<選りすぐりの社是・社訓>


 「できる会社の社是・社訓」千野信浩著 新潮新書より
 (■引用 ◇解説 ○私の意見)

■すぐやる、必ずやる、出来るまでやる
 (日本電産)

○上記の3つの中で「必ずやる」「出来るまでやる」は当たり前のことなので、
重要なのは「すぐやる」ということだと思います。
 すなわち、今すぐできないことは一生できないというくらいの意気込みで臨ん
でこそ、何事も達成できるというものです。



1 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきではない。
2 仕事とは、先手先手と働き掛けて行くことで、受け身でやるものではない。
3 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的達成までは・・・・。
6 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地
 の開きができる。
7 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力
 と希望が生まれる。
8 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すら
 がない。
9 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービス
 とはそのようなものだ。
10 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練
 になる。
 (電通 「鬼十則」)

○徹底的にプロアクティブなところがいいですね。単なるモーレツとは違いを感じ
ます。


■スピード!! スピード!! スピード!!
 (楽天)

◇三木谷は「人間には2つのタイプしかいない。さまざまな手段をこらして何が
何でも物事を達成する人間と、現状に満足し、ここまでやったからと自分自身
に言い訳する人間」、と社訓の精神を解説する。

○前英首相トニー・ブレアのマニフェスト「Education! Education! Education!」
を思い出します。


■一人のお客さまに誠実を尽せ。これが野越え山越えの精神である。
 (ヨークベニエル)

◇業務提携しているイトーヨーカ堂名誉会長の伊藤雅敏もヨークベニエルの
社訓に似た考え方を語っている。
 「お客様は来て下さらないもの、お取引先は売って下さらないもの、銀行は貸
して下さらないもの、という商売の基本である。だからこそ、一番大切なのは信
用であり、信用の担保はお金や物ではなく人間としての誠実さ、真面目さ、そし
て何より真摯さである」(「私の履歴書 経済人 38」)

○まず、一人のお客さまに尽し、ファンになっていただくことから信用ができ、
商売が繁盛しますが、初心を忘れ、営利追求に走ったとき、暖簾が、ブランドが
傾くのでしょう。


■先義後利
 (大丸)

◇大丸には300年近い歴史がある。その大丸に伝わるのは「先義後利」の精神。
 本来は先義而後利者栄(義を先にして、利を後にする者は栄える)の7文字
で、業祖・初代下村彦右衛門が1736年に掲げた信条である。

○大丸の社是であるという「先義後利」は、中国の儒学の祖の一人、荀子の「義
を先にし利を後にする者は栄える」に由来していると言いますが、同社の奥田会
長によれば「義」は、現代では顧客満足や社会的責任を意味するそうです。


■誠意は人の道なり、すべての仕事にまごころを
 (シャープ)

◇創業者・早川徳次は「まねされるような商品を作れ」と発破をかけた。まねする
のが得意な企業が同じ関西にあったからそう言ったかどうかは定かではないが、
ときに、シャープが「ハヤマッタ電機」と揶揄されることは、その先進性ならではの
ことだ。

○松下電器が「マネシタ電器」と呼ばれていたのは知っていましたが、シャープの
「ハヤマッタ電機」は知りませんでした。


■その言動は、家族に知られても構いませんか?
 (資生堂)

◇あなたがビジネス上の判断をするときは、自問自答してください。
 その言動は、
1 法律や規定に触れませんか?
2 資生堂のイメージを損ないませんか?
3 家族に知られても構いませんか?
4 誇りをもって実行できますか?

○これに応えて行動すれば汚職やセクハラといった不祥事は起きないのではな
いでしょうか。



一、人間尊重
一、大家族主義
一、独立自治
一、黄金の奴隷たるなかれ
一、生産者より消費者へ
 (出光興産)

◇出光佐三の「主義及び方針」は、現在の出光興産の独特の社風の下地になっ
ている。その最たるものが、労働組合がない、タイムレコーダーがない、定年が
ないの「3ない」。この会社には残業という概念は存在しないし、社員は60歳になる
と自主勇退をするのである。

○「鶏が先か卵が先か」の議論かもしれませんが、「社員を信用しない」→管理す
る→「隠れて怠ける」という悪循環よりも、「社員を信用する」→「期待に応える」
→「管理不要」という好循環の方が組織と個人でWIN-WINの関係が築けると思い
ます。


■社会の大勢に即せず人為に偏する如きにては決して成功は望み得ざるべし
 (松下電器産業)

◇「生産者の使命は貴重なる生活物資を水道の水のごとく無尽蔵たらしめること
である」。これが有名な水道理論である。

 「経営とは生きた総合芸術である」と語る松下幸之助にとって、最高の製品は
松下電器という会社そのものだった。そして松下電器という製品の根幹をなす部
品は社員である。会社がまだ駆け出しだったころ、従業員には「松下電器は電器
製品も作っていますが、その前にまず人を作っています」と答えさせた。

○松下幸之助が講演で水道理論とともに有名なダム理論を展開したとき、聴衆
から「それはわかるがそのためにはどうするのか」と聞かれたとき、「私にもわか
りませんが、そうなりたいと願うことです」と答えたそうです。
 この答えにほとんどの参加者が失望した中で、京セラの創始者である稲盛和夫
だけが「そうか、そう願えばいいのか」と納得し、そのとおりに念じて行動したという

話があります。
 同じ話を聴いても受けとる方の心構えで違うものです。


■自分に対しては損と得とあらば損の道をゆくこと
 (ダスキン)

○組織でも個人でも目先の損得勘定に走り勝ちですが、長期的視点をもって
生き方、あり方を考えていきたいものです。


■徒ラニ規模ノ大ヲ追ハズ
 (ソニー)

○結果的に大企業になってしまったことが今のソニーの停滞の一因のようにも
思えます。


■三つの喜び(買う喜び、売る喜び、創る喜び)
 (本田技研工業)

○近江商人の「三方よし」(売り手よし 買い手よし 世間によし)に通じるものを
感じます。







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