦えば、就任後に打ち出す政策に一種のバイアスがかかり足かせになると考えました」

Q知事はどうあるべきと考えるか?
A「国の政策をいかに当てはめるかではなく、地域の実情をみて国に改善を求めるのが道政の役目であるべきです。ゴミ問題でも介護保険でも、広域の視点で自治体を調整する役割が求められています。単に国のメッセンジャーなら知事なんていらない」

Q今回、候補者にも有権者にも「脱政党」「無党派」が目立つ。
A「私は無党派の首長や議員には限界があると思っています。住民参加や情報公開、行政評価などでそれなりの実績をあげてきたが、それらは地域の中だけで対応できる課題です。でも国政に引き上げて議論しなければならない課題は山のようにある。それができるのは政党です。今ほど政党のパワーが必要な時はない。今回で無党派選挙は最後にし、次の選挙ではローカルとされた課題を国政で議論できる政策集団の登場が必須です」

Q自治体は地域を立て直す力があるか?
A「地方に元気がないと言われますが、それは経済の話。行政システム改革や独自の政策立案などは、むしろ『地方からの発信』ばかりです。行政評価は三重県から、議会改革は鳥取県から、情報公開はニセコ町からというように」

Q有権者は何を基準に投票すべきだと思うか?
A「自分の言葉で語れる人を選んでほしい。公約やマニフェストを作るのと実現する力、意思は別です。それを見極めるための一つのリトマス試験紙が、言葉なんです」(以上引用)

○私の感想
 逢坂町長の考え方に共鳴し、直接のやり取りなども通じてご指導いただいている私としては、逢坂さんが北海道知事の候補に取りざたされたとき、単純に嬉しく思い、より大きなステージで活躍されるチャンスだと思いましたが、やはり逢坂さんがおっしゃるように「知事になるプロセスが大事」なのでしょう。
 関西学院大学の小西砂千夫先生によれば「都道府県は市町村と国の中間団体の役割に徹した方が良い」ということです。都道府県が市町村のように純然たる自治体かどうかにはいろいろな側面があり、単純に論じられないと思いますが、少なくとも逢坂さんの言うように国のメッセンジャーなら要らなくて、市町村が国と直接、折衝した方が効率的なわけです。
 都道府県を介する意義を考えないとそのレーゾン・デートル(存在意義)を否定されかねません。
 逢坂さんが指摘するように、ニセコ町の自治基本条例や三重県の評価システムが全国に情報発信した意義は大きいと思います。なにしろこれまでソフト面の発信は国からのみで、地方からの発信は補助金でつくられたハコモノなどのハードに限られていたわけですから。
 最後に有権者としては、選挙に組織票という概念があるのがおかしいと考え、一人ひとりが候補者の発することば(公約、マニフェスト)で判断しなければいつまで経っても日本に民主主義は確立しないと思います。




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