【トップの構想力】


 この世の中に永久不変の組織というものはありえない。組織といえども、時代
や状況の変化に応じて変わらざるをえない。大きな節目がやってきても、従来
のやり方に固執すると、勝ち組といえども負け組へと転落してしまう。伊藤忠商
事の丹羽宇一郎社長が「組織というものは人間と同じように生き物ですね」と実
感するのも当然であろう。
 情報の問題でも、これだけ通信手段が進み、情報の共有化が進むと、トップが
情報を独占するという優位性は減ってしまう。つまり、情報独占でピラミッド組織
を動かすというスタイルはあまり価値のないものになってしまう。
 そのことを痛感している経営者は次第に多くなっており、新しい組織形態を考
える企業も出てきた。
 オリックスの宮内義彦社長はこう断言する。「日々のオリックスは部課長が動か
しております。したがって経営トップの役割は日々の仕事をこなすことでなく、3年
先のことを考えることにしています」
 トップやトップ層に構想力のない組織は、とうてい勝ち残ることはできないだろ
う。
 では、当の構想力をいかに発揮するかだが、そのためにはまず日頃から問題
意識を整備しておく必要があろう。
 さらにその問題意識を高めるには何が必要かということになるが、優れた経営
者の多くは「自分なりの仮説を立てることだ」と異口同音に言う。
 (「WEDGE 2003 APRILより)

 ~~~~~~~~~~~~ここまで引用~~~~~~~~~~~~~~

 構想力はトップにだけ必要なものではありません。一般の社員、職員も仕事
をする際には、1ランクも2ランクも上の役職の視点を持つことが大事です。
今、係長なら課長はおろか部長の意識を持つ習慣をつけること、すなわち構
想力を持つことが必要です。
 構想力を発揮するには、問題意識を持つことが必要で、問題意識を高める
には、自分なりの仮説を立てることだと言われても、なかなかすぐにはできな
いかも知れません。
 しかし、日頃からアンテナを掲げて、問題意識を持ち、物事や事象を漠然と
見逃さないセンスだけは磨いておきたいものです。



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