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<心眼力を高めるための言葉>
『心眼力』野口嘉則著 サンマーク出版
■願望を実現するうえで最も根本的で大切なことは、「ふさわしい自分になる
こと」です。
事業を成功したければ、成功者と呼ばれるにふさわしい人間になることです。
素敵な恋人がほしければ、あなた自身が素敵な人になることです。たくさんの
人から応援されたければ、たくさんの人が応援したくなるような人物になること
です。
つまり、その願望を実現するのにふさわしい人間性を具えた人物になること
が根本なのです。
これをおろそかにして、願望実現のためのノウハウやテクニックばかりを実
践しても、一時的には結果が出ることもありますが、長い目で見れば空回りす
ることになってしまいます。
スティーブン・R・コヴィー博士は次のようにおっしゃっています。
「成功するためのテクニックや手法、戦略だけでは真の成功は手に入らない」
そして、コヴィー博士は、「真の成功を達成し、永続的な幸福を手に入れるた
めには、謙虚・誠実・勇気・忍耐・勤勉などの原理原則を体得し、自分自身の人
格に深く内面化する以外に方法はない」と指摘しています。
私たちがリンゴの樹を見たとき、幹や枝葉、さらに時期によっては果実が目に
映ります。しかし、目には見えない地下に、『根』があることを忘れてはいけませ
ん。
じつは、根と枝葉は鏡のような存在で、根の広さと同じだけ、枝葉が広がるそう
なのです。ということは、枝葉を広げてたくさんのリンゴを実らせるには、まず地下
に根を広げる必要があるのです。
私たちの人格や人間性は、取り出して測ることができませんし、目には見えま
せんから、樹木でいう根のようなものです。そして、この目には見えない人格や
人間性の大きさ・深さこそが、人生の豊かな実りをもたらすのです。
○「花を支える枝、枝を支える幹、幹を支える根、根はみえないんだなあ」
(相田みつを)
NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」で取り上げられた「奇跡のリンゴ」を
生み出した青森のリンゴ農家木村秋則さんが成功したのも最終的にはリンゴの
根の大切さに気づいたからだそうです。
優雅、華麗にみえる白鳥の泳ぎを支えているのは見えない水面下での必死の
水かきなのです。
■あなたが人生で経験することにはムダがありません。仮にどんなに辛い経験
であっても、真実を見抜く『心の目』で見るならば、そこには未来を開く鍵が隠れ
ています。その経験を通して、あなたは成長することができるのです。そして、
その成長の過程で、あなたは自分の可能性を発見していくことになるでしょう。
○人生で会う人にも、会わない方がよかった人は誰一人としていないはずです。
「人間は一生のうち逢うべき人には必ず逢える。しかも一瞬早すぎず一瞬遅す
ぎない時に」(国民教育の父 森 信三)
■より多くの本に目を通すほど、当然、素晴らしい本に出合う回数は増えます。
本を買うのにかなりのお金を使いますが、読書から得られるものの大きさを
考えると、決して惜しむべきでない自己投資だと思っています。また、身銭を切る
ことによって、「その本から学びを得よう」という心構えもできます。
○私の場合、本を通してその著者と会って話を聞いている気持になれます。実際
にご著書を読んだことがご縁で会っていただいた著者の方もあります。
また、投資に関していえば、その本で一か所でも共感し、学ぶところがあれば、
1,500円や2,000円はリーズナブルだと思います。
■国民教育の父と言われた森信三氏も、その著書「修身教授録」(到知出版社)
の中で、次のようにおっしゃっています。
「あらゆる知識のうちで、われわれにとって一番根本的な知識は、この二度とな
い自分の一生を、いかに送るべきかという問題・・・それにはまず偉人の伝記から
入るのが、一番適当でしょう」
○「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」ということでしょうか。
■私はさまざまな方とお会いしてお話をしますが、学者でも経営者でも作家でも、
どんな仕事をされている方でも、超一流と言われる方たちはみなさん謙虚でいら
っしゃいます。
『老子』の中に、「上善は水の如し」という有名な言葉があります。上善とは、最上
の生き方のことですが、それは水のようなものだというわけです。
私たち人間は、自分を上に見てもらいたいと焦ったり、人と接するときも、自分の
ほうを上の優位なポジションにもっていこうとすることがあります。
一方、水は自ら低いところへと流れていくので、他と競争することがありません。
自ら低いところへ身を置こうとするこの謙虚さと、どんな形にも変化する柔軟さが
水の特長であり、それこそが私たち人間にとって最上の生き方だと、老子は教えて
くれるのです。
○琵琶湖が満々と水を湛えていることができるのは周囲より低いからにほかなりま
せん。私は、「上善水如」という新潟の地酒ブランドの愛好者です。
http://www.jozen.co.jp/top/jozen/top.htm
■ナイチンゲールが書簡の中で、「人間は賞賛を勝ち得ているときが、最も危険な
ときである」と語っていました。
私たちは、人生が順調なときで、まわりから高い評価を得ているときに、謙虚さを
失ってしまいがちなのです。心しておきたいものですね。
○「実るほど頭を垂れる稲穂かな」とはよく言ったものです。得てして中途半端にで
きる人に限って尊大な態度を取る傾向があり、本当にできる人は「私なぞはまだま
だ」という謙虚な姿勢を忘れないようです。
■中国の古典の一つ『韓非子』に、「巧詐は拙誠に如かず」という言葉が出てきます。
「一時的に見れば、巧詐(技巧や策を弄するやり方)のほうが結果を出すように見え
ることもあるが、長い目で見れば、拙誠(愚直でつたなくても誠意のこもったやり方)
のほうが勝っている」という意味です。
○技に頼るやり方には限界があります。次々と新しい方法を開発していかないと
慣れられたり、あきられたりして通用しなくなります。その点、誠実さは決して劣化す
ることがありません。何かを始めるときの判断基準としては京セラの稲盛名誉会長
の「その動機善なりや、私心なかりしか」ということを肝に銘じたいものです。
■夜空を見上げると月がみえますね。満月のときもあれば、半月のときもあれば、
三日月のときもあります。しかしそれは、私たちの肉眼に見える月の姿であって、
月の本当の姿ではありません。
私たちには三日月の見えるときがあっても、本当の月は、常にまん丸な球体で
す。つまり、目に見える月は欠けていても、本当の月は、じつは一度も欠けたこと
がないのです。
人間も同様です。仮に今、その人の不完全な姿が現れていたとしても、その人の
本質は、最初から変わることなく素晴らしいのです。そしてあなた自身の本質も、
欠けたことのない月のように、最初から素晴らしいのです。
大切なことは、肉眼に振り回されるのではなく、心の目で真実を見続けることです。
○完璧な人間などいません。足りないところがあるから、不完全なところがあるから
少しでも成長しようと努力するのではないでしょうか。
■「お金持ちになれば幸せになれる」と信じている人もいれば、「好きな人間と結婚
できれば幸せになれる」と信じている人もいます。しかし、幸せであるかどうかを決
める決定的な要因は、そういった外的条件ではなく、私たち自身の心のあり方なの
です。
今ある幸せに感謝できない限り、どんなに外的条件が満たされても、新たな不満
が生まれて、本当の幸せを味わうことができません。
○人間は「隴を得て蜀を望む」欲深い生き物ですが、そこは理性や品性を磨き、無
いものねだりではなく、あるもの活かしの発想をしていきたいと思います。
■感謝の極意は、当たり前のことを「ありがたい」と感謝することです。
「ありがたい」というのは漢字で「有り難い」と書きますね。つまり、「あることが難し
い」「めったにない」という意味です。
「当り前だ」と思っていたことを、「有り難い奇跡だ」ととらえなおしたときに、感謝の
気持ちが湧いてくるのです。
○「ありがとう」の反対語は「当り前」です。
日常、当たり前のように起こっていることもなくなってはじめてその価値がわかる
ことがあります。私事ですが、足のふくらはぎを肉離れしてギブスをはめて杖に頼ら
ないと歩行できなくなったとき、両足で歩行できる有難さがわかりました。
■「人間は自分の言葉に洗脳される動物だ」と言われますが、あなたが発する言葉
はあなたの潜在意識に浸透していって、あなたの考え方に大きく影響を与えている
のです。
○自分の発する言葉を聞くのもまた自分です。他人からマイナスの言葉を聞くと嫌な
気分になるように、自分が発するマイナスの言葉で最初に悪影響を受けるのも自分
なのです。
■「失敗は恐れるな!」なんて言われても、やはり失敗することは怖いですよね。大
切なのは、恐怖心を消すことではなく、恐怖心があっても行動を起こすことなのです。
○緊張したり、恐れている自分を隠すのではなく、その状態を認識し、受け止め、そ
の状態をプラスに活かしていくことが大事です。
■「だめで元々」の精神で、勇気をもって最初の一歩を踏み出すのです。そこから、
あなたの人生は、新たな展開を始めることでしょう。
○Go for broke!当たって砕けろの精神ですね。失敗しても命まで取られるわけ
ではないと開き直りましょう。だめだったらもう一回挑戦するチャンスを与えられたと
思って感謝し、方法を変えて再チャレンジです。
■今、大きな問題や悩みを抱えている人は、次のように考えてみてください。「今、
私は、目に見えないところで、根を深く張りつつあるんだ」と。
○シドニーオリンピック女子マラソンの金メダリストで先ほど引退したQちゃんこと
高橋尚子さんの座右の銘は「何も咲かない寒い日は下へ下へと根を伸ばせ、や
がて大きな花が咲く」だそうです。
■その人の感情に共感しようと思っても、なかなか共感できない場合があります。
そんな場合は、その人の意図に共感するようにするとよいのです。
人はさまざまな意図をもって行動しますが、あらゆる意図の根本にある意図は、
「喜びを味わいたい」か「苦痛を避けたい」かのどちらかです。そして、誰もがこの
二つの意図をもって生きています。
○人は強制や命令ではなかなか動きませんが、明るく、楽しいことには強制しな
くても誰もが参加したがるものです。
■望む人生を築き上げていくためには、主体的であることが必須条件です。主体
的であるとは、何ごとも他人や環境のせいにせず、「自分の人生は自分が創って
いる」という自覚で生きることです。
○できない理由や失敗した原因をついつい他人や環境のせいにしていまいがち
ですが、それでは毎回理由が変わるだけで、何回も同じ失敗を繰り返すことにな
ります。まずは「指を自分に向ける」ことです。
■主体的になるということは、相手に依存するのではなく、自立をするということ
です。相手の状態がどうであれ、自分ができることにベストを尽くすということなの
です。
○他人の評価、評判など自分がコントロールできないことは気にはなってもどうに
もならないことです。そんなことで悩む暇があったら自分のできることに注力したい
ものです。
■主体的になるということは、相手への甘えを手放し、一人の大人として心理的に
自立をするということです。「人生の被害者」から「人生の創造主」へシフトするという
ことなのです。
○「未来は予測するものではなく自らの努力で創造していくもの」ですね。
■私たちは、この世界に生まれてきて、この世界からさまざまな恩恵を受け、今こう
して生きています。そしていつか必ずこの世を去る日がやってきます。
であるならば、この人生を生きている間に、この世界に対して何らかの貢献、何ら
かの恩返しをしたいものです。それこそが、生きた証になるのだと思います。
○人生はどなた様でも一回切りの片道切符の旅です。やり直しのできない旅である
ならば、やらなかった後悔よりはやって失敗した後悔をするような挑戦をしたいもの
です。
■大切なのが、志を立てることです。ここでいう志とは、「私心を超えて、世の中の
ために何かを成し遂げようとする決意」のことです。
世の中の役に立とうとすることで、私たちの心は奮い立ち、エネルギーと充実感
に満たされます。なぜなら、私たち人間はみな、心の中に「人の幸せに貢献したい」
という気持ちを持っているからです。
○何でもいいですが、人のために何かいいことをすると自分の気持ちが温かくなり
ますね。最近は反対の意味に解釈されていますが、「情けは人の為ならず」とはよく
言ったものです。
■野心とは、己一代で何かを成し遂げようとする願望
志とは、己一代では成し遂げ得ぬほどの素晴らしい何かを次の世代に託す祈り
○「志を高く持つ」という言い方はしても「野心を高くもつ」という言い方はしませんね。
■私たちの人生は、いつか終わるときが来るのです。しかも、そのときがいつなのか
を私たちは知りません。
ところが私たちは、そのことを忘れてしまったかのような時間を過ごしがちです。
○人生には上り坂、下り坂に加えて、「まさか」という坂があり、そこにはいつ差しか
かるかわかりませんから、その時がいつ訪れてもいいように悔いのない日々を送り
たいものです。
■あなたにとって一番大切なものは何ですか?あなたが死ぬときに後悔しないため
には、何を最も大切にするといいのでしょうか?その答えを知るための問いがあり
ます。
「あなたの人生が、もし残り一日しかなかったら、あなたは何をしたいですか?誰
に何を伝えたいですか?」
ぜひこの問いの答えを考えてみてください。そして、出てきた答えに対して次の問い
を投げかけてみてください。
「なぜ、それを今やらないのですか?」
私たちに与えられている時間は今だけです。
過去は過ぎ去りました。未来はまだ来ていません。私たちは、過去にも未来にも触
れることができません。
今という時間だけが、私たちの自由になる時間です。そして、今を生き切るとき、過
去が輝きを増し、未来が開けてくるのです。
○この本の中で一番感動した箇所です。少しでもこの心構えに近づくため、私は自ら
の信条を「有言実行」から「有言即行」に改めました。
■今日という日は二度とやってきません。今という時間も二度とありません。
あなたの人生において本当に大切なこと、それをやるのは、今しかないのです。
○予備校を題材にした城山三郎の小説に「今日は再び来たらず」というのがありますが、
大切なことには「今できないことは一生できない」というくらいの気持ちで挑戦したいもの
です。
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