【「ガンバリマス」は通用しない】



 JTBの労組は昨年、組合大会でのガンバロー三唱の廃止を決めた。
 「言葉の意味がはっきりしない。一緒になって手を上げるのが格好悪いという
声も若手からあった」からだ。
 JTBはここ数年、成果主義賃金など、社員の処遇の「個別化」を強めている。
 労組の浦野修委員長は「以前は賃金もほぼ平等に上がり、ガンバローもみ
んなで言いやすかった。今は組合員の多様化した要望に日々どう応えていくか。
形式にこだわっていられない」と話す。

 キャノン労組が組合員向けに催している研修会の風景。
 「『がんばります』『効率的に努力します』といった抽象的な表現は、あなたに
対する上司の評価に主観が入りやすくなります」「数値目標は具体的に挙げる。
あなたが主張する時間が足りないと思ったら、上司にきちんと言ってください」
 上司との面接の受け方、コミュニケーションの取り方などの手ほどきである。
 キャノンは02年度から定昇を廃止し、社員の仕事ぶりや成果の評価が賃上
げを大きく左右する制度を始めた。仕事の目標と成果を上司と話し合う年2回
の面談は、事実上の賃上げ交渉ともいえる。社員一人ひとりが個別に臨む交
渉が、組織と組織が向き合う「団交」より大切になった。
(03/7/5 朝日新聞夕刊「さよなら『日本会社教』下 役割終える『ガンバロー』
より抜粋引用)

 ~~~~~~~~~~~~ここまで引用~~~~~~~~~~~~~~

 組合の大会などで「団結、ガンバロー」と唱える習慣にはずっと違和感を感じ
ていました。
 何に対してがんばるのかわからないし、労使対決時代の単なる形式にこだわ
っているような気がしたからです。
 一人ひとり能力や働きぶりが違う以上、それに対する賃金にも差があって当
然です。悪平等を追求し、あくまでもみんなが一緒の待遇を求めるという要求
は組合員のニーズにも合致していないのではないでしょうか。
 それからもはや当局に何かを要求して勝ち取る時代ではありません。県民に
説明できないものを当局との交渉で勝ち取るということはできないのです。
 三重県で言えば、カジュアルデーや庁舎の完全分煙、女性職員の制服廃止
などの改革はほとんど当局や職員からの提案で実現しました。
 本来、こういった職場の環境改善に関することに対してこそ組合はもっと積極
的に取り組むべきではないでしょうか。
 組合費に見合う活動をしないと加入率が下がると思います。組合員一人ひとり
の要望を聴いてそれを実現させるように組合自身も改革する必要があるのでは
ないでしょうか。 



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