市町村合併における名前へのこだわり


 銀行なり市町村で合併により名前が変わるケースが多くなっています。最近の例では、第一勧業銀行と富士銀行が合併して「みずほ銀行」になり、三和銀行と東海銀行が合併して「UFJ銀行」になりました。
 また、浦和市、与野市、大宮市が合併して「さいたま市」が誕生したり、田無市と保谷市の合併で「西東京市」といった具合です。
 元の名前には、それぞれ由来があり、また、行員や職員のみならず一般の利用者にも愛着があったことを考えると合併後の名称を安易に考えているきらいがあるように思います。
 別にひらがなやカタカナ、英字の名前を有り難がっているわけではないのでしょうが、もう少し考えて命名してもいいような気がします。
 合併に伴うみずほ銀行の一連の混乱ぶりを思い出すと、名前を考えるのと同じぐらいの安易さで統合を進めたことに原因があったと考えたくもなります。
 東京三菱銀行のように両方の名前をくっつけるだけでは芸がないようにも思いますので、新しい名前を考えるには、Aでもない、Bでもない、第三の価値(サードバリュー)というか、最善の方法(ベストウェイ)を探るために、ステークホルダー
(利害関係者)や利用者、市民を巻き込んだ議論をする必要があるのではないでしょうか。
 これから長い間、愛着をもって親しまれる名前にするためにはそれぐらいの手間をかけてもいいように思います。
 合併の阻害要因としては、新庁舎の場所、合併方式(対等か編入)、議員の定数や任期のほか新市名をどうするかということがあげられています。
 県内でも話が具体化するのに伴い、議論が起こってくることが予想されますが、
伊賀地区のように合併市の名前を募集するのもひとつのアイデアかもわかりませんが、その後の選択と決定が肝心です。
 すべての住民が賛成する名前にするのは無理でしょうが、説明して納得していただくレベルにする必要があると思います。
 山梨県中西部の白根町、若草町、櫛型町、甲西町、八田村、芦安村の6町村でつくる法定合併協議会では来年4月に合併してつくる予定の新市の名称を「南アルプス市」に決めたそうです。一般公募した中で「雄大で新鮮なイメージ」と若い世代を中心とした支持を集めて、「巨摩市」を押さえたようです。
(02/9/26 メルマガ43号より)



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