＜壁を破るプロの言葉＞

　「仕事の壁を破る！プロフェッショナルの言葉」
　『THE２１』編集部編より

　（■引用　○私の意見）

■何かの問題や課題に直面したとき、人間がとる行動は、「なんとか
解決できる」と考えて頑張るか、「これは解決できないな」とあきらめて
しまうかの二つしかない。そして、そのどちらを選ぶかで、仕事ができ
る人か、できない人かは決まるんです。（寺田　和正）

○いつも、まずはやらないと決めて、できない理由を考えることから
はじめては話になりません。
　必要なことならやると決めて、できない理由を一つずつ解決してい
きましょう。

■新しくビジネスを始めれば、十回勝負して一回勝てればいいほうだろ
う。逆に九回の失敗をその後に活かせる人でなければ、成功をつかむ
ことはできない。（柳井　正）

○柳井さんの本（新潮社）のタイトルにあるように「一勝九敗」ですね。
　しかし、打率と違い、新しいビジネスに挑戦することを考えれば、成功
率が1割でもすごいことではないでしょうか。重要なことは失敗を活かし
て今後の成功率を上げていくことです。

■会議というのは、誰がどんな考えをもっているか、自分の考えに近い
人間は誰か、ほんとうに発言力をもっているのはどの人物かといったこ
とを、情報収集する場でもあるんです。（酒巻　久）

○時間の無駄のように言われる会議ですが、トリンプの早朝会議やこ
のように情報収集の場として活用することなど、やり方次第で有用にな
ります。

■「頭のなかで描いていること」と「実際に動けること」のあいだには、
どうしてもギャップが生じるんですが、そのギャップが小さい人ほど
ブレイクできるのです。（平野　岳史）

○有言実行を旨する私は、取り敢えず頭に描いたことを口にするこ
とで自分にプレッシャーをかけ、実現へのフォロー（追い風）とするよう
にしています。

■評論や分析だけして、前に踏み出さなければ、失敗はしません。
でも、成功することも絶対にないんです。（柳井　正）

○観客席に座って応援していれば、快適ですが、ピッチに降りて
プレーしなければ得点をあげ、勝利することはできません。

■何事においても、うまい人に交じって練習するのが、上達スピードを
上げる最大の秘訣である。しかし多くの人は、「私にはまだ早いから」
「もう少しうまくなってから」などと恥ずかしがったり、「うまい人の邪魔に
なるから」と遠慮したりして、それをしない。（齋藤　孝）

○「地位が人をつくる」という言葉がありますが、今の自分の実力より
一段上のステージに身を置くことで自分を向上させることができるとい
うものです。

■サラリーマンの最大の魅力は、思いきってバットを振れること。
　ドラマって、一本つくるのに数億円もかかるんです。これを自分のお
金でやっていたら、思いきった挑戦なんてできませんよ。（大多　亮）

○公私混同ではなく、公私融合の精神で組織をうまく利用し、自分も
成長してより高い成果を上げることで組織に貢献していくことが双方
にとってWin-Winの関係になるのではないでしょうか。

■リーダーはチーム全体の雰囲気を高めるための「宴会部長」だと
いうと、イメージしやすいかもしれません。（高木　晴夫）

○リーダーの十分条件として明るいこと、一緒にお酒を飲んで楽しい
ことなどがあるかもわかりませんね。

■部下を教育するうえでもっとも重要なことは、部下を「説得」すること
ではなく、部下に「納得」してもらうことである。（堀　紘一）

○地位によって説得して仕事を命じるよりも、その仕事の必要性を納
得してもらった上で仕事をしてもらう方がはるかに成果は上がるので
手間を惜しまないことです。

■「締め切りを決めて、すぐに着手する」ことができるかどうかが、事
を成す人と成せない人の最大の分かれ目なのである。（齋藤　孝）

○締め切り（デッドライン）を守るというのは、カルロス・ゴーン氏が称
賛する日本人の美学です。

■不調や不況に陥ると、人間はどうしても変化を求める。しかし、
「変えてよくなるところ」と「変えても意味がないところ」をきちんと腑分
けしておかないと、「改革のための改革」にエネルギーが費やされて
しまい、実質的によくしていこうというエネルギーが失われてしまう。
（齋藤　孝）

○壊れたテープのようにいたずらに改革、改革と唱えるのではなく、
「変えられるものを変える勇気と変えられないものを受け入れる冷
静さと、その両者を見分けられる知恵」（米神学者ニーバー）が必要
です。

■一つの線でしか物事を考えられない人はダメですね。これがダメ
ならこれ、それがまたダメならこれ、と次々と対策を打っていける人
が、思考力の高い人だと思います。（南場　智子）

○何にでも誰にでも好不調の波は必ずありますから、不調のときで
も全否定にならないように、勝負できるステージをいくつか持っている
ことが大事です。

■思考力というのは、「頭のよさ×集中力×考えた時間」で決まるも
の。そのうち、頭のよさや集中力なんてものはそう大差ないから、
結局、長い時間考えた人間が勝つんだよ。（飯田　亮）

○この図式によると思考力は掛け算になりますから、極論すれば、
どれか一つでもゼロなら思考力がないことになります。

■社会に出たらもう試験はない、勉強しなくていいなどといって、スポ
ーツ新聞や漫画ばかり読んでいる日本のビジネスマンをみていると、
この国には未来がないのではないかと、心配を通り越して最近は、
薄ら寒い気持になってくる。（大前研一）

○何のために勉強するのかということを考えれば、試験のあり、なし
に影響されて勉強の必要性が決まるはずはありませんよね。

■楽をしていい思いだけをしようと思っている人が多い。世の中、そん
なに甘くないし、それでは通用しない。市場での自分の相場を冷静に
見つめる必要があります。（波頭　亮）

○たとえ転職しなくてもマーケット・バリュー（市場価値）、エンプロイビ
リティ（雇用可能性）といったことを意識した上で、組織の中で活躍し
たいものです。

■責任が自分以外の人間にあるとか、他の要因にあると思った瞬間、
僕は、自分に負けるような気になるんです。（柳井　正）

○誰でも条件が同じの外部要因や自分は傷つかないように他人に責
任を求めるのではなく、指を自分に向けることで当事者意識が生まれ、
創意工夫が出てくるのではないでしょうか。

■組織で働いていくうえで、「自分の意識を自分より上のポジションに
置く」ということは、非常に重要です。
　私が平社員なら、「社長はこう考えている。上司はこう考えている。
じゃあ、自分はこういうふうに頑張ろう」と考えます。（渡邊　美樹）

○よく、「自分の職より一つ上になったつもりで考えろ」と言われます
が、担当者といえでもトップになったつもりで全体を思考した上で、個々
の事業を考える姿勢を持ちたいものです。

■仕事でも何でも、「自分がやっていることの『最終ビジョン』がみえて
いる」ということは、きわめて重要である。
　なぜなら、最終形がわかっていれば、そこから逆算して段取りを組
めるので、労力のロスを少なくすることができるからだ。（齋藤　孝）

○「真実の瞬間」の二人の石工の労働意欲の差は、自分がやってい
ることのすばらしい最終目的が理解できているかどうかです。

■人間というのは、人から指示されるのは嫌いなはずです。本人が
自発的に取り組んで初めて、いい仕事ができるし、やりがいも出てく
る。人から与えられた仕事をいくらやっても、達成感はなかなか得ら
れません。（前田　晃伸）

○やらされ感のある、作業のレベルの仕事から、プロアクティブに取
り組む「志事」に脱皮したいものです。

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