<歴史を動かした言葉>


「歴史を動かした名言」武光誠著 ちくま新書より
◆引用 ◇解説 ○私見

◆世の中の人はなんとも言わば言え
 わが為すことは我のみぞ知る
 (坂本竜馬)

◇これは、苦難にたちむかって信じる道を進む者への励まし
となるものである。新しいことを企てると、必ず抵抗にあう。
そういったときに安易に妥協してしまうと、たいした成果が上げ
られない。

○事を成そうと思えば、「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」
司馬遷『史記』という気概を持ちあわせたいものです。


◆自分が立案した政策が大きな成果を上げるのを見ることは、
子供の成長を見る親の喜びに似た、人生最大の楽しみである
 (松平定信)

○自治体職員の喜びというか、やりがいのひとつも自身が立案
した政策が地域の内発的発展につながることです。


◆人生はつくるものだ、必然の姿などというものはない
  (坂口安吾)

○未来は予測するものではなく、自らつくるものです。


◆多忙とは怠惰(なまけもの)の遁辞(とんじ)である。
 今日すべきことを今日しなかったら明日は必ず多忙である。
  (徳富蘇峰)

◇苦難を恐れずその時やるべきことをやる人間が成功者になる。


○時間は万人に平等ですから、忙しいということを何かをできない
理由にしてはいけません。


◆仮令(たとえ)玉砕すとも男子の本懐ならずや
  (軍部の利己的主張と対決した元首相 浜口雄幸)

◇ここまで言いきれる指導者は、じつにたのもしい。自分の地位、
権力や党利党略より国益のために行動し、場合によっては、自分
の命までも失ってもかまわないというのだ。政治家は、つねにこう
ありたいものである。

○玉砕は大げさとしてもそれくらいの心意気で事にあたりたいも
のです。


◆青年は安全、確実な株を買ってはいけない(ジャン・コクトー)

◇安易に進める方向を、多くの者が選ぶ。それが「安全な株」だか
らである。しかし、義を実現する途は、それとは反対の妥協を拝した、
ときには身に危険が及ぶ厳しいものなのである。

○かつては安全だと思われた「寄らば大樹の陰」ということがリス
クになることもあります。


◆水を飲んで楽しむ者あり、錦を着て憂うる者あり
  (江戸時代半ばの儒者 中根東里)

○物事は考え方です。隴を得て蜀を望む者もありますが、足ること
を知り、足らざるを嘆かないようにしたいものです。


◆順逆は人生の陰陽なり。死生は昼夜の道なり。何をか好み、何
をか悪まん(江戸時代の陽明学者 熊沢蕃山)

○「人間万事塞翁が馬」ということですね。


◆人は城、人は石垣、人は堀、情は味方、仇は敵なり
  (武田信玄)

◇信玄は、情をかけることによって自分を支えるくれる者を増やす
ことができるが、人に仇をなせば周りから人々が去っていくという。

○幼い時、川中島の戦いなどの戦記を読むのが好きでしたが、
私はどちらかと言うと上杉謙信の方のファンでした。そしてその時
は、信玄のこの言葉の意味がわかりませんでしたが、記憶には
残っています。


◆学問するは、心を直さんがためなり。
 当世の人は物をよく読みつけんとのみして、心直さんと思えるなし
  (鎌倉時代の高僧 叡尊)

◇「多くの書物を読んでいるから自分は偉い」と考えるために学問
をするのではない。まっすぐな考え方、生き方を身につけるために
学問をするのだという。

○本を読んで何かを知っていることはもちろん大事ですが、もっと
大事なことはそのことに対して自分はどう思っているかという意見
を言えることです。


◆人間の社会において最も堕落するのは、いつも最上層の富者
と、最下層の貧者であって、世の中の退廃はまずこの二者から
始まり、漸次、社会に移り広がるのである
  (進化論の研究者 丘浅次郎)

○多くの場合、中間層は上や下の影響を受けて動かされやすい
主体性のないクラスということになるのでしょうか。


◆政策の終局的決定は、人民の意向に拠って決定せねばならない
  (政治学者 吉野作造)

◇日常の些細なことは、官僚に任せておけばよい。しかし、国が
右へ進むか左へ進むかを決めなければならないときには、広く
情報を公開して、国民にその問題を十分に考えさせたうえで、
その望むところに従った政策をとらねばならない。

○住民が意見を言えるためには、情報というメニューがわかりや
すく共有されていることが前提です。


◆政治家は手腕ばかり如何に勝ぐれても、徳望がなくてはだめで
ある(歴史学者 辻善之助)

○有権者としても次の選挙のことを考える政治屋ではなく、明日の
日本、地域のことを考える政治家を選ぶ眼を持つ必要があります。


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