<私が気づきをいただいた言葉>


 「気づく力」畑村洋太郎ほか著 プレジデント社より

※肩書きは、私が知る限りにおいて現在のものに変更しましたが、
不明の場合は、本に記されたとおりにしましたので、現在のものと
は必ずしも一致しないことをご了解ください。 
  (■引用 ○私の意見)


■思考能力は実行能力とペアで実行されなければならない。
 思考する能力は、知的好奇心と成功したいと思う強い願望が
前提にあると考えるが、現在の日本企業の経営者、管理職、
社員は、その前提さえも欠落しているといっていいだろう。
(経営コンサルタント 大前研一氏)

○中谷巌氏が、日本という国を「ヘッドレス・チキン」(頭がなくて
どちらに行ったらよいかわからず迷走する鶏のこと)だとオース
トラリア人の大学教授が言うと書いていたのを思い出しました。


■情報とは持っていることだけで満足していてはダメで、それこ
そ新聞に載った一行を見て、「これはこうなるぞ」と自分なりに
咀嚼し、それを仕事などに活かしていくことで初めて情報として
の価値が生まれてくるのである。
 役立つ情報とは、こちらが対話の姿勢を見せなければ入って
こない。逆に言えば、対話こそが情報を得るために欠かせない
最良の方法だと考えている。
 私が情報を得るうえで対話の重要性を強調するのは、自分
自身の判断能力には限界があると思っているからだ。
(花王会長 後藤卓也氏)

○何かを知らないより知っている方が良いに決まっていますが、
より重要なことは、そのことに対する自分なりの考えを言えるか
どうかです。
 また、リアクティブ(受身)の姿勢では良い情報は得られず、
プロアクティブ(積極的)な姿勢で臨んでこそ、欲しい情報が手に
入ります。


■同じ情報を得ても、ビジネスチャンスに結びつけられる人と、
右から左へ抜けてしまう人がいる。情報を生かせる人と生かせ
ない人の違いは個人の感応度、センシビリティの良し悪しから
生まれるもので、日頃から本や雑誌を読み込んで多くの情報に
接し集積している人は、一つの単語なりキーワードをキャッチし
たときに、それに関連する情報が頭の中にずらずらと出てくる
ものである。それがビジネスに生きるのだ。
 人間は誰しも同じような能力を持って生まれてきているが、
普段の訓練の有無で大きな差が生じてくるのである。感応度の
高さ、良し悪しとは、そういう努力の違いによるものだと思う。
(伊藤忠商事会長 丹羽宇一郎氏)

○「スキルは教えることはできるがセンスは教えられない」とは
言いますが、世の中に努力によって身につけることができない
ものはほとんどないと言っていいのではないでしょうか。


■解決策を見出す重要な作業とは、第一に、既成概念を捨て、
社員の声に耳を傾けなければなりません。その前提として、
経営者が耳を傾けようとしているという姿勢を理解してもらわな
くてはならない。
 第二に、何から手をつけていくべきか優先順位を決め、それら
をリンクさせなければなりません。
(日産自動車社長兼CEO カルロス・ゴーン氏)

○カルロス・ゴーン氏が日本人の美徳として賞賛した、デッドラ
イン(締め切りを守る美学)や、コミットメント、クロスファンクシ
ョナルなどは、言葉はともかく考え方としては当たり前のことで
すが、それが実行できるかどうかがエクセレントな経営者かど
うかの差です。


■何かに取り組むときに100%全力で頑張ってはいけない。
「脇目も振らず」という言葉があるが、そうなると対象の仕事以外
はまったく目に入らない。90%の力を注いで、10%は「自分が今、
どういう状態にあるのか」をセルフモニタリングする余力を残して
おく。それもまた、気づくコツなのである。
(宇都宮大学教育学部教授 橘川真彦氏)

○「岡目八目」という言葉がありますが、蟻の目とともに鳥の目も
持ち、事態を冷静に俯瞰する余裕も持ちたいものです。


■変化の速い時代というのは、激流をボートで上がっているような
ものだ。流れと同じスピードで漕いで初めて現状維持できる。上流
に行くためにはもっと懸命に漕がなければならない。現状に安住し
て漕ぐ手を緩めたら、あっという間に下流に流される。
(モルゲン人材開発研究所長 澤田富雄氏)

○トップを走っていても歩み(変革)を怠れば、すぐに周回遅れに
なってしまうということを自戒する必要があります。


■アサヒビールで変えてはいけないこと、それは経営理念になる
わけだが、ひとことで言うなら「品質」だ。安全でおいしく新鮮なも
のをお客様に提供する。極端にいえば、それ以外のことはすべて
変えてしまってもかまわない。
(アサヒビール社長 池田弘一氏)

○変えてはならないものを変えず、変えなくてはならないものを
変える冷静な判断と勇気を持ちたいものです。


■自分と異なる考え方を尊重する気概を持つことが、とりわけ
トップの人間には必要です。GEで言うところの「Every idea counts
(すべてのアイデアに価値がある)」ですね。企業の歴史を見ても、
多様性を排除したところは成功していません。
 もう一つは、ネガティブな情報を歓迎するということ。
「Bad news first」です。
 忘れてはならないのは、会社は仕事をするための組織である
ということ。大人の幼稚園ではないんです。人間関係に配慮し、
和気藹々とした雰囲気を保つことを優先して、下すべき決断を
下さなかったりすれば、企業として進むべき道を誤ってしまうと
思います。
(GEコンシューマー・ファイナンス社長 山川丈人氏)

○周囲の皆と同じではなく、変わっているということに価値があり
ます。また、悪い情報はトップが現場へ取りに行くべきもので、
部下が報告してくれたときは、感謝しないと以後、上がってこなく
なります。
 また、働いている職場は、民間でも官公庁でも仲良しクラブでは
ないということも忘れてはならず、対価を得ていることに対する厳
しさが必要です。


■日本人は考えている途中のアイデアを人に話すのを嫌う人が
多い。これはもったいない。人に話すことで、自分の考えがまとま
る。自分が考えが及ばなかったことを指摘される、それが刺激と
なり発想が広がるということが、私の経験でもよくあることだ。
(カーネギーメロン大学教授 金出武雄氏)

○ブレーン・ストーミングの4つの原則の一つである結合改善を
図るにはフィード・バックが欠かせません。


■いかなる決定、決断も賭けであり、常にリスクが伴う。欲しいと
思っている情報や必要だと思っている条件が揃わないうちに動き
出さなければならないのが決断の常なのだ。
 きちんと決断のできる人はそれをわきまえていて、条件が不足
していることを自覚しながらきちんと決めていく。
 一方で決断のできない人に限って、条件が揃わないことを言い
訳にしたがる。そういう人は、たとえ十分な条件が揃っても、まだ
あれこれと不足の条件を並べ立てようとするものだ。
(工学院大学教授 畑村洋太郎氏)

○できない理由を探すのではなく、できない理由を一つずつ消して
いきたいものです。
 Jリーグを発足させるとき、当時の川渕チェアマンが時期尚早と
の声に対して「時期尚早と言う人は、100年経っても時期尚早と言
うだろう」と言って決断した姿勢を見習いたいものです。


■会社の仕事というのは行動したほうが勝ちで、行動しなかった
ほうが負けなんだと、いま思う。そういう意味で、サラリーマンは
自分の信念でどんどん行動する時期が必要だと思うのだ。
 言葉は無限、しかし、行動はひとつである。あれこれと可能性
ばかりを検証して、結局何もしなかったというサラリーマン人生
ほど、後悔するものはない。
(元マツダ社員 迫 勝則氏)

○小田原評定を長々と続け、何も決断しなかった北条氏は秀吉
に滅ぼされました。
 私は、退職の時は、絶対に「皆さまのおかげで大過なく」とだけ
は言いたくないと思っています。「大過なく」とはすなわち何もリスク
があることに挑戦しなかったという証だからです。
 後輩に向かって「失敗したけれど果敢にチャレンジしたことが誇
りだ」と言いたいものです。

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