詠み人知らずなPSWきまぐれ日記

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自立支援法について



どんな風に変わるのか?現在の状態をおさらいしておきましょう。
デイケアや通院に関して……通院医療費公費負担制度を使うと0割、もしくは0.5割負担。使わなければ3割負担
作業所利用に関して……基本的に無料。お茶代とかをもらっているところはありますがそれでも月に2~300円くらい。工賃は1日200円~300円くらいがこのあたりの地域での平均

※利用については現在はデイケアから作業所や就労訓練などは施設同士での話し合いで決めることができます。
入所時期や期間も特に決まりがないので各施設ごとで利用者と考える形になっています。

通院医療費公費負担制度はどう変わるのでしょうか
この法律がこのまま成立すれば
・1割負担 または
・ 一定所得以上(所得税30万円以上)は、3割(全額自己負担=医療保険)
となります。※ただし開始後1年間は1割負担になります。

・ 一定所得以下(所得税30万以下=年間所得670万円以下)は、自己負担上限あり
(a) 生活保護世帯は、負担なし
(b) 低所得1:世帯全員が住民税非課税 & 収入80万円以下 → 2,500円/月
(c) 低所得2:世帯全員が「住民税均等割非課税」 → 5,000円/月
→(b)(c)は自己負担額が金額と1割の二本立てです。で、計算して安いほうの値段を病院や薬局で支払います。

・状態によって自己負担上限あり
(a) 「重度かつ継続」&所得税非課税:5,000円/月
(b) 「重度かつ継続」&所得税課税:10,000円/月
→これは「重度の障害」と認定された場合ですが、やはり10%と金額の二本立てで、安いほうの医療費を支払います。
※ここで言う「重度かつ継続」はGAF30を指します。ただし、3月の会議では今後調査して決定することにしていく、とのこと

所得の判定について
「世帯員」単位→つまり世帯全体の収入となるわけです。精神疾患を抱える本人が働いていなくても、親と同居だという場合は、その収入を「所得」とみなします。
所得税を30万円以上払っていれば3割の負担額になります。30万円以下だと、1割の負担額になります。「住民税の課税か非課税か」は、要件になっていません。すべて所得税を基本にしてます。

作業所などの制度はどう変わるのでしょうか
1、身体、知的、精神の障害種別となっている福祉サービスは一本化され、市町村でひとまとめにされます。そして、利用しようと思うときは一人一人がサービスを申請し、認定されなければならなくなります(つまり認定まで時間がかかることになります=手続き用の書類などが必要になってきます)。手続きは一年ごと。

2、利用したサービスの費用を利用者が負担する「応益負担(要するに作業所で就労訓練とか居場所というサービスを皆さんが利用して買っているのでその費用を払ってください、という考え方)」というものがとられます。作業所や授産施設にも利用料がかかります。(一割負担で一日約550円)グループホームの入居についても居住料や食費のほかに利用料がかかります。

3、作業所、通所授産施設は、「就労移行支援事業」、「就労継続支援事業」、「地域活動支援事業」に分けられ、障害の程度で利用できるサービスが決められてしまいます。
たとえばこれまで利用してきた作業所が「就労移行支援事業」に区分されると、そこを利用していた人の中で「就労継続支援事業」「地域生活支援事業」に認定された人はその作業所に通所できなくなります。(これらの決定は1年ごとの認定により決まります)
また、「就労移行支援事業」は利用期限を定めることになります。

4、グループホームなどの制度も解体され、中身が変更になります(今回は割愛させていただきます。すいません。詳しくは知りたい方にお伝えします)。     

サービス利用の認定:各市町村(障害福祉?)で申請して、まず認定を受けることになります。認定は1年ごとに更新することになります。 


○サービスの利用までの手続き
サービスを利用したい人は全員しなければならない(※は一部の人)
市町村にサービス利用の申請をする

市町村による一次判定

※ホームヘルプ、ショートステイ、ケアホームを利用する場合(介護給付)は、
「障害者給付審査会」の二次判定が必要

市町村により、障害程度区分の認定(3ランクの中から)を受ける

認定に基づいて「サービス利用計画」を「相談支援事業者」と相談して作成し(自分で作ることもできる)、市町村に提出する
↓ 
※標準モデル以上の量のサービスを利用したい場合は、「障害者給付審査会」の審査を受ける

市町村が支給決定をする
  ↓
市町村から通知のあった支給決定案の内容で、サービスを利用することになる


現時点ではこれくらいのことが話し合われています。実際にはどういう形になっていくのかまだわかりません。
しかし、今以上に窮屈に、自由に選択できない状況になってくることは確かです。私たちはこの法律が本当の意味で「障害者自立支援法」にするためにどうすればいいかを考えていく必要があります。実際に作業所などでは反対運動の署名などが行われています。他にも考えられることをしていく必要もあります。

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