<心にとめておきたい言葉>


「名経営者の至言」日経ベンチャー編 日経BP社 
 ファースト・プレスより
 (■ことば引用 ◇解説引用 ○私の意見)


■経営者の先見性というものは、単に未来を予測するということだけではな
く、むしろ未来を創造していく点にある。
 (松下電器産業(パナソニック)創業者 故松下幸之助氏)

○「未来は予測するものではなく、自ら想像するものである」と言ったのは、
パーソナル・コンピュータの概念を初めて提唱したアラン・ケイでしたね。


■ほとんどの人は結論を出さずに行動している。どこに行くのか分からなけ
れば、目的地に到着しようがない。
 (ファーストリテイリング会長兼社長 柳井正氏)

○目的地を持たない船はただ波間を漂うのみで、いつか朽ち果て海に沈ん
でしまいます。


■すぐやる、必ずやる、できるまでやる。
 (日本電産社長 永守重信氏)

○単純にして明快で十分です。私はこの言葉をデスクの前に貼っています。


■香水のにおいでなく、油が焼けるにおいが好きな経営者にならないとだ
めだ。
 (スズキ会長 鈴木修氏)

◇鈴木会長は社長時代から、毎年11~12月、関連会社も含めたすべての
工場を回り、年間数百件のムダを指摘して歩いてきた。改善は、掘っても
掘っても尽きない金鉱のようなもので終わりはない。今のラインが完璧だと
思った瞬間に、工場は死ぬー。それが鈴木会長の信念だ。

○システム、制度もつくったその瞬間から古くなり、時代遅れになります。
一息ついて安住している暇などありません。


■仕事がうまくいかないからといって、飲みに行っても、ストレスは解消しない。
 しかし「もう一回あの書類を見直そう」と考えれば、問題は解決し、翌日には
ストレスが消えている。
 (日本電産社長 永守重信氏)

◇日本電産の永守重信社長は「仕事のストレスは仕事でなくす。それがプロ
だ」と強調する。

○現実から一時的に逃避してもその現実が消えるわけではなく、時間を置い
ただけ問題が複雑化するだけですね。


■互いに契約以上のことをやっていれば、契約すらも必要がない。「感謝で
成り立つ関係」になる。
 (イエローハット取締役相談役 鍵山秀三郎氏)

○お互いに不信感で望むか、信頼関係を築くかによって契約の条項も長く
複雑になるか、短く単純になるかが分かれるように思います。


■火のついたロウソクのように、人の残された命は刻一刻と短くなる。限ら
れた時間の中で生きる意味を突き詰めれば、寸暇を惜しんで自己研鑽する
ことではないか。
 (パーク・コーポレーション社長 井上英明氏)

○「今日は再び来らず」の気構えで、一日一日を悔いなく生きたいものです。


■努力すれば2割か3割は良くなるが、その先には進めない。強く自己否定
できた瞬間に目の前の壁が消える。
 (スタジオアリス社長 本村真次氏)

○現状を是とした改善をいくら積み重ねても革新、改革はできないのです。


■ビジネスの基本は単純化すること。
 (カブドットコム証券社長 齋藤正勝氏)

○「アマチュアは物事を複雑にし、プロは物事をシンプルに明快にする」と
いうカルロス・ゴーンの言葉があります。


■一番近道で効果的に山を登って行きたい。数字というのは、自分が本当
に最短距離で登っているかを知る一番分かりやすい羅針盤になる。
 (ワタミ社長 渡邉美樹氏)

○最後に人を説得できるのは数字と現場だけだということも言えます。


■経営とは「余計なコストをなくす」ことなんだ。
 (松井証券社長 松井道夫氏)

○「戦略とは何かをしないこと」と言った、マイケル・ポーターの言葉を思い出
しました。


■うちがやるのがそんなに難しいのなら、競合他社にも難しい。
 (ワタベウェディング会長 渡部隆夫氏)

○多くの他社が参入する市場であればリスクはないように見えて逆にチャンス
は少ないとも言えます。


■物事を正しく見るには、習慣や常識は邪魔です。
 (サイゼリア社長 正垣泰彦氏)

○習慣は続けたらそうなるものであり、常識は多くの人の行動規範であるだけ
の意味しか持ちえません。


■悩み抜いた果てに「最後は死ねばいい」と考える。そのときに思い切った
決断ができる。
 (トヨタ自動車取締役相談役 奥田碩氏)

○よく開き直るときに使う言葉として「命まで取られることはない」というのが
ありますが、「死ねばいい」はそれを越えていますね。


■物事を判断するときに、正しいか間違いかは決まっていない。最終的に
成功させれば、その判断は正しい。必ず成功させるという気持ちがあるかど
うかが重要だ。
 (ヨネックス社長 米山勉氏)

○物理的な正解を求めるのではないのですから、自分の努力で結果を出す
ことで自らの判断が正しかったことを証明すればいいのです。


■失敗することはしょっちゅうある。でも、リカバリーが早い。「これはいかん」
と思ったら、悩んでいないで、一挙に解決する。
 (日本電産社長 永守重信氏)

◇賢者が優れているのは、失敗したときのリカバリーの早さだ。多くの人は
失敗を恐れて行動が遅れるうえに、いざというときの対応も後手に回る。
賢者は行動が迅速で、ミスへの対応も素早い。

○失敗した場合、その責任を追及するよりも原因を徹底究明することで次
に活かせます。


■哲学に欠ける広告では、お客さんの心を動かすことはできない。
 (松井証券社長 松井道夫氏)

○消費者に訴えかけるメッセージというか、ストーリーが琴線に響くとき消費
行動につながるのではないでしょうか。


■「こうすればいい」と部下に教えてしまうと、言われたことしかやらず、自分
で考えなくなる。だから教える代わりに質問攻めにする。
 (キヤノン電子社長 酒巻久氏)

○「魚を与えるより釣り方を教える」ということに通じるものがありますね。質
問攻めにする方も「質問力」が磨かれてWin-Winになるかもわかりません。


■叱るのはエネルギーが要りますよ。社員も嫌なことを言われたくない。だけ
ど叱らなかったら社員は育たない。問題は叱り方です。
 (日本電産社長 永守重信氏)

○自分の怒りをぶつけるのは「怒る」ということであり、「叱り」には相手を育て
ようという愛情が必要です。


■企業の大小にかかわらず、自己実現欲が高く、情報に対する感度が鋭く、
いつも変化を求めている人間が、それぞれのステージでちゃんといるもので
すよ。
 (ユニ・チャーム会長 高原慶一朗氏)

○生物の世界と同じように組織でも「2:6:2」なり、「3:4:3」の法則は当て
はまりそうですが、最下位の2なり3を取り除いても新たな最下位層が出現
するのでやっかいです。また、最上位は2もいなくて1がせいぜいだという説
もあります。


■仕事の現場で何が楽しくないかといえば、やることが決められていることだ。
だから、うちではやることを決めないし、マニュアルもない。自分が関係する
領域で何をすべきかを自分で考え、好きなことをやる。
 (星野リゾート社長 星野佳路氏)

○ノードストロームのルールは「いかなる場合も、決定するのは社員自身」と
いうことです。すなわちお客様に最高のサービスを実施するために自分自身
で判断するということです。マニュアルは所詮最低限のやることを決めたもの
にしかすぎません。


■社長や本社が商品開発やマーケティングに権限を持つのは、1000メートル
先の的をピストルで撃つようなものだ。権限を現場に与えれば、1メートルの
所から的を撃つことができる。
 (ソフトバンク社長 孫正義氏)

○地方分権についてもまさしく同じことが言えます。中央(国)から見えない的
(現場)を撃ってもあたるはずがありません。遠くからでは現場が見えずニーズ
に即した政策を打てないのです。


■映画を見ている人が、同じ場面で泣くのは、みんなが同じ情報をインプット
されるからです。
 ところが映画のデキが悪いと、泣かせる場面で笑ったりする。会社も同じで、
会社が目指す方向にみんなで進んでいくには、情報の共有が欠かせない。
 (吉越事務所代表 吉越浩一郎氏)

○議会の答弁でみんなが一斉に同じ箇所をめくるのは予めできている答弁書
を読んでいるからだと慶大の片山教授(前鳥取県知事)が喝破されていました。


■私が言うだけでは説得力に欠ける。ところが辞書を引いて読んで聞かせると、
社員の納得感がぐんと高まる。しかも、お互いに共通して認識を持てる。
 (ホンダカーズ中央神奈川会長 相澤賢二氏)

○根拠、出典を示すことで、納得してもらいやすくなるということはあるかもわか
りませんね。ただ、本来的にはどこに書いてあるか、誰が言っているかではなく
正しいか、正しくないか、適当かそうでないかで、つまり発言者ではなくその発言
の中身で是非を判断したいものです。


■「ウソだけれども、理にかなっているからよい」という理解の仕方を許した瞬間
に、すべては終わるのです。
 (ワタミ社長 渡邉美樹)

○「悪法といえども法」ということでしょうか。しかし、本来的にはルールは何のた
めにあるのかを考え、ミッションを考えてルールをそれに合わせて改めるのが
正しい姿だと思います。


■コンプライアンス室を作って、分厚いマニュアルを配るだけで、不祥事を防げる
なんてあり得ない。倫理観を組織の一人ひとりに植え付けないと。
 (セコム取締役最高顧問 飯田亮氏)

○対策を立てるのに組織をつくり、マニュアルを作れば事足れりというわけではあ
りません。


■偉そうなことを言っている私でも、エゴと良心のせめぎ合いの中で生きているだ
けに、ちょっと油断しただけでも、エゴが心の中に充満してしまうのです。
 (京セラ名誉会長 稲盛和夫氏)

○性善説と性悪説がありますが、一人の人間の中には両方あって常に葛藤して
いるように思います。しかし、ここぞというときには良心に従って行動したいもの
です。


◇名経営者には3つの共通点があることに気がつきました。「志が高いこと」「思慮
が深いこと」「行動が鋭いこと」です。いずれも、誰もがそうありたいと願いながら、
なかなか実践できないことではないでしょうか。

○私は「志を高く持ち」、「有言即行」を心がけていますが、中々実践はできず、まし
てや「思慮が深いこと」には遠く及びません。

◇事業の成功とは、「自分が提供する商品やサービスの価値を認めて、お金を払
ってくれる人が、将来にわたって増えること」です。未来を先取りする発想がなけれ
ば、成功するはずがありません。足元を固めることはもちろん大事ですが、頭の中
は常に将来に向けて前進させていく必要があるのです。

○顧客にとって価値ある商品やサービスを提供するからこそ、お金を払うのにもか
かわらずお客さんが「ありがとう」と言ってくれるのではないでしょうか。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: